家電は急に壊れる。
何の予告もなしに、ある日突然壊れるもの。
それは家電。
誕生日の朝、オーブンレンジがいきなり動かなくなったことがある。
どのボタンを押しても、うんともすんとも言わない。完全に壊れてしまった。
おかげでせっかくとってあった有休を、オーブンレンジを買いに走るために使った。
洗濯機が途中でぴたりと動きを止めたこともある。
これはどうすればいいんだろう。
しかもドラム式だ。蓋を開けるわけにもいかないし。中の洗濯物と水がどうにもならない。
私はこの故障によって、ドラム式の洗濯機を使うことをやめた。縦型なら多少動きが止まっても、どうにかなる。ドラム式の恐怖が植え付けられてしまったのだ。
食器洗浄機が突然「ガガガガガガガガガガ」と妙な音を立てて壊れたこともあるし、テレビに変な線が出て消えなくなったこともある。
かくも家電は急に壊れるんである。
なんでこんなことを書いているかというと、我が家は今年結婚20周年なのだ。
20周年ということは、この家に20年住んでいるということ。
家電は10年がひとつの目安だという。
これまで壊れてきた家電たちも、10年前後でばたばたと散っていった。
いつの間にか、また10年経ってしまった。
ということは、そろそろ洗濯機とかオーブンレンジとか食器洗浄機とかが危ないということだ。
困る。
この前、マンションの設備点検が来たときに「レンジフードの油汚れがちょっとひどいですね。あとお風呂場の換気扇の汚れも結構きてます」と言われてしまった。
今ならこの価格でお掃除できます、と言われてついつい申し込みをしてしまったのだ。予定外の出費だけど仕方がない。自分では掃除できない箇所だし。
更に「ガスコンロもそろそろ入れ替えを検討された方がいいですね」と言われた。炎の色が赤みがかっているらしい。正常だと炎の色は青い。赤い色ということは、設備が傷んでいる証拠だそうだ。
ガスコンロの入れ替え…いくらかかるんだろう…考えたくない。
去年はエアコンを全部クリーニングを頼んでなかなかの出費だったし、一昨年は冷蔵庫を買い替えている。
耐えられるギリギリまで耐えたい。
もうどうにもならなくなる時まで、買い替えずに頑張りたい。
そういえばトースターは結婚した時からずっと買い替えずに使っている。
もう20年頑張ってパンを焼いてくれているのか。そう思うと愛おしさが増す。
何度か買い替えようとしてお店へ見に行ったことがある。今のトースターは機能もすごいし、素晴らしく美味しそうにパンが焼けるんだそうだ。
いいなあ、と思いつつ、結局買わずに帰ってくる。
やっぱりもうどうにもならなくなる瞬間まで、買い替えずに頑張りたいと思ってしまう。
それが愛なのか、単に面倒なのかはわからないけれど、私は今日も20年目のトースターでパンを焼く。
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