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承認欲求でアンチと戦うオタクを、誰が望んでいるのか──19年通った古参が、叩かれた側として書く

※この記事には自死に関する内容が含まれます。つらい気持ちを抱えている方は、無理に読み進めず、記事内の相談窓口も参考にしてください。

また、本件は現在も警察が経緯を調べている段階です。この記事では報道ベースの事実関係を整理したうえで、後半では特定の誰かを責めるためではなく、「オタクの承認欲求」という、私自身も無関係ではいられないテーマについて書きます。

つらい気持ちを抱えている方へ。一人で抱え込まず、相談してください。

厚生労働省 まもろうよ こころ

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いのちの電話

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何が起きたのか

2026年8月5日、韓国在住の20代日本人女性インフルエンサー・Mさんが、TikTokのライブ配信中に亡くなった。聯合ニュースなど韓国メディアが同日報じたもので、報道によれば8月5日、「友人がライブ配信中に自殺を試みた」という通報を受けて警察が出動。ソウル・竜山(ヨンサン)の自宅で、Mさんはすでに亡くなっていたという。竜山警察署が経緯を調べている。

Mさんは数万人規模のフォロワーを持つインフルエンサーだった。そして、ENHYPEN唯一の日本人メンバー・ニキ(NI-KI、20)の熱心なファン——いわゆる「ニキペン」として知られていた。

Mさんはどんな人だったのか

報道等によれば、Mさんは20代。大学に通いながら夜の仕事をしており、短期間で大きな売上を記録したことがSNSで話題になった人物だ。都内の店でトップクラスの成績を残し、2025年夏を最後にその仕事は引退していた。

その稼ぎでENHYPENのファンイベント最前席を確保するなど、メンバーからも認知されるほどの熱心なオタクだったとされる。

一方で、ライブでの目立つ行動——他メンバーに花束を託した件や、ライブ中にスマートフォンを操作していた件——をきっかけに、日本と韓国の両方のファンから攻撃を受けるようになっていた、という。

(なお花束の件について、Mさん本人は生前、X上で拡散していた話を否定・訂正している。ここは後述する。)

7月30日、ニキの「苦言」

Mさんの死と結び付けて語られているのが、7月30日にニキがWeverseの生配信で語った内容だ。

発言の要旨はこうだ。公演の撮影自体は否定しない。会場の隅にいるENGENE(ENHYPENファンの呼称)まで全員を気にかけたい。ただ、どの会場にも「自分に気づいて」というアピールをする人が何人かいて、跳ばずノらず、楽しんでいるように見えない。認知をもらおうとする人がいるのは残念で、コンサート自体が少し壊れてしまう感覚もある——。

そのうえでニキは、そういう気持ちへの理解も示し、雰囲気を作るのは自分たちの仕事だとし、最後は「ENGENEの幸せが一番の優先」という趣旨で締めくくっている。

つまり全体としては「コンサートを楽しんでほしい」というメッセージであって、誰か個人を名指しした発言ではない。この点は強調しておきたい。

8月2日、Mさん自身が語った「自覚」

ニキの配信後、X上ではMさんが「苦言の対象」だとする投稿が広がり、攻撃が強まっていったとされる。

Mさんは死の3日前、8月2日にYouTubeチャンネル「サランピTV」の生配信に出演し、自らの希望で一連の経緯を説明した。運営者のくろ局長によれば、出演は「誤解を解いて、推しとそのファンに謝罪したい」というMさん本人のDMから実現したものだった。

配信でMさんは、海外公演は先着自由で長時間並ぶ必要があり、寝不足と体調不良で楽しめているように見えなかったこと、自分は「コンサートよりファンサが好き」なタイプのオタクだったことを説明。ニキの発言に自分が含まれている自覚はあったと認め、「私の承認欲求が出すぎてました」と振り返った。そして終盤、ENGENEにも、ニキにも、ソヌにも、と謝罪して配信を終えている。

くろ局長は配信内で、ニキの発言はあくまで「コンサートを楽しんでほしい」という趣旨だと整理し、Mさんへの集中攻撃はニキも望んでいないはずだ、ほどほどにした方がいい、と呼びかけていた。

その3日後、Mさんは亡くなった。

死後に起きたこと

Mさんの死が伝えられると、X上では死とニキの苦言を結び付ける投稿が急速に広がった。同時に、最後の配信とされる映像や書き起こしが拡散され、「フル動画がある」とうたって外部リンクへ誘導する便乗投稿まで相次いだ。

くろ局長は8月5日、Mさんが出演した配信を非公開にしたことを報告する長文をXに投稿。Mさんが「ペン卒して、インフルエンサーとして自分の人生を生きていく」と直前まで前向きに話していたことを明かし、依存しやすい人にとって過度なアイドルビジネスが持つ危険な側面と、一個人に負担が集中する収益構造への問題提起をしたうえで、誹謗中傷は「許されていい事ではない」と指摘した。

翌6日には、生前のMさんを知るインフルエンサーやタレントが相次いで追悼。SNSと誹謗中傷について書いた過去の投稿を再共有し、「SNSがすべてではない」と改めて呼びかける声もあった。

整理しておきたいこと

事実関係を追ってきて、私が現時点で言えるのは次のことだ。

Mさんの死の経緯は警察が調べている段階で、原因を断定できる材料は報道にはない。ニキの発言は個人を名指ししたものではなく、全体としては「楽しんでほしい」という趣旨だった。ただ、その発言をきっかけの一つとして、一人のファンに日韓から攻撃が集中する状況があったことは、複数の報道・関係者の証言から見えてくる。そして、Mさん自身が最後に語っていたキーワードが「承認欲求」だった。

誰が悪い、という話をしたいのではない。ニキを責めるのは筋違いだし、亡くなった方を裁くのはもっと違う。

ただ、「推しに気づいてほしい」という気持ち——承認欲求は、程度の差こそあれ、現場に通うオタク全員が持っているものだ。私自身、19年現場に通ってきて、認知をもらって嬉しかった経験も、承認欲求が空回りした経験もある。

ここから先は、この件の話ではありません。

私自身の話です。

遠征カメコとして毎週地方へ通っていた頃、何を言われたか。

有料noteを始めてから、いま何を言われているか。

そして、承認欲求が満たされるほど、なぜ心のほうが不安定になっていくのか。

19年通ってきた、自分の経験だけで書きます。


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