絶望続きの不妊治療から妊娠までの奇跡
最初に、僕のことを少しだけ。
僕は約1年間、不妊治療をしてきました。タイミング法を約9ヶ月、体外受精を2度。いわゆる"最終段階"までやって、それでも授からへんくて。何度も、絶望を味わいました。
「もう、諦めようか」「子どものいない生活も、考えていこうか」。夫婦で、そんな話もしました。子どもが大好きな僕たちにとって、ほんまに、辛い話し合いでした。
「次の体外受精でダメやったら、ちょっと間をおこう」。真剣にそう話していた矢先、、、奇跡的に、授かることができました。
この記事を読んでくれているあなたは、もしかしたら、不妊治療を始めたばかりの人かもしれません。あるいは、もう何年も、出口の見えない長いトンネルの中で、本当にしんどい思いをしている人かもしれません。
そんなあなたに、ちょっとでも心が軽くなってほしい。「自分だけじゃないんや」と、ホッとしてほしい。それが、僕の願いです。
不妊治療の記事は、ほとんどが妻側の視点。だから今日は、夫の僕が、すぐ隣で見てきた"リアル"と、夫にもできることを書きます。無力ながらも、旦那側にできることは、必ずあります。できる限り"一緒に闘って"、この長いトンネルを越えていきましょう。
タイミング法が、"作業"になっていく
最初は、タイミング法。これを約9ヶ月、続けました。
月に2回の通院、毎回2時間待ち。そして「この日と、この日にタイミングを」と言われる。その瞬間から、夫婦の営みが"義務"のようになっていく。
「今日は全然気分じゃないのに。」
「早く寝たいけどやらないといけない。」
気分がお互い乗らない中での行為。そしてプレッシャー。
勃ちづらくなったり、イキづらくなったこともありました。自分でも驚きました。行為中に喧嘩してしまうこともありました。
そうやってプレッシャーに毎月押しつぶされそうになりながら、期待し、月に一度、生理が来るたびに、絶望。それを毎月続けるのは想像以上にきつかった。
繰り返すうちに、妻は少しずつ、追い詰められていきました。「いつになったら授かれるんやろう」という不安。そして、どうしても「私の体のせいで、、、」と自分を追い込んでいってしまうのです。
僕はとにかく、「大丈夫!また次がんばろ」と言葉をかけることしかできませんでした。。。
過酷な体外受精
そして体外受精。ここからが、本当に過酷でした。
卵子を育てる注射を、1週間、毎日。妻はこれが怖くて、針をお腹に当てては、刺せへん。「無理、無理やって…」と、30分、刺せずに悩む夜もありました。最後は泣きながら、二人で夜の病院へ走ったことも。
それだけじゃない。採卵(卵子を取り出す手術のようなもの)は、激痛で。終わって駆けつけたら、妻はベッドで大泣きしていて。僕にできたのは、「ありがとう、よう頑張ったな」と、手を握ることだけでした。
それだけ体を張っても、1度目は受精すらせず。2度目は、よりによって僕がインフルにかかって中止に。妻に、合わせる顔がなかった。それでも、そこで二人で「少し、休もう」と決めました。
痛みを代われない僕が、それでも"できること"を探した
正直に言うと、僕の体は、痛みません。注射の痛みも、採卵の痛みも、毎月の絶望も、100%は分かってあげられへん。それが、いちばんもどかしかった。
でも、「無力やから何もできひん」やなくて、「無力でも、できることはある」。そう思って、これだけは意識し続けました。
① 絶対に、一人にさせない。
通院は、どの時間であっても、必ず毎回いっしょに行く。一緒にお医者さんの話を聞いて、一緒に考える。あの長い長い待ち時間をできる限り一人にさせないよう、とにかく一緒にいる!それを意識していました。
② お金のことで、不安にさせない。
「お金は全部大丈夫。気にせんと、やろう」。まず、そう安心させる。
不妊治療は結構お金がかかるのですが、余計な心配をかけさせないよう、少なくとも自分が出来るお金の面に関しては僕がやろう!と決めていました。
それが僕がお金を貯めている理由でもあるので。。。
③ 治療の前後の週は、家事をぜんぶ巻き取る。
妻が、治療のことだけに集中できるように。他に気を回さんでええように。
これをやることで逆効果になったこともありましたが、、、笑
④ とにかく、話を聞く。
これは意識していましたが、一番の難点でした。
「こうやったらいいんちゃう?」「それってこれが原因ちゃうん?」とかすぐ解決策を提示してしまう。それで何度も怒られました。笑
癖で話を聞いたらどうやったらその問題が解決されるかを考えてしまうのですが、解決策はいらないのです。
とにかく話を「うんうん」と聞いてあげる。それを求めているみたいです。これに関しては今もできないので練習中です、、、笑
⑤「自分ごと」やなくて「二人ごと」。
これがマジで一番大事にしていて。
子どもが欲しかったのは、僕も同じです。だからこそ、体を張ってくれている妻を、全力で支えたかった。これを軸に考えていました。
同じ目標に向かって進む。
この感覚を持てていたのは、今になって思うと本当に良かった。
実際に妻からも「あの時めっちゃしんどかったし一緒に考えてくれてのはほんまに嬉しかった」と伝えてもらってます!
「赤ちゃん、できたー!」
長年の不妊治療で妻のメンタル、体共にボロボロになってきたので、しばらく治療を少し休もう、と決めた、その月のことでした。
僕が風呂に入っていたら、バタンッ!と玄関が開いて、妻が走り込んできて
「見て、これ!赤ちゃん、できたー!!」
奇跡の、自然妊娠でした。あれだけの治療でも授からへんかったのに、ふっと力を抜いた、まさにその時に。
病院の先生でもほんまに奇跡ですねと言われました。
あの時の嬉しそうな妻の顔は、一生忘れません。
よく、妊娠は「気持ち」と言われますが、本当にその通りなんかもしれないなと思いました。諦めた時にできた。そんな話を先輩たちから聞くこともありましたが、そんなわけないやん!とぶっちゃけ思っていました。そんな自分もほんまにそうなんかもしれないな。と実感する体験でした。
あの1年は、"二人で越えた"準備期間やった
今、育児の真っ最中です。想像してたより、何倍も大変です。でも、最近よく夫婦で話します。「あの1年が、あったからやな」って。
泣きながら注射した夜も、受精しなかった絶望も、ぜんぶ"二人で"越えた。あのしんどさを一緒にくぐった経験が、そのまま夫婦の土台になっています。あれは、赤ちゃんを迎えるための準備期間やったんやと、今は思えます。
今、トンネルの中にいる、あなたへ
そして、その隣にいる、旦那さんへ。
痛みは、代われません。100%は、分かってあげられへんかもしれない。でも、隣で一緒に闘うことは、できます。一人にさせない。話を聞く。それだけでも、きっと違う。
どうか、二人で。この長いトンネルを、一緒に越えていってください。そしてそうやって苦労してできた子供はほんまに宝物です!めちゃくちゃ可愛いです!
今不妊治療されている方、心から、応援しています。くれぐれも無理のないようにしてくださいね。
