沖縄リベンジツアー 2020年11月シーカヤックとくじらの化石
「沖縄の呪い」
昨年の話だ。
通例7月初旬の沖縄は梅雨明けで天候が安定している。
当然1週間前の天気予報はツアー5日間、全部晴れマーク。うきうきして「沖縄シーカヤックツアー」の準備をしていた私と妻と娘2。
しかし、出発3日目前、2日前、1日前、次第に天気予報に曇りが増えていた。そしてなんと、全ての日程で曇り雨となる。
「マジか・・」
沖縄到着後、さらに天候が悪化。暴風波浪警報、雷も鳴っている。5日間、シーカヤックもダイビングも出来ずに終わった。
呪われている。
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2020年、今年こそは沖縄でシーカヤックをするぞとリベンジを誓ったが、なんと、このコロナ禍、流石に政府も気づいたのか、Go toトラベルを始めた。
私は、ここしかチャンスはないと思い。比較的天候が安定する11月中旬。20年ほど沖縄へ、シーカヤックをやりに通っているベテラン山ちゃんと「沖縄シーカヤックツアー」を急遽計画した。そして、ようやく仕事もなんとか処理して、ツアー当日を迎えた。
さて、ここでまた悪夢が・・、日程の11月12日から14日の3日間。一時的に沖縄だけ天候が崩れていた。さらに、出発する東京は寒波で朝から気温が一桁。
まるで、冬場の高尾山に登るような格好で、私は羽田空港へ向かった。
平日日程なのに、ほぼ満席の飛行機で沖縄に到着。予想通り天候は曇りだ。
予約していたレンタカー屋へ行く。
「沖縄の呪い・・、嫌な予感がする」
こんな時は予感に従おう、レンタカー屋で保険をワイド保証のものに変更する。
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レンタカーで走り出したのが15時半、うるま市、沖縄本島の真ん中辺りに位置するビオスの丘という、子供向けのネイチャーツアーの公園に行く。そこに山ちゃんの、中学生時代に家庭教師で世話になった恩師がいるという。その方に会いに行く。
山ちゃんをなんとか更正させた偉い方だ。
うるま市に入ってから、腹が空いたので、ハンバーガーショップA&Wに寄る。沖縄にしかないハンバーガーショップで、ルートビアが飲める。このルートビアは初めて飲むとその香りで衝撃が走る。お勧めだ。

ビオスの丘で恩師の方に閉園後の園内を案内してもらう。
流石山ちゃんの恩師、現在、65才だが1300CCのバイクで通勤している。
園内はちょっとした熱帯雨林の様相、森に響く音は蝉の鳴き声。オオシマゼミ(沖縄版ツクツクボウシ)。初めて鳴き声を聞いた。

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夜は糸満の地元の居酒屋で、大好きなもずくの天ぷらと泡盛を戴く。
1日目終了だが、シーカヤックツアーを依頼していたO1さんから既に明日のツアー中止の連絡を受けていた。

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「海は荒れていた」
朝から雨、海に行かない場合、代替えの予定がない。でも一応この目で海を見てみようと思い。糸満にある喜屋武岬(きやんみさき)へ行く。
喜屋武岬は、沖縄本島のほぼ最南端に位置する糸満市にある岬。美しい海がパノラマで広がる絶景ポイントとして知られている。
道に迷ったが到着。

海は荒れていた。
絶景というより壮絶だ。ここで益々雨が激しくなる。しばらく車の中で天候回復を持つが無理そうなので、Go toのクーポンでお土産を買いに行く。まず道の駅、次にアウトレットモールへ行く。
ここで、アクシデントが起こる。道の駅で買い物を終えて、駐車場へ戻って車を見ると、違和感が、
「あれ、ここ凹んでないか?」
左の後ろ座席のドアが少し凹んでいた。
「やられた!」レンタカーだから相手も逃げたのだろう。
レンタカー屋へ電話して確認、保険を拡張していたので、特に費用も問題ないということだ。
私の予感が的中した。いいんだか悪いんだか・・・。
お昼はO1さん指定の飯屋で沖縄そばを食べる。
食後、O1さんとツアーの可能性を相談する。明日、天候は回復するようだ。
しかし、私と山ちゃんは、明日東京へ戻る。飛行機は15時05分発だ。さらにレンタカーの返却が13時35分頃となる。ガソリンも満タン返しだ。
結局午前中しか時間がとれない。
それでもO1さん可能だという、糸満の浜からシーカヤックで、無人島へ行って帰ってくれば、今回借りたレンタカー屋は、その浜から近く、15分で行ける。
であれば、1時15分までに車を出せば間に合う。事前にガソリンは満タンにしておく必要があるが、なんとシーカヤックツアーは出来る。
「なら、やりましょう」
「では、9時集合で」
「了解しました」
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しかし、O1さんのその後の話で少し心配になる。
今年のシーカヤックツアーでの話。
あるツアーで明日行く予定の無人島へ上陸したのだが、その後、急に天候が悪化した。その後、やや判断が甘かったのが想定外の暴風雨となる。
「浜へ戻れない!」
それでも風雨が弱まった隙をみて、海に出たのだが、さらに状況は酷くなり、海上がホワイトアウトした状態。前が見えない。
O1さんとツアーメンバーは、それでも漕ぎ続けたが、雨が弱まり一瞬陸地が見えた時、カヤックが全く進んでない事に気づき愕然とした・・。
そんな話だ。
「でも明日は問題ないでしょう」
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本日も糸満の地元の居酒屋で、泡盛を少し飲み明日に備える。

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「無人島のくじらの化石」
最終日、シーカヤックツアーの遂行をするため、分刻みで行動をする。
6時半起床・・眠い。
7時朝食・・食欲ない。
7時50分にチェックアウトし、8時に車で出発した。
まずはガソリンを入れるため、指定のスタンドへ向かった。
ガソリンスタンドはセルフだったが、車の給油口の位置を間違えた。次はあれだ。
「こんな時、よくボンネットを開けちゃうんだよね」
「それって恥ずかしいよねーぇ」
そして、目についたハンドルの下のレバーを引く。
給油しようとドア開けると。
「ボンネットが開いていますよ」とスタンドの女性店員に言われる。
マジに恥ずかしい。
動揺したまま、糸満の浜へ着く。天気はまだ曇りだが、海は穏やかだった。
左に小さく見える島まで行く。

途中、岩礁?があるので、座礁しないように気をつけて進む。パドルを使うのは久しぶりだったけど。段々と慣れてきてノンビリと島を目指した。
島に到着する。島は浸食された岩がぎざぎざ尖っており、ビーサンで歩けば血だらけだろう。
取りあえず、干潮に近かったので、直ぐに鯨の化石を見に行く。



発見された1898年当時、頭部としっぽは何者かに持ち去られていたが、それ以外の骨は現存している。でもどちらが前か分からない。
ちなみに、化石を含んだ地層は100万年前にできた琉球石灰岩の地層。
頭部が残っていたとしても10m少しの体長だから、ザトウクジラではないかとの事。

島を歩いて一周、沖縄戦の不発弾を自衛隊が爆発処理した信管が捨てられていた。かなり減っているみたい。
時間もないので、沖縄式お弁当を食べる。食べ終わった頃、後発のツアーが海上に見えた。4艇が接岸した。
その方達が上陸後、食後のコーヒーを飲む。
しばらく話をしていたが、急に風が陸から強く吹いてくるようになった。嫌な雲も陸側から広がってきた。時計は12時を指す。戻らないとやばい。
私達は急いで戻る準備を始める。さらに雨が落ちてくると、後発のメンバーも危険回避のため、一緒に戻ることになった。昨日の話もあるので、無理は禁物だ。
行きより潮が引いているので、岩礁にはより注意して、と言うより、前を行くカヤックのラインを見て漕ぐ。
途中、GT(ロウニンアジ)に追われた手のひらサイズの魚が、海面から次々飛び出してきた。その1匹がカヤックの舳先にぶち当たってきた。
「おーっ、やはり沖縄の海は凄い」

浜に着くと、潮にさらされた身体のまま着替えてレンタカー屋へ向かった。
ここが最後の詰めだ。
そして、なんとかしくじることなく、飛行機に間に合った。
離陸した機上でつぶやく私。
「呪いは解けた。ありがとう沖縄」
