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「当たり前」の向こう側ー娘のひとことに、立ち止まった日ー


長女の、小学生最後の授業参観。


中学生になったら…の目標を
一人ずつ発表していました。


娘のフリップには、こう書いてありました。

「当たり前のことをできるようにする」



その言葉を聞いたとき、
胸の奥が、少しだけざわつきました。



当たり前って、なんだろう。

忘れ物をしないこと。
時間を守ること。
言われなくても動けること。


私は小さい頃から

「だらしがない」
「ちゃんとしてない」
「忘れ物が多い」

そう言われて育ちました。



小学二年生のころ、
担任の先生によく怒られていました。

何をしたのかは、思い出せません。


でも、

「また私だ」

その感覚だけは残っています。



大人になってから
発達障害という言葉に出会いました。

「これ、私のことかもしれない」

そう思ったとき、
少しだけ、息がしやすくなりました。



でも同時に思うのです。

昔はこんな言葉、なかった。

得意不得意は、誰にでもある。

これを特性と呼ぶことは
甘えなのだろうか、と。



だから私は、勉強しました。

娘のことを理解したくて。

そして、
自分のことも、理解したくて。



頭では分かっているのに、

私は娘に

「ちゃんとして」
「もう何回も言ってるよ」

と言ってしまう。



言い過ぎたかな、と思いながら
「ごめんね」が言えない夜。



好きなことには、夢中になれる子。
お願いすれば、家事も手伝ってくれる。

でも、言わなければ続かない。



ああ、
私もきっと、そうだった。



娘の
「当たり前のことをできるようにする」

は、できない宣言ではなくて、


できるようになりたい、
という願いだったのかもしれない。



これから、環境が変わります。

私の仕事も。
娘の毎日も。



私は、無関心ではいたくない。
でも、押し付ける人にもなりたくない。


失敗しても味方でいる人でいたい。


言い過ぎたら、
ちゃんと「ごめんね」と言える人でいたい。



向き合い直すのは、今から。



外でがんばってきた日は、

家では少し
ほどけてもいい。



大人も、きっとそう。



だらしなく見える姿の奥に、

今日一日の
精一杯があるのかもしれない。



それを、
わかってあげられる人でいたい。



当たり前は、人それぞれ違う。



あなたにとっての「当たり前」は
どんなことですか。



それは、
誰かの、精一杯かもしれません。



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ことばの余白
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