【小説】魔王らしくない魔王様 最終話解説
最終話 解説
いつもnoteを閲覧、スキ、コメント、フォローしてくださる皆さま、こんにちは。説那です。
この度、連載小説4作目、「魔王らしくない魔王様」が完結しました。皆様のおかげで更新続けられました。ありがとうございました。
今回は、「魔王らしくない魔王様」の最終話の解説です。読まなくても、本編に影響はありません。
カミュスヤーナとアルフォンスの関係
「カミュスヤーナ。」
私は目の前のプラチナブロンドの髪、赤い瞳の青年を見つめた。やはりと思った。私はその名を知っていた。
アルフォンスは、種族:天仕ですが、同種族内のいざこざにより、人間の住む地に移住しています。彼はエステンダッシュ領の騎士団長となり、その時に、エステンダッシュ領の摂政役テオファーヌの子、カミュスヤーナと会っています。
魔力と記憶を失うと同時に、髪と瞳の色が本来とは変わってしまったカミュスヤーナ(リシア)を、彼は助けましたが、カミュスヤーナとは分かりませんでした。
「リシアと呼ぼう。君の容貌はなぜか私の姉を想起させるのでね。姉の名前からとってみた。」
「リシア・・わかりました。」
銀灰色の髪、桃色の瞳。あの2人の色は全く受け継いではいなかったが、彼の容貌は、なぜか私の姉を思い出させた。
カミュスヤーナの実の母親は、アルフォンスの姉リシテキアです。リシテキアは、アルフォンスと同様、同種族内のいざこざにより、魔人の住む地ユグレイティに墜落し、そこで魔王となったマクシミリアンと結婚。その後、カミュスヤーナとエンダーンの双子を儲けました。
リシテキアは、カミュスヤーナの命を救うため、人間の住む地エステンダッシュ領に行き、カミュスヤーナを逃がそうとしますが、失敗。その場に駆け付けたマクシミリアンによって、カミュスヤーナはテオファーヌの子と暗示をかけられます。
つまり、カミュスヤーナとアルフォンスは、血縁上、叔父、甥の関係にあるのです。
カミュスヤーナが命を助けられた経緯
魔王マクシミリアン様には双子の子どもがいました。その内の兄がエンダーン様、弟がカミュスヤーナ様です。魔人の間では双子は禁忌の子。カミュスヤーナ様は、赤子の時にエンダーン様に捕食される予定でした。ところが2人の母親リシテキア様がカミュスヤーナ様を人間の住む地に逃がしました。
リシテキアが、カミュスヤーナの命を救おうとして、人間の住む地に逃がそうとした経緯は、宰相アシンメトリコが説明しています。
「貴方に助けていただいたおかげで、私はテオファーヌ様の子となり、エルキュール様の養子になり、その後エステンダッシュ領の領主になり、弟のアルスカインに領主の座を譲り、摂政役となりました。今の私があるのは、貴方のおかげです。」
カミュスヤーナがテオファーヌの子になったのは、前述した通り、実の父親である魔王マクシミリアンに暗示をかけられたからです。マクシミリアンは、人間の住む地で信頼できる人にカミュスヤーナを預けたいというリシテキアの願いを叶えるため、その場にいた、婚姻していて妻と子を亡くしたテオファーヌを、カミュスヤーナの父親にすることにしました。
その後、カミュスヤーナは、魔力量をかわれ、エステンダッシュ領の領主エルキュールの養子となります。そして、エステンダッシュ領に疫病が流行り、領主エルキュール夫妻、摂政役テオファーヌが亡くなります。それを受け、カミュスヤーナが領主になります。魔王エンダーンの襲撃を機に弟のアルスカインに領主の座を譲り、摂政役となりました。
「私は、アルフォンス様は、私と君の母君を救うために行方不明になって、そのまま亡くなったのだろうと聞かされていた。」
「カミュスも救っていたのですか?お父様は。」
「アルフォンス様や君の母君が襲われた時に、その場にいた。まだ、5歳だった私は何もすることができなかった・・はずだ。」
「いや、君の命を助けたのは・・。」
彼は、私の言うことを止めるように、自分の唇の前に人差し指を当てた。
「君はどこまで知っている?」
「今回記憶を取り戻した時に、全て思い出しました。そして、全てを知る必要はないそうですよ。マックスが言っていました。」
彼はニコリと笑う。その名前を出されてしまっては、私もこれ以上追及ができない。
アルフォンスは、人間の血が流れている天仕であり、種族:天仕間では、狩られる対象でした。そのため、アルフォンス本人、テラスティーネを身ごもっていた妻フェリシア、そして、その場に居合わせたカミュスヤーナは、命を狙われました。
その際、カミュスヤーナは夢の中で会話していたマックスに助けを求めます。マックスは、カミュスヤーナの身体を使い、襲撃者を撃退します。マックスは、生き別れた魔王マクシミリアンです。
実際にカミュスヤーナの命を助けたのは、マクシミリアンですが、それまでに、カミュスヤーナとアルフォンスの関係が育まれていなければ、カミュスヤーナは、マックスに助けを求めなかったと思われるので、やはり助けたのはアルフォンスとも言えるでしょう。
カミュスヤーナは全てを知っているのか
幼い頃、マックスと夢の中で会話していたカミュスヤーナですが、マックスに身体を貸した時のことは知りません。
そして、マックスが自分の実の父親マクシミリアンであるということも知りません。
また、マクシミリアンは、その襲撃以降、自分(マックス)に関する記憶を、カミュスヤーナから意図的に消しているようです。
(なぜ推定系なのかというと、この辺りのことは、また連載小説で書くからです。)
なので、マックスが話したことを思い出したとしても、全てを知っているとは言えません。例えば、アルフォンスは、カミュスヤーナと血縁関係にあることを知っていますが、カミュスヤーナはそれを知りません。
カミュスヤーナが幼い頃、テラスティーネと結婚すると言った理由
私の娘と婚姻するなど。何の因果なのか。
・・そういえば、以前そのようなことを聞いていたな。彼から。小さい頃の話だから、忘れていると思ったが、結局婚姻したのか。
カミュスヤーナから身体を借りたマクシミリアンは、アルフォンスに、「フェリシアの身ごもっている子(テラスティーネ)のことを、カミュスヤーナが慕っており、将来は結婚すると言っていた」と告げています。
その時、テラスティーネはまだ産まれておらず、性別も不明でした。
これについては、幼い頃のカミュスヤーナに、テラスティーネの存在を教えた人物がいます。マクシミリアンではありません。
これについても、また連載小説で書きます。
なお、カミュスヤーナは、結局、テラスティーネと婚姻はしていますが、それは幼い頃の明言を守ったのではなく、唯々大切な存在であっただけです。
最終話だけだと、こんな感じ。大体回収できたでしょうか?
連載小説を読んで、自分で内容を解き明かしたい方は、以下リンクよりどうぞ。
「目が覚めたら夢の中」
「天仕の少女と魔人の少年の物語(天女と魔年)」
「天仕の少年と人間の少女の物語(天年と人女)」
最後に、ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
説那
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