プラハ出張シリーズ⑧ カンファレンス最終日,ボヘミアングラスを探して
カンファレンス最終日である。
今日は6時過ぎまで起き上がれなかった。
時差ボケが治ってきているのか,単に疲れが溜まっているのか,なんとも言えない。
ここ数日,ホテルに戻ったらすぐに眠る生活を続けている。海外出張中は,起きている間に詰め込まれる情報量が多い。講演,議論,移動,食事,街歩き,英語での会話,そしてビール。
体が眠りを求めるのも無理はない。
朝の1時間ほどは,いろいろと雑務を片付けた。
メールを見たり,必要な連絡をしたり,帰国前後の予定を確認したりする。出張先にいても,日常の仕事は完全には止まらない。
その後,朝食を食べたら,もう出かける時間である。
今日は非常に快適だった。

16℃。
最高気温も23℃。
これこそが,本来待ち望んでいたヨーロッパの夏らしい気候である。
日曜日と月曜日は,ほとんど修羅の国のような暑さだった。
あれは本当に厳しかった。
最終日にようやく落ち着いてきたのは,嬉しい限りである。
カンファレンス最終日
今日は,午前中に invited talk が2つ,plenary talk が1つあり,それで国際会議は終了した。
終わってみると,あっという間である。
最初は,暑さと時差ボケと長時間移動で,どうなることかと思った。
しかし,講演を聞き,自分も発表し,いろいろな先生方と話をして,結果としてかなり充実した滞在になった。
この国際会議は,2年後にトリノで開催されるようである。
また行きたいと思う。
4年後はブラチスラヴァの予定らしい。
こちらも,行けるように頑張らなければならない。
こうやって次の開催地を聞くと,研究集会というものが,単なる一回限りのイベントではなく,長く続いていく共同体のように感じられる。
またどこかで会いましょう。
そういう雰囲気がある。
お土産探しの旅へ
昼食を食べてからはフリーである。
というわけで,知り合いの先生と2人で,散歩しながらお土産を探す旅を始めた。
私のミッションは,家に買って帰るボヘミアングラスである。
もう一人の先生は,ボヘミアングラスに加えて,ガーネットを買って帰るというミッションを背負っていた。
なかなか重要な任務である。
国際会議の会場から歩き,博物館前のメイン通りを通り過ぎる。

天気もよく,歩くにはちょうどよい。
プラハの街並みを眺めながら,事前に調べていたお店をいくつか回る。
ボヘミアングラスもガーネットも,チェコらしいお土産としてはかなり魅力的である。
ただし,気をつけなければならない。
観光地では,雰囲気だけはそれらしくても,品質や信頼性が怪しい店もある。
ボヘミアングラスやガーネットは,うっかりすると偽物や粗悪なものを掴まされる可能性がある。
買う側にも慎重さが求められる。
星2.8の店から脱出する
いくつか店を回っているうちに,予定にはなかったお店に入ってみた。
中に入ると,ちょっと厳つめの女性店員に迎えられた。
ボヘミアングラスはいろいろ並んでいる。
見た目には,いい感じに見えるものもある。
しかも,少し安めである。
ただ,何かが引っかかった。
言葉にしにくい違和感がある。
もう一人の先生は,買う気になりかけていた。
しかし,私は,
「もうちょっと考えましょう」
と提案した。
そのまま,何も買わずに店を出た。
あからさまに舌打ちされた気がした。
気のせいだったと思いたい。
いや,たぶん気のせいではない。
買わない提案をしたのには,もう一つ理由がある。
Googleマップでの評価である。
星が2.8だった。
これは,通常のお店としてはかなり危険な数字である。
もちろん,評価がすべてではない。
しかし,観光地で,高額になり得るお土産を買う店が星2.8というのは,かなり警戒すべき情報である。
結果として,うまく脱出できたと思う。
海外での買い物には,判断力が必要である。
そして,ときには撤退力も必要である。
最初の店に戻る
その後,いろいろ相談した結果,結局,最初に入ったお店に戻ることになった。
ここで全てが解決した。
このお店には日本人の店員さんもいて,話が非常にスムーズに進んだ。
ボヘミアングラスの説明も分かりやすい。
安心して選べる。
結局,家へのお土産として納得できるものを買うことができた。
妻が気に入ってくれることを信じたい。
ここまで歩き回って,いろいろ見て,怪しい店から撤退して,最後に納得できる店へ戻ってくる。
なかなか良いお土産探しだった。
なお,姪からはチョコレートを要求されている。
こちらについては,明日,帰国する前に時間を見つけて買うことにしよう。
チョコレートは溶けるリスクもあるので,なるべく最後に買いたい。
お土産には,お土産なりの戦略がある。
最後のチェコ料理
買い物を終えると,いい時間になっていた。
その後,チェコの友人と一緒に夕食を食べに行った。

こちらの伝統的な料理である。
ビールが大変進む。
こういう料理を食べると,チェコに来ている感じがする。
重さがある。
味がしっかりしている。
パンにもビールにも合う。
日本で普段食べる料理とは全然違うのだが,出張中にはこういうものが妙に嬉しい。
チェコの友人とは,今回の滞在中にもいろいろ話をした。
研究のこと。
大学のこと。
今後のこと。
そして,どうでもよい雑談。
海外出張の価値は,講演や発表だけではない。
こうして現地の友人と食事をしながら話す時間にも,かなり大きな意味がある。
最後に,チェコの友人は私のホテルの近くの駅まで来てくれた。
そして,最後にもう1杯だけ飲んで帰った。
もう1杯だけ。
出張中に何度も聞いた言葉である。
そして,たいてい本当に1杯で終わるとは限らない言葉でもある。
ただ,今日は本当に最後の1杯だった。
たぶん。
チェコ出張も終わりへ
大変楽しかったチェコ出張も,もう終わりを迎えつつある。
明日は午前中,ホテルでゆっくりする予定である。
その後,追加のお土産などを購入したら,帰路につく。
プラハに来る前は,日本に台風が近づいていて,飛行機が無事に飛ぶのか心配していた。
こちらに着いてからは,まさかの猛暑に苦しんだ。
その後,雨で少し涼しくなり,最終日にはようやく快適なヨーロッパの夏らしい気候になった。
国際会議で発表し,いろいろな講演を聞き,友人たちと再会し,新しい人とも話し,街を歩き,ビールを飲み,お土産を探した。
かなり濃い出張だった。
もちろん,疲れてはいる。
しかし,来てよかった。
そう思える出張だった。
明日は,帰国前の最後の時間を大切に使いたい。
