【スイス・バーゼル建築旅】国境を越えてヴィトラ・キャンパスへ!建築好きならツアーに参加しないと絶対に損する理由🇨🇭🇩🇪
こんにちは、Kou.です。
前回の記事では、マルタからスイス・バーゼルに向かう道中のお話を書きました。
バーゼル駅前のホテルに荷物を置き、いざ向かうのは今回の旅のハイライト。
「ここに行きたかったから、バーゼルに来た!」
といっても過言ではないくらい楽しみにしていた夢の場所!
建築好きなら一度は耳にしたことがあるであろう、ヴィトラ・キャンパス(Vitra Campus)について、実際に現地を歩き、すべての建築を見た立場からまとめます!
先に結論から。
ヴィトラキャンパスは、建築ツアーに参加しないと本当の意味では語れません!
と言うくらい、ツアー内容が濃かった・・・!
🏡パスポート片手に、建築のテーマパークへ
旅の拠点はスイスのバーゼル。
そこからトラムとバスに乗って約40分。
一度乗り換えて、気づけば国境を越えてドイツ「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」駅へ。
(※このバス移動で起きた冷や汗トラブルについては、また次回の記事で書きますね…いや本当に今思い出してもちょっとビビる体験でした😭)
バスを降りた瞬間から、視界に入ってくるのは、世界的建築家たちの作品が点在する、異様なまでに濃度の高い風景。

バスを降りると、そこはもう教科書で見た巨匠たちの作品がゴロゴロ転がっている、建築のディズニーランド!です。

🏠VitraHaus|ヘルツォーク&ド・ムーロン
まず迎えてくれるのは、バーゼル出身のスター建築家、ヘルツォーク&ド・ムーロンの「VitraHaus(ヴィトラハウス)」

「家」という原型をモチーフにした箱状のヴォリュームが積み木のように重なり合う建築で、内部はヴィトラの家具を実際の生活シーンとして体感できる展示空間になっています。

ここは一般公開エリア。
正直、ここだけも凄いボリューム。見ていて飽きない空間です。
箱と箱の繋ぎ目の空間や、天井やレベルが切り変わる面白さ。

さすがヘルツォーク建築・・・!!😆
切り取られた窓からの景色が、まるで絵画のよう。

「あぁ、こんな家に住んで、この椅子に座ってコーヒー飲みたい…」なんて耽ってしまいます。窓から見える景色も壮大に広がるグリーンがとっってものどかで気持ち良い。。


ちなみに、この中にカフェやミュージアムショップ🏬も。

ここだけでも充分楽しいのですが……
ヴィトラの本質は、これだけではありません。
🌍建築ツアーに参加しないと見れないエリア
ヴィトラキャンパスには、
一般観光客が立ち入れないエリアがあります。
安藤忠雄さんやSANAAの建物は、このエリアにあり、建築ツアーに参加しない限り近づくことすらできません。
ツアーはドイツ語と英語の2種類。私は英語ツアーを選択しました。
(英語力には自信ありませんが😂何とかなった秘訣は最後に!)
集合場所のヴィトラハウスには、世界各国から15名ほど集結。
各国から集まった建築好きたちと一緒に説明を受けて、敷地の奥へ進んでいきます。
【ツアーに参加!】安藤忠雄、そしてゲーリー建築
ツアーの一番始めは、フランク・ゲーリー建築から「Vitra Campus Gallery」にてスタート。(ここは無料エリアです)

ここでは、ヴィトラキャンパスの歴史を知ることが出来ます。
映像やパネルなど、わかりやすい⭕️
段々とここまで拡大して行ったんだなぁ。
同じくフランクゲーリーの「Vitra Design Museum / ヴィトラ デザイン ミュージアム」を通り過ぎ(ここはミュージアムなのでチケット購入で中に入れます!)

🏛️安藤忠雄建築とゲーリー建築との対比
個人的にとても印象に残ったのが、安藤忠雄さんの《Conference Pavilion》。
フランク・ゲーリーの建物のすぐ隣に建っているのが、安藤建築になります。

英語ガイドさんが説明していたのが、とても分かりやすい対比でした。
・フランク・ゲーリーの建築:
とてもオープンで、外へ外へと広がっていく。曲線的で動きがあり、視線も自然と外に解き放たれていく「動」の建築。
・安藤忠雄の建築:
そこからどんどん内側へ、内側へと向かっていく。コンクリートの壁に囲われ、視線も意識も、静かに内省へと導かれていく「静」の建築。

安藤さんは建物をあえて、この場所で建てることにしたそう。ちなみに、中庭には実は日本の桜の木が植えられています(安藤さんの意向)。
春に行くと咲いているそう🌸

同じ敷地内、しかも隣り合って建っているからこそ、 この二人の建築思想の違いが、言葉以上に身体で理解できる。

ヴィトラキャンパスの面白さは、 こうした建築同士の対話を、実際に歩きながら体験できるところにあると感じました。

【ツアー見学】SANAA|Factory Building
そして敷地内を少し歩いて向かった先は、SANAA(妹島和世+西沢立衛)による工場建築。

巨大な工場(直径約160メートルもある巨大な円形)でありながら、白く、柔らかく、どこか空気のように軽やか。

これはツアーに参加しないと、かなり遠く、距離を取って眺めることしかできません。
この白くて柔らかい、うねうねとした外壁。
遠目に見ると布のカーテンのようですが、実は「波型の波板アクリルガラス」でできています。
これに辿り着くまでに、とても苦労したとガイドさんが話していました。

外の光を優しく取り込みつつ、中の工場の雑多な様子は見えにくくなっているようです。
巨大な建物なのに「圧迫感」を消す。
SANAAらしい「空気のような、重さを感じさせない建築」が表現されていました。
立ち入れるエリアは限られていますが、工場内も入ることが出来ます。
※工場内も見学できましたが撮影はNG🙅♀️。16時頃でしたが、サマータイムのせいか従業員さんはほぼ帰宅済みでした。これが海外の働き方か…笑
近くで見て、素材感を感じて、スケールを体で理解できたのは、間違いなくツアーのおかげでした。
【ツアー見学】篠原一男|傘の家(Umbrella House)
ニコラス・グリムショウとアルヴァロ・シザの建物の間の道を通りながら(響きが贅沢。笑)

次に向かうのは、篠原一男さんの傘の家(Umbrella House)です。
もともと1961年に東京(練馬区)に建てられた住宅でしたが、取り壊しの危機にあった際、ヴィトラ社がその価値を認め、買い取ってキャンパス内へと移築・復元されたそう。

それを仲介したのがSANNAと言われています。
先ほど紹介したSANAA設計の「工場」も隣接しているため、彼らが敬愛する篠原氏の建築が同じ場所に存在すること、それが綺麗に復元されていることに、日本建築が世界で大切に思われていると感じ、何だか胸が熱くなりました。
そこでツアーガイドさんが話していたのが「この建物の『畳の寸法感』が、ここを訪れる人にはとても新鮮で楽しいんだよ」と。

ヴィトラ・キャンパスには、ダイナミックで巨大な西洋建築がいくつも並んでいますが、わずか55平米のこの建物の寸法感覚が新鮮のよう。
「畳って知ってる?日本独自の「尺貫法」に基づいた、この畳のサイズは、人が座り、横になるために考えられた寸法の単位なんだよ」
と解説されました。
私たち日本人が当たり前のように感じている畳の寸法感が、世界では新鮮に感じるんだと新たな発見があって、とても不思議な感覚でした。
【ツアー見学】ザハ・ハディド|Fire Station(消防署)
ツアー最後に向かうのは、ヴィトラキャンパスの中でも、強い緊張感を放っている建築・ザハ・ハディドによる《Fire Station(消防署)》です。

鋭角な壁、斜めに走るライン、直線だけで構成されたかのような空間。 建物全体が、 「今にも動き出しそうな彫刻」のような印象を与えます。
外観は常に見れますが、中に入れるのはツアーだけです!
この建築がつくられたのは1993年。
当時はまだ、ザハ・ハディドが“理論上の建築家”と見られていた時代で、 この消防署は、彼女にとって数少ない実作のひとつでした。
機能としては消防署ですが、 実際にはあまり長くその役割を果たすことはなく、 現在は展示やイベント空間として使われているそう。。

私が行ったときは、特に何もない空間で少し勿体無さを感じてしまいましたが・・・
それでもこの建築からは、 「待機」「緊張」「瞬発力」といった、 消防署というプログラムが持つ本質が、 造形としてそのまま立ち上がっているのを感じます。
当時の消防員のトイレや着替えの場所など・・・
空間はそのまま残っています。

曲線的な作品が多い印象のあるザハですが、 この建築では、 動きを直線で表現するという、 逆に新鮮な感じがしました。
ツアーはここで解散しました。
おおよそ時間にして2時間程度。
いや、本当濃いツアーだった……!
🌿 ツアー外でも見逃せない!一般見学エリア
では、ツアーに参加しなくても見れる建物もご紹介!
こちらも本当にボリュームがあり見応え十分。
Vitra Schaudepot|ヘルツォーク&ド・ムーロン
絶対に見逃せないのがヴィトラハウスと同じ建築家・ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した「Vitra Schaudepot(ヴィトラ・ショウデポ)」です。

先ほどの「ヴィトラハウス」が外に向けて開放的だったのに対し、こちらは窓が一切ない、赤レンガの塊。 2016年に完成した施設で、手割りで割られたレンガの荒々しい質感が、シンプルながらも圧倒的な存在感を放っています。
この中には何があるかというと……

圧巻の「椅子のアーカイブ」!!
ヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵するコレクションの中から、名作椅子が年代順にズラリと並んでいます。 イームズ、パントン、プルーヴェ……。 椅子好きにとっては、鼻血が出そうなほど幸せな空間です(笑)。

「開いた家(ヴィトラハウス)」と「閉じた蔵(ショウデポ)」。 同じ建築家が手掛けた2つの対照的な建築を一度に見られるのも、ヴィトラキャンパスならではの贅沢ですね。
Tane Garden House|田根剛
個人的に楽しみにしていた、田根剛さんの《Tane Garden House》。
こちらは2023年に建てられた比較的新しい建築。

石、木、土、茅葺きといった自然素材を用いた建築で、「記憶」というテーマが空間全体に静かに滲んでいます。周りのガーデンと相まって田舎町に来たよう。笑

室内には入ることは出来ませんが、窓から覗くことは出来ます。
ここは、この屋根からの景色が最高でした。

行った際は是非登ってみてくださいね!
udolf Garten|建築の隣にある、もうひとつの主役
安藤忠雄さんの《Conference Pavilion》の周辺に広がるのが、 ランドスケープデザイナー、ピート・アウドルフによる《Oudolf Garten(アウドルフ・ガーデン)》です。

ここは「ついで」や「休憩スペース」として流してしまうには、もったいなさすぎる場所でした。
多年草やグラス類を中心とした植栽は、 いわゆる整えられた庭園とは真逆。 無秩序に見えて、実は緻密に計算された配置で、 季節や時間によって表情が大きく変わるようです。

途中に置かれた椅子もこれまた絵になる…!
建物と建物の緩衝材としての場所として、建築が「固定された空間」だとしたら、 ガーデンは「変化し続ける空間」。だと感じました。

ヴィトラキャンパスでは、 建築とランドスケープが主従関係ではなく、 対等な存在として並んでいることを、 この場所が静かに教えてくれる印象深いエリアでした。
英語が苦手でも大丈夫。ChatGPTという相棒
「英語ツアーはハードルが高い…」
そう感じる方もいると思います。
冒頭にも書きましたが、私も英語が得意なわけではありません。いや本当に残念ながら全く。。。
でも今回は、
ChatGPTをリアルタイム翻訳&解説役としてフル活用しました。
・今の説明を要約して(同時通訳してもらう)
・この専門用語ってどういう意味?
・この建築の背景を教えて
文明の利器は、使った者勝ち。
おかげで、ただ「見る」だけでは終わらない体験になりました。
ありがとう文明・・・!!😭
まとめ|ヴィトラキャンパスは「ツアー込み」で完成!
ヴィトラキャンパスは、ただ有名建築を写真に収める場所ではありません。
・なぜこの建築がここにあるのか
・どんな思想でつくられたのか
・工場として、企業として、どう機能しているのか
それを知って初めて、この場所の価値が立ち上がってきます。
だからこそ、建築ツアーは必須!!!✨
確かにしっかり見るには半日は必要になりますが・・・
せっかくだしその価値はあると思います!
これから行くよ!と言う方は事前にツアーを是非予約してみてください⭐️
さて、そんな最高の建築体験の裏で、
実は行きのバスで人生初の「冷や汗トラブル」がありました。
その話は、また次回の記事で。
最後まで読んでいただきありがとうございました😄
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