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Episode 6:朝から夕方までの大実測。築70年の旅館が「呼吸」を始めた日

1. 雲ひとつない晴天、いざ大実測へ

5月30日。それまでの雨が嘘のような、雲ひとつない最高の晴天に恵まれたこの日、私たちは「しおはま」の次なるステップへと踏み出しました。

集まってくれたのは、建築と防災のプロフェッショナル、一級建築士の資格を持つ集落支援員、そして地域おこし協力隊の仲間たち。今後のリノベーションの土台となる、建物の健康状態を知るための「カルテ」作りと、詳細な実測・図面作成がスタートしました。

朝から夕方まで、丸一日がかりの計測作業。プロの目と手が、15年間眠っていた古い旅館に次々と入っていきます。

2. 解き明かされる、築70年の「設計図」

「この建物は、何間で建てられているんだろう?」 柱が壁の中に隠れている「大壁工法(おおかべこうほう)」で建てられた築70年のしおはま。伝統的な関西の間取り(関西間)なのか、それとも別の規格なのか。まるで歴史の謎解きをするような楽しさに包まれながら、作業が進んでいきました。

メジャーがあてられ、数字が読み上げられていく中で、嬉しい発見もありました。

「廊下の幅が、現在の規格にぴったり合致しています。これなら、今のままで旅館業の営業許可を申請できますよ」

その一言に、メンバーから歓声が上がります。当時の大工さんが遺してくれた丁寧な仕事が、時を超えて私たちの未来を助けてくれている。そう確信した瞬間でした。

3. 山と海の風が通り抜ける室内

実測にあたり、旅館にあるすべての雨戸を開け放ち、窓を開けていきました。その瞬間、室内の空気が一気に変わったのです。

山から吹き下ろす緑の空気と、海から吹き上げる心地よい潮風が、お互いに交差するように室内を通り抜けていきます。エアコンなんていらないほど、驚くほど涼しく、清々しい風。 専門家の方が「建物が呼吸している」と言った意味が、肌感覚でわかりました。しおはまは、この土地の自然と、今も一番いい形で調和していました。

4. 次のステップへ:課題を見つめ、仲間を募る

もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。これからの大きな課題として「浄化槽」の問題など、古い建物ならではの現実も見つかりました。

プロのメンバーは言います。「今回の実測は、人間の体で例えるなら、まだ身長と体重を測っただけの状態。ここから正確な図面を起こし、平面から立体図へ、そして耐震診断へと、本当のカルテ作りが続きます」

実測が終わった夕方、私たちはこれからのロードマップを話し合いました。 まずは上がってきた図面を元に、リノベーションの「第一弾としての構想計画案」を早急に文書化すること。そして、このプロジェクトを形にしていくための「資金集め」や、一緒に汗を流してくれる「協力者(仲間)作り」をどう進めていくか。

クリアすべき山は高いけれど、丸一日、この建物と向き合った私たちの足取りは確実です。 みんなが「今日が幸せ」と笑い合える場所づくりへ。私たちの「URAGAMI BASE」は、ここからさらに加速していきます。

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