東京大学2025文類数学④
今回使用させていただいた写真は、安田講堂ではなく井の頭線の『駒場東大前』駅の階段を降りるとすぐに目にする駒場キャンパスを写したものです。3月10日に歓喜した人たちは、大学というよりかは高校の連続のような学生生活をここで2年おくるというわけですね。久しぶりに行くことがあったときに、言葉を選ばずにいえばボロくて汚い『駒寮』はなくなっていて、綺麗な新しい建物が並んでいました。しかし思い出深いスポットはまだいくつか残されていて、とても懐かしかったですね。
それでは本題に入らせていただきます.
最初に白状いたします。すでに投稿した『東京大学2025文類数学①』のTEXで作った答案例のタイトルが『分類』となっていました。はいた唾は飲めないとおもいそのままにする代わりに本稿の最後ですべての答案例の最新版をまとめてあげることといたします。今回議論するのは第4問です。まずは、問題をご覧ください。





まずグラフがy軸について対称ですので、x≧0の部分を考えて2倍すれば面積が求まります。面倒なのは場合分けで、y=|x^2+a|がバウンドするところと直線x=1と2つのグラフの交点の位置関係を考慮することになります。厳密にやると場合分けは答案例のように4通りになりますが、a≧0においては、y=x^2+aのグラフがズルズルと上がっていくので問題となる領域はどんどん小さくなっていくという程度の考察でも許容かもしれません。
確か『予選決勝法』と呼んだと思いますが、 a のそれぞれの変域における最大値を求めて、一番強いやつを全体の最大値だと考えればよいという考え方を使っています。またエラーチェックとしては a の変域の境目でS(a)が連続していないとおかしいという観点で調べておくとよいと思います。
この問題もこれまでみてきた問題と同様、やるべきことは積分で、方針も簡単に立つ素直な問題なのですが、変域の処理や√|a|を文字置換して3次関数にすること、√(4-2a)/3 の処理など作業レベルで煩雑さがあります。
私が気づいていないだけかもしれませんが、ある発想を得れば視界がクリアになるという類の問題(私はそういう問題が好きです)は見当たらず、残念でした。
頭の使い方としては発想力というよりも、緻密な事務処理能力を見ているような気がします。そして、その方向性は難関私立中学の入試傾向と軌を一にするものです。こういう東大入試問題に強い資質を持つ生徒を青田買いして6年間在籍させて、その芽を摘むことさえしなければ、自然とたくさんの合格者は出るわなと思います。
緻密な頭脳の持ち主はたしかに必要ですが、学問研究を大きく進展させるのは多分、大雑把でも革新的な発想の持ち主だというのは歴史が示している事実です。ニュートン、アインシュタイン、フーリエなども、初期の論文においては、数学的な厳密さについて他の研究者からツッコまれていましたよね。
そういう観点に立てば、第1問とか第4問の私の答案例は細かいことを気にしすぎで、もっと大らかな記述をしても問題ないという採点方針であるようならばまだ救いはあるかなと思います。しかしそれだと問題が簡単すぎるよなという思いも抱きます。「まぁ、文類なので・・・」ということなのかもしれません。
私が思う良い問題とは、それを解く中でそれまであまり考えたことがないようなことを考える経験を与えてくれたり、その問題を通して、新しい発想を手に入れたりすることができる問題です。そのことに思い至れば多少の厳密さは欠いていても大きく得点を与えてくれるような採点をしてくれれば最高ですね。
多分この後理類数学もみることになると思いますが、ちょっとは違う方向性を感じ取れることを期待したいですね。まずはその前にTEXのリハビリをちゃんとしなければいけないと自覚しております。答案例のグラフがあまりにも酷い!寛容の心でお見守りいただいた方に感謝いたします。
最後に最新バージョンの答案例全体を付しておきます。










