【コソリテおすすめ本】『ママ友は「自然」の人』
※今回から時々、有料記事も投稿することにしました。
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今回は、自然派ママを取り上げたこちらのコミック本の話。
主人公の歩美は義実家で同居しながら、孤独な育児をしている。冒頭、夫も義父母も育児に非協力的(なのに、義母から口だけ出される)で主人公が疲弊するシーンは、なかなかしんどい。なのに、夫の実家というアウェイの地では、ママ友も作りづらい。
そんな中、ようやく歩美が見つけた「私の居場所」が、自然派ママのサークルだった。
長年、育児周りのトンデモを取材してきた山田ノジルさんの原作とあって、自然派ママの描写がえげつないくらいリアル。食品添加物や遺伝子組換えの忌避、キャベツ湿布、ホメオパシー、アロマ(そして、この絵のモデルは間違いなくマルチ商法のD社…)、素人の発酵食品、赤ちゃん菌、テレビを見せない育児、「ステージが上がる」、布おむつにおむつなし育児…と、トンデモウォッチャーにおなじみのアイテムがこれでもかと出てくる。
作者が無理にエピソードを詰め込んだのではなく、自然派にハマってしまうと、様々なトンデモに手を出してしまう人たちが実在するという現実があるのだ。
すじえさんの、かわいらしいけどリアルな作画も「あ~、これ、見たことある…」と「分かる人には分かる」描写になっている(自然派ママのファッションとか。ターバン率高いですよね)。
このコミックに登場する自然派ママは、主に3人いる。
主人公の歩美は「普通の」ママだが、たまたま居心地の良さを感じた場が自然派ママサークルだったため、その価値観に染まってしまう。
サークルのリーダーである真理子は、ミーハーで行動力が高く、SNSも「映える」。この真理子がトンデモに傾倒するようになってしまった分岐点が、また切ない(発達障害児育児をしている者としては、読んでいて本当に切なかった。公的な支援につながれていれば、その先に、障害児育児をするママ同士の温かい交流だってあったかもしれないのに)。
自然派の知識に詳しく、ゆえに真理子に頼りにされる悠月は、実母も自然派だった(いわゆる二世)。思春期に布ナプキンを強制されて困り果てていたはずの悠月は、母の価値観から逃れられずに自然派ママになっていく。
話はこの3人を軸に展開し、結末へと向かっていく。
3人がたどる「その後」も「あるある」で頷かされるが、脇役のママたちもリアルだ。例えば、(マルチ商法と思われる)アロマにハマる女性が、健康に良いと人にアロマを勧めるのに自分は肌が荒れている。自分は自然派に全く傾倒していないのに、割り切って参加している鈴木さんの存在も効いている。
原作者の山田ノジルさんはもちろん、作画のすじえさんの観察力も高いのだろう。
このコミックに出てくる自然派ママサークルは、コソリテと真逆の価値観で活動する。にもかかわらず(だからこそ?)、
「歩美は私だったかもしれない」
が読後の私の感想だった。
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