黒バートと灰アーニー(068)
車を修理に出してあるので、電車とバスで通勤しています。

金曜日の夕方、電車を地元駅で降り、改札口に向かおうとしたときです。
改札口の先、連絡通路の正面にベンチがあって、お兄さん二人が並んで座っていました。
20代前半くらいのお二人です。
右側のお兄さんは、丸顔で小柄、灰色のパーカーを着ています。
左側のお兄さんは、面長で長身、黒のパーカーを着ています。
左側のお兄さんの髪型がツンツンしていたものですから、見かけた瞬間、セサミストリートのバートとアーニーを思い出しました。
色味に乏しいのですが、二人は、まさにバートとアーニーです。

黒バートは、灰アーニーの携帯ゲームをのぞき込んで、指を差して何やら教えているようです。黒バートの左手には自分の携帯ゲームがあります。
二人の携帯ゲーム機は、小振りで折りたためる形をしています。
おお、懐かしいDSに違いありません。
黒バートは白DSを左手に持ち、灰アーニーは黒DSを右手に持っています。
灰アーニーは、黒バートに教えてもらい、何やら、うまくできたようです。灰アーニーに笑顔がこぼれます。
すごく仲良さそうです。
きっと、通信設定ができたのでしょう。
黒バートも自分の白DSを見始めました。
時刻は19時30分を過ぎています。
春と呼ぶには、まだ寒い時季です。
駅の連絡通路に、冷たい風が吹き抜けていきます。
二人は、身を寄せ合うように座り、DSを握りしめています。

わたしは、改札を抜け、彼らの前を歩き、連絡通路を左へと曲がりました。
二人を見ていたのは、ほんの30秒くらいだったでしょうか。
なぜ、こんな寒い夜に、駅でゲームしているの?
黒バートと灰アーニー。

