季を結ぶ、五月の風~晴耕雨読
谷あいの向こうの山並みから、知らないうちに残雪が消えていた。
一雨ごとに木々の汚れが落とされ、緑が鮮やかに山の稜線を盛り上げる。
GW期間中の一日で、草取りをし、畑を起こし、
今年最初の肥料を混ぜ込んだ。
5月も後半になり、その間にまずアスパラが数本育ち、今年初の地物の恩恵に浴した。
そこでスイッチが入り、今年は畑で苗から育てるバージョンと、まず室内の一番日当たりの良い部屋で種から育て、苗になったら、畑に移すバージョンの両方を同時並行で行い、さらには最初から最後まで室内のプランターで育てる葉物野菜の3バージョンで展開することにした。
畑で苗から育てるバージョンは、もう20年を超える慣れた作業だが、逆に最初から最後までプランターで室内で育てるのは初めての経験。
にもかかわらず、あれも育てたい、これにも挑戦したい、と部屋中プランターだらけになりそうな位の種を集めた。
数年ぶりに育てるウリ科の野菜、初めて挑戦するハーブ類…。
今からワクワクで、これがあるから家庭菜園はやめられないのだ、とプランターでの野菜作り用に買い求めた参考書と首っ引きで勉強中の毎日である。
肝心なのは、畝も作り、あとは苗や種を移すだけになった畑に、
どのタイミングで植え付けるか。
来週早々30度の予想最高気温が発表されている我が地元。
ここ数年、5月末から6月初めはいつもそうなのだが、
例年6月も第2週に入った途端、季節が逆行したように10度近くも気温が下がり、暖房に手が伸びそうになる朝晩が、必ずやってくるのだ。
畑に植え付けるのは、そのあと比較的緩やかに右肩上がりに気温が上がっていくまで「忍」の一字で我慢しなければいけない。
年々、畑仕事のたびに腰や肩の筋肉痛の治りが遅くなるのだけれど、
その痛みと引き換えに、少しだけ、パートナーや愛猫や、
周りの出来事に対してやさしくなれる自分がいる。
普段誰かに対してしていることに、プラスαで何かしたいと思える心の余裕ができる。
野菜を育てること、植物を育てることは、取りも直さず自分を育てることなのかもしれない。
自分ひとりで生きていけてるわけじゃ、ないんだよ。
あなたも誰かに水をもらい、溢れる光で照らしてもらっているんだよ、と
今年も野菜たちに教えてもらう季節が巡ってきた。
五月の風は今年も優しい。
