腫瘍は小さくなった。でも、私の身体も変わっていった。
EC療法4クールが終わり、次はパクリタキセル(PTX)。
私はこの頃には、
「あと半分」
という気持ちで治療を受けていました。
PTXはECとは少し違う薬です。
アルコールが含まれているため、アルコールアレルギーがある人は初回は慎重投与。
そして、一番気をつけたい副作用は末梢神経障害。
痺れが強くなると、
・ペットボトルのキャップが開けられない
・細かい作業ができない
・足裏が痺れて転びやすくなる
この先の生活にも影響する副作用です。
だから私は、できる対策は全部やりました。
頭皮冷却に加えて、
手は小さめのディスポ手袋を二重に。
足は強圧レギンスを履いて冷却。
「頭も冷やして、手足も?」
と思うかもしれませんが、血管を収縮させて薬が末梢へ届く量を少なくする目的があります。
患者になって初めて知りました。
看護師なのに。
知らないことって、まだまだあるんだなと思いました。
そんな厳重装備で治療を受けましたが、
PTXは私にはとても楽でした。
アルコールの影響もあったのか、点滴中はぐっすり眠ってしまうほど。
ECのような強い倦怠感もなく、
食欲も戻って、
抗がん剤治療中なのに少し太ってしまったくらいです。
でも、
順調なことばかりではありませんでした。
ECの影響で左腕の血管は静脈炎を起こし、固くなっていました。
もう左腕から抗がん剤を入れることはできません。
右腕の血管も少しずつ細くなり、
今まで採血や点滴で困ったことがなかった私も、
この頃から点滴に失敗されることが増えました。
ある日、
抗がん剤室で一番点滴が上手な看護師さんにも失敗されました。
あとで聞くと、
私のことを知っていたから、
「絶対に失敗できない」
と緊張してしまったそうです。
それ以来、その看護師さんは私の点滴には来なくなりました。
そんなことまで気を遣わせてしまったんだ。
そう思うと少し申し訳ない気持ちにもなりました。
少しずつ変わっていく自分の身体。
時々悲しくなりました。
でも、その一方で、
胸のしこりは自分で触っても分かるくらい、小さくなっていました。
身体は確かに傷ついている。
でも、
薬はちゃんと効いている。
そう思うと、
もう少し頑張ろうと思えました。
