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「花とアリス殺人事件」(備忘録的感想)

昨年末から開催されていた「IWAI SHUNJI The Film Works 30th Anniversary 1995-2025」もラストの2本となった。
この作品は「花とアリス」の前日譚の位置付けらしい。
ただ「花とアリス」はたしか幼馴染のはずなので、前日譚という部分にはちょっと違和感を感じた。

両親の離婚のため、中学3年生の有栖川徹子(アリス、蒼井優)は母と田舎町に引っ越してくる。
隣家は花で覆われており、二階の部屋から同年代らしき少女がこちらを見ていた。

アリスが中学に行くと、席が前後に二つ開いていた。
教師に促されてアリスが前の席に座ると、クラスメイトがざわめいた。
放課後、掃除中にアリスが自分の席と後ろの席の机を片付けようとすると、クラスメートが止めに入る。
クラスメートからハレモノのように扱われたアリスは、違和感を感じながら下校をする。
すると下駄箱で、小学校の頃同じバレエ教室に通っていた風子と出くわす。
風子に連れられてバレエ教室見学をした帰り道、アリスは今の教室で昨年殺人事件があったことを教えてもらう。
殺されたのは男子生徒のユダで、ユダは別の4人のユダに殺されたと言うのだ。

翌日の放課後アリスは、教室でクラスメイトから儀式に参加するように言われる。
アリスが座った空き席はユダが座っていた席で、アリスが座った事で封印が破られたと言うのだ。
アリスはクラスのリーダー的な存在の陸奥睦美(鈴木蘭々)からお祓いの儀式を受ける。

翌日、アリスは登校途中にクラスメイトの男子生徒から、ユダは4人の妻に殺され、ある日突然陸奥睦美に憑りついたと教えてもらう。
だがアリスはひょんなことから陸奥睦美と親しくなり、睦美本人から憑依は芝居だと教えてもらった。
そしてユダの事件は睦美も詳しくは知らないらしく、ユダと同じクラスだった荒井花(鈴木杏)なら詳しい事を知っているかもしれないと教えてくれた。
荒井花はアリスの隣家の花屋敷の引きこもりで、学校に通っていないため留年していた。

この後アリスと花が出会い、二人でユダの行方を追う。
その過程で二人は距離を縮め、ラストは親友として一緒に学校に通う事になる。

アリスと花、そして二人の家族などの声を担当しているのは、実写版の「花とアリス」の配役と同じである。
よくわからなかったのは、アリスの父である平泉成がユダの父の同僚と二役だった事だ。
最初はそれに気づかず、ユダの父とアリスの父が同僚なのかと思った。

アニメはカメラ撮影をした実写をトレースする、ロトスコープという手法で作成されている。
そのためか、動きはかなり滑らかだ。
そして人物をはじめとした絵柄のタッチは、細田守のアニメ版「時をかける少女」に近いと思った。
観ていてとてもいい気分になれるアニメである。

ストーリー展開はやや強引な部分もあるが、逆にアニメだからこその面白さになっていたと思う。
実写作品とは異なる演出をするところに、岩井俊二のセンスを感じる。

かなり面白い作品だと思ったが、日本国内ではあまり評価されていない。
個人的には、もっと評価されるべき作品だと思った。

60.花とアリス殺人事件

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