グラミー賞に新設される「アジア部門」ってほとんどMAMAだよね
来年からグラミー賞に、来年からK-POPやJ-POPなどを対象とした「最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門が新設されるそうです。略して「アジア部門」。このニュースにK-POPライターでJ-POP育ちの自分はモヤったわけです。
相当なことがない限り“本丸の土俵”には上げませんよ、ってこと?
一部報道では「J-POPの海外進出の後押しになる」という意見もありました。確かに、これまでならノミネートさえ夢のまた夢だったアーティストの名前が、世界に出ていくきっかけになるかもしれません。間違いなく受賞のハードルは下がるでしょう。
でも、グラミー賞のいわゆる「主要4部門(ビッグ4)」と呼ばれる賞からは一気に遠ざかってしまったのではないでしょうか。今のところ私には
「K-POPは確かに人気だけど……これからは別物として扱います(キリッ!)」
という宣言にも見えるのです。
映画『マイケル』でも音楽業界の酷い人種差別について描いたシーンがありましたが、かつてのグラミー賞は実質「黒人アーティスト用」の部門があったといいます。つまり、ブラックミュージックがどれだけヒットしようとも、白人と同じ土俵に上げてもらえていなかったんですよね。今回新設される「アジア部門」も……歴史は繰り返されるのか?!
おそらくグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミー側が“警戒している”のは日本や中国の音楽ではなくK-POPなのでしょう。BTSとBLACKPINKに関しては、検討会議の中で名前が出ただろうな、と邪推してしまいます。
新設されるアジア部門の概要はざっくりと、こんな感じです。
対象となる音楽ジャンル
K-POP、J-POP、C-POP(マンドポップ含む)など、アジア市場を発祥とする、あるいは同市場で広く認知されている現代のポップ・ミュージック。
メロディ主導の楽曲、メインストリームのポップスの作詞作曲、商業志向のプロダクション(制作手法)であるものが典型的とされます。
ポップ・ロック、ポップR&Bなど、ポップスに隣接する派生ジャンルの要素を含んでいても対象となります。
最大の特徴・必須となる言語条件
1つ以上のアジア言語が「意味のある形(meaningful use)」で使用されていることが必須条件です。バイリンガル(2ヶ国語)やマルチリンガル(多言語)の楽曲である場合は、そのアジア言語が曲中で明確に識別できなければなりません。かけ声(アドリブ)や短いフレーズ、単語が単発で使われているだけなど、非アジア言語(英語など)が主体でアジア言語が限定的・偶発的にしか使われていない楽曲は対象外となります。
え?これ、ほとんどMAMAですよね?
もちろん細かい違いはあれど、年末にやってる「Mnet Asia Music Awards(MAMA)」と大差ないのでは……と思ってしまったんですよね。
もちろんMAMAは「K-POPが主役で、そこにアジアの他国アーティストがゲスト的に参加」という構図に対し、今回のグラミーのアジア部門は「アメリカの音楽賞が、巨大なアジア市場(ビジネス)を取り込みにきた」という構図なので、違いはあります。
「ラテン・ポップ部門」を新設してラテン市場を爆発させた成功体験の二匹目のドジョウ狙いである可能性も否めません。でもなんかモヤる。いや、やっぱりアメリカが選ぶMAMAだよね(2回目)。
アーティストの国籍・民族は不問。選考基準はあくまで「音楽のスタイルや言語」であり、アーティスト自身の民族性や国籍は問われません
アーティスト自身の国籍や民族は不問、アジアの言葉で歌っていればOKとのことなので
「お金稼ぐ!私はスター!!!」
ミーガン・ジー・スタリオンのようなケースはワンチャンいけるってことです。でも主要部門を狙える洋楽アーティストが、あえて積極的に狙いに来るところでもなさそうです。
アジア人アーティストの楽曲であっても、全編英語で歌われている場合はこの部門の対象外となり、通常のポップ部門やその他の該当部門で審査されることになります。
そしてBTSの「Dynamite」のように全て英語の歌詞の曲は対象外となる模様です。そうなると、ますます英語歌詞のK-POPが増えるでしょう。J-POPにも影響があるかもしれません。
その上で。アジアのアーティストがグラミー賞のメイン部門狙いで英語の曲を出したとして、本当に平等に扱ってくれるのでしょうか?今回の賞新設でちょっと疑問に思っちゃったんですよね。「こっちで受賞させてあげるからさ……」っていう、テイのいい「アジア人専用席」を準備したんじゃないの……?疑心暗鬼が過ぎますかね?
賞って、ただもらえたら良いというものではなく、その賞の歴史や重み、権威性があるからこそ、価値を感じ、喜びも大きいのではないでしょうか。グラミー賞以外にも、日韓で年々増える一方の「アワード」を見ながら感じています。
まだ情報が少ない中で、私が理解できていない部分もあるでしょうけれど、夜中にモヤモヤが止まりません。
