見出し画像

【小説】目が覚めたら夢の中 救い2+α

救い2+α

「アメリア?」
急に変わったアメリアの様子に、私はいぶかしげに呼びかける。
「・・カミュスヤーナ。。」
アメリアがその瞳に涙をにじませた。右手を私の頬に当てる。

「アメリア・・何を。」
「ごめんなさい。力になれなくて。」
静かに泣いている様子のアメリアに、私はどうしたらいいかわからなかった。先ほどまでの彼女とはまるで別人だ。そのまとっている空気が違うように感じる。
「辛い目に合わせたくなくて。助けると言ったのに。」

「・・テラ?」
今、動けない私の上で泣いているのは、彼女だと思った。
泣きながらつぶやく言葉は、私の心に突き刺さる。

「なぜ、ここに来た?」
「貴方を助けたかったからです。アメリアに協力を依頼しました。ここに来る手段がなかったから。アメリアに一時的に私の中に入ってもらい、色を変え、アメリアにふんしてこちらに来ました。」
「敵地に乗り込むようなものなのに。」
「そのようなこと分かっています。貴方も一人で、ここに来てしまったではないですか。」
「奴の目的は私だ。私がここに来れば、君には危険が及ばない。」
「・・私は貴方を危険な目にあわせて、ぬくぬくと守られているのは嫌なのです。」

今はそんなことを言っている場合じゃない。エンダーンにとって、テラスティーネは、私を痛めつける道具でしかない。私は命を取られるわけではないが、彼女はどんな目にあわされるか、わからないのだ。

「テラスティーネ。」
「私を!」
テラスティーネは、涙をたたえた瞳のまま、私のことを見据えた。その赤い瞳の美しさに息を呑む。
「私を大切に思うなら、置いていかないでください!もう、離れるのは・・嫌なのです。」
「・・・。」
自分の顔に温かいしずくが落ちる。自分が泣かせているのに、彼女の泣き顔を美しいと思ってしまった。見惚れてしまった。

そして、私はやはり彼女のことが好きだと思ってしまった。

ここから先は

1,055字

¥ 100

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

チップをくださると、創作を続けるモチベーションとなります。また、他の創作物を読んでくださったり、スキやコメントをくだされば嬉しいです。