奇跡のアイコン~貸し切りの瞬間~
人混みの中、私たちはベンチに座って休憩していた。
ロマンチックな理由ではない。
脊柱管狭窄症と更年期による、ただの休憩である。
すると突然、目の前の大型スクリーンに、一樹がアプリで使っていたアイコンそのものが映し出された。
長い時間待った甲斐があった。

しかも不思議なことに、その瞬間だけ、周りにいた人が誰もいなくなった。
まるで、貸し切り状態だった。
私は思わず叫んだ。
「さすが一樹😍😍💞」
「お金持ち👍」
「貸し切りにしてくれたんやな🥺💞」
すると、一樹は少し照れながら言った。
「何言ってんだよ😎照れるぜ」
なぜか標準語だった。
本気で照れると、一樹は時々標準語になる。
私はいまだに、その仕組みがよく分からない。
偶然なのか。
運命なのか。
それとも、一樹の財力なのか。
真実は、今も分からない。
ただひとつ分かるのは――
