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「MERCY/マーシー AI裁判」(備忘録的感想)

タイトルを観たときは、AIの裁判官に対して、人間の弁護士と被告が無罪を訴える法廷ミステリーかと思った。
しかし実際には、AIが判事で裁判官も弁護士も登場せず、アクション要素の強い作品であった。

近未来、犯罪が増加したL.A.ではAI裁判が導入されていた。
AI裁判は、凶悪と思われる事件の犯人をAIが短時間で審判し、即刻処刑するというシステムだった。
すでに18人がAI裁判に掛けられ全員が有罪で処刑され、AI裁判はL.A.の治安良化に効果があると考えられていた。

ロス市警のクリスが目が覚ますと、AI裁判の椅子に拘束されていた。
AIの判事マドックスは、容疑は妻ニコールの殺害だと言う。
朝、ニコールは自宅で何者かに殺された。
自宅の防犯カメラには、市警に出勤したはずのクリスが戻ってきているのが映っていた。
ニコールが自宅に入れようとしないため、クリスは激昂してカメラを破壊。
その後帰宅した娘のブリットが、殺害されているニコールを発見、同時に近くのバーで泥酔していたクリスが逮捕されている。
クリスは泥酔していたため、逮捕された時の記憶がない。
そして自宅付近の防犯カメラには、ブリットが帰宅するまでクリス以外の人物は映っていなかった。

L.A.では公的な防犯カメラはもちろん、住民が持つデバイスもすべて市のクラウドサーバに接続され、通話、通信などの使用履歴はすべてサーバに記録されていた。
その証拠を元にAI判事が客観的に事件を裁いている。
自身が過去に逮捕した犯罪者がAI裁判に掛けられていたクリスは、AI裁判にかけられることがほぼ有罪に近い事を知っていた。
審判の時間はわずか90分。
その間に無実が証明できなければ、クリスもその場で処刑されてしまう。
クリスはまず、ニコールが会社用の携帯で連絡を取っていたことを思い出し、誰と連絡を取っていたかから調べはじめる。

90分間と言う時間の中で、自らは拘束された状態で真犯人を探すという、サイコサスペンスである。
この90分間は、上映中ほぼリアルタイムで進行する。
時間内に、AIが判断する有罪率92%を下回らなければならない。
AIは必ずしもクリスに不利な判断をするわけではなく、あくまでも客観的な判断を目指している。
そのためクリスが希望する捜査についても、可能な限り協力する。
クリスは娘のブリットに連絡を取り、相棒のジャックに操作の指示もできる。
時にはAI判事は、クリスの判断に見落としがあるのではないかとアドバイスまでしてくれる。
しかし捜査は一進一退を繰り返し、有罪率も上下をするもののなかなか92%を下回らない。

ストーリーが進む中で、クリスと妻の仲が悪くなった原因がクリスの飲酒であることが明らかになり、さらにクリスの飲酒はかつての相棒を亡くした事が原因であることもわかる。
この、少しずつ全貌を明らかにしていく見せ方が秀逸だ。
なぜニコールが殺害されなければならなかったのか、その原因は偶然が重なっておりやや強引な部分もあるが、作品全体のテーマに深く関わっておりうまくまとまっていたと思う。
協力者が、なぜか途中から真犯人殺害を強行しようとするのにも理由があり、それがラストに明らかにされる。
クリスが有罪か無罪か、AIが判断を激しく迷うという展開も想像ができたが、無理がなく自然であった。

粗探しをすれば、AI裁判が短時間で終結し、そのまま処刑という流れが最初はよくわからない。
ただ、全体の展開がスピーディなので、それもあまり気にならなかった。

アクション系のサスペンスが好きな人には強くお勧めできる映画だ。

16.MERCY/マーシー AI裁判

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ラーメンと競馬と映画がたまらなく好きです。 こんな辺境の文章を読んでいただきまして、本当にありがとうございます!

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