「もう救えない」と気づいた日。不思議なおばあさんが教えてくれた、手放す勇気|大宮氷川神社 #21
※この記事は「退職までの心の記録」4部作の第4話です。
神社で受け取った気づきと、その後の人生の変化を、当時を振り返りながら綴っています。
月の初め。
やわらかな光が降り注ぐ大宮氷川神社の境内で、私は立ち尽くしていました。
特別なお願いをするために訪れたわけではありません。
ただ、
「もう少しだけ、心を落ち着けたい」
そう願わずにはいられないほど、私の心は疲れていました。
当時、私の周りでは大切な仲間たちの退職が続いていたんです。
長く過ごしてきた場所が、少しずつ形を変えていく寂しさ。
そしてもう一つ。
私の心を大きく占めていたのは、ある一人の男性への思いでした。
「この人を何とかしてあげたい」
「もっと人を信じられるようになってほしい」
そんな気持ちで、私はその人に向き合い続けていました。
でも、気づかないうちに、そのやさしさは私自身を苦しめるものになっていたんです。
そんな時でした。
「ねえ、あなた……」
突然、声をかけられました。
振り返ると、そこにいたのは一人のおばあさん。
身なりは普通でしたが、背筋が伸びていて、凛とした印象の方でした。
そして不思議とその方の目は、私の心の奥を見ているような気がしたんです。
その時の私は、まさかこの出会いが、自分の考え方を変えることになるとは思ってもいませんでした。

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