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「銀河鉄道の夜」(備忘録的感想)

宮沢賢治の原作をますむらひろしがコミック化し、アニメ映画となった作品だ。
ますむらひろしの猫のキャラクターが特徴的で、劇場公開された1985年以降、40年にわたり名作として語り継がれていた。
過去に一度観たような記憶もあったが、あらためて見直すと、銀河鉄道に乗車した後はまったく覚えていなかった。
そもそも宮沢賢治の原作も、小学生の時に図書館で借りて読んでいたが、内容はほとんど覚えていない。
作品を見た後で調べたところ、キャラクターが猫に置き換えられている以外はほぼ原作に忠実のようだ。
よくわからないファンタジーという記憶がおぼろげにあったが、船が沈没した姉弟のエピソードはまったく記憶になく、こんな暗い話だったかと驚いた。

宮沢賢治については、同性愛者であるがゆえに苦悩した人生を送った事を、映画の「銀河鉄道の父」で知った。
それを知った上で「銀河鉄道の夜」を見ると、独特の死生観を持っていたことがよくわかる。
質屋という実家の家業にも大きな疑問を持ち、父親が地元に宗教会を設立するなど熱心な浄土真宗であるにも関わらず、賢治は上京して日蓮宗に没頭し、祖父の葬儀の際も大声で日蓮宗の読経を叫んでいた。
「銀河鉄道の夜」からは、現世の苦役と極楽浄土への道のりの考え方に、かなりこだわりを持っていたことが感じられた。

ただ、小学生に見てもらいたいかというと、ちょっとどうかなと思う。
「死」というテーマが前面に押し出されているため、子供には理解が難しいかな、という気もする。
自分が小学生の時に読んだ原作をほとんど覚えていないのも、単純に理解ができなかったのか、あるいは本能的に忘れた方がいいと感じたのか、よくわからない。
もし「銀河鉄道の父」を観ていなかったら、何歳になっても「銀河鉄道の夜」を理解することはできなかったかもしれない。

55.銀河鉄道の夜

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