ドナルドのバカ ~あるアメリカ大統領の愚行録~ その①ドナルド、学生時代にカリスマになる
この物語は、架空のアメリカ大統領ドナルド・カーズが主人公の完全なる創作フィクションです。実在する国、人物、団体、組織などとは一切関係はありません。あらかじめご了承ください。
<<あらすじ>>
架空のアメリカ大統領ドナルド・カーズ。極度な目立ちたがり屋の性格で、物事を深く考えずにいつでも思い付きでとんでもない事を言い出し、アメリカ大統領の権限を使って世界中を振り回す。彼によって利益が持たされるごく少数の人間以外は、誰もが彼のせいで大きな損失を被っていた。なぜこんな子供じみた迷惑な人間がアメリカ大統領になれたのか。そもそもどうしてこういう人間になったのか。ドナルド・カーズの少年時代から、アメリカ大統領になるまでを解説する。
ドナルド・カーズはアメリカの大統領だ。
彼の発言は常に物議を醸し、歴代の大統領の中でも一、二を争う問題児である。
彼の一挙手一投足に世界中は振り回され、多くの者が迷惑を被るだけではなく、多大な損失を受ける時もある。
それでも彼は無茶苦茶な言動をやめることはない。
やめる気もない。
なぜこんな男がアメリカ大統領になってしまったのだろうか。
ドナルドは第二次世界大戦直後、N.Y.で5人兄弟の4番目として誕生する。
父はワンマン経営で地元の土地開発を行い、成功を収めていた。
母は敬虔なプロテスタント信者で、とても礼儀正しくふだんから明るく振る舞い、5人の子供たちに深い愛情を注いだ。
5人の中ではドナルドだけが父の激しい性格を受け継いでいて、そのほかの4人は母親似の明るく優しい性格だった。
ドナルドには兄と二人の姉、そして弟がいたが、4人とも学校の成績も優秀だった。
一方ドナルドは落ち着きがなく目立ちたがりで、学校内でも問題ばかり起こしていた。
教師の言う事も聞かずに反抗ばかりしていたため、この時点で問題児のレッテルを貼られてしまう。
この問題児のレッテルは生涯彼から剥がれることはないのだが、詳細はこの後説明する。
土地開発で成功を収めていた父は、子供たちにも「弱みを見せるな」「勝者になれ」「利用される側になるな」「常に優位に立て」と徹底的に教え込んだ。
その事がドナルドと彼の兄の成長において、大きな影響を及ぼす。
ドナルドは教師に反抗して授業もまともに受けず、やんちゃと言うレベルではなく反抗的だったため、兄弟の中で彼だけ13歳の時に全寮制の軍の学校に入学させられる。
この事を彼がどう思ったのかはよくわからない。
自分だけ特別扱いされるのが大好きだったため嬉しく思ったのかもしれないし、親から見放されたと劣等感を感じたのかもしれない。
ただこのあたりから、彼は優秀な兄に対して憧れと強いコンプレックスを感じ始めた事は確かだ。
ドナルドは目立ちたがり屋の性格と行動力が功を奏し、軍の学校でリーダーシップを発揮して人気者となる。
軍の学校は、当然規律が厳しかった。
ドナルドも最初はその規律に縛られる生活に苦労するが、次第にその環境にも適応する。
そして、もって生まれた大きな体格を活かし、野球やアメリカンフットボールで活躍した。
スポーツで活躍し、級友たちから一目置かれるようになると、彼は学校の中心的存在となった。
そこで父から教わった、「利用される側になるな」「常に優位に立て」と言う言葉の意味を理解する。
学校内でも負けを嫌い、自信満々にふるまい、級友にも高圧的な態度でマウントを取るようになった。
教師は自信過剰で反抗的にふるまうトランプを認めていなかったが、逆に教師にも悪びれずにどうどうと自分の意見を言うトランプの行動が、生徒たちの間でカリスマ性を高めることになった。
常に上から目線で発言をする彼の行動は、この時期に確立されていたと思われる。
ただ、単純に高圧的に命令をするだけではなく、時には相手の立場を考えて行動することもあった。
これは母親から受け継いだ、慈愛と思いやりの精神だろう。
しかし一方で、特定の親しい友人は決して作らなかった。
心の底では、他人は信用できないと思っていて、常に友人とも一定の距離を置いていたのかもしれない。
あるいは、誰とでも同じ距離を保つことによって、カリスマ性を高めようとしたのかもしれない。
いずれにしろこの高圧と慈愛の巧妙なメリハリ、そして巧みな話術と友人との距離感によって、ドナルドの信奉者が増加した。
②に続く。
ドナルドのバカ ~あるアメリカ大統領の愚行録~ その②ドナルド、見習い時代に師と出会う
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