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【第15話/全24話】 違う世界 ダイジョウブ?

転職するほどでもない。
でも、このままでもない。
そんな人のために書いています。

着任後5年ほど経ち、西日本での仕事が軌道に乗り、 チームとしての手応えも感じ始めていた頃、 一つの話が持ち込まれました。

「ディズニーで働かないか?」


その話を持ってきたのは、 かつてフェデックスで一緒に働いていた女性でした。
東京の営業部長だった頃、 彼女はマーケティング部長を務めていました。

営業とマーケティングは対立しやすいと言われますが、 彼女の場合は違いました。
「現場にこそ真実がある」
そう言って、 よく現場に足を運んでくれました。

お客様の声に耳を傾け、 その声を施策に反映させていく。
単に宣伝や広告を打つだけでなく、 本当の意味でマーケターとして仕事をする人でした。

物腰は穏やかでも、 状況の読みは常に鋭い。
バリキャリという言葉が似合う、ビジネスウーマンでした。


私が西日本に異動してからは、 オフィスで顔を合わせる機会もなくなっていました。

そのあいだに彼女は、 一足早くディズニーに転職し、 同社のライセンス商品部門のマーケティングを 統括する立場に就いていました。


来週、大阪に行くんだけど、少し時間ある?

ある日、 その彼女が大阪にやってきました。

呼び出されたシティホテルのロビーで話を聞きます。
彼女が今働いている会社の状況、 これからの方向性、 そして自分に来てほしい、ということ。

とにかく一度、東京で 支社長と人事部長に会ってみてください

それまでにも、 ヘッドハンターを通じてさまざまな企業への 転職を打診されたことはありました。
ただ、 今回は質が違うと感じました。

自分のことをちゃんと知っている人から、 直接声がかかった。
「いまディズニーには、 あなたのような人が必要なんです。
とにかく一度、東京で 支社長と人事部長に会ってみてください」


話の内容は魅力的でした。
ただ、 一つだけ強く引っかかったものがありました。

業界が違いすぎる。

それまでの私は、 ずっと物流の世界で仕事をしてきました。
航空貨物、サプライチェーン、輸送インフラ。

一方で、 その会社が扱っているのはまったく別の世界です。


フェデックスにはすでに十七年いました。
アメリカの会社とはどういうものか、 フェデックスという会社の長所と短所も、 ある程度分かっていた。

自分はこの会社に合っているかもしれない、 サラリーマン人生が続く限り、このままいるのも悪くない。そんな感覚さえ持っていました。
正直、辞めるつもりは、 全くなかったのです。

どうする?

ただ、一つだけ感じていたことがありました。

なんとなく「やり終えた感」がある。

このまま自分の想像を超えるような仕事が、 もう一度やってくるだろうか。
そんな問いが、 ぼんやりと頭の中に浮かび始めていました。


そしてもう一つ。
「あのディズニーが自分に?すごい話だな。」という気持ちは、 正直に言えば、確かにありました。誰もが知っているブランドで働ける。
そのことへの、 単純な興奮のようなものです。

どうする?

最初に相談したのは、 フェデックスに誘ってくれた先輩でした。

彼に話すと、 まず驚いた様子でした。
「あのディズニーに、君ができる仕事があるの?」

その問いは、 自分が感じていたものと同じでした。

確かに、 ディズニーで具体的に何をするのか、 まだぼんやりとしか見えていませんでした。

家族には、 「そんな話が来ているけど、考え中」 とだけ伝えていました。


魅力はある。
でも、違和感もある。

その二つの間で、 しばらく考えることになります。
そしてこの迷いが、 次の決断へとつながっていきます。

もしよければ、一緒に迷ってみてください。 迷った末にどんな景色が見えたのか、その話を、もう少しだけ続けさせてください。

お付き合いいただけたら、嬉しいです。

次のエピソード(第16話)では、どのように退路を断ち、いよいよディズニーへの転職へと繋がって行ったかを描きます。次回までは無料でお読みいただけます!

※なお、次々回の第17話からは有料とさせていただいています。
第17話からは、ディズニーで経験した仕事について、表からは見えない議論や判断、葛藤、失敗も含め、これまでより踏み込んで書いていきます。

単なる「ディズニーの裏話」として面白半分に消費されるのではなく、仕事の背景や、そこで得た学びまで丁寧に受け取ってくださる方に届けたいと考え、この回から有料とさせていただきます。

守秘義務と関係者への敬意を最優先とし、個人や案件を特定できる情報、具体的な数字、未公開情報などは変更または省略します。

ディズニーの名前で注目を集めるためではなく、そこで経験したことを責任を持って記録し、伝えるための有料化です。連載の意図をご理解いただいたうえで、お読みいただければ幸いです。

※本連載は筆者個人の経験と記憶に基づくものであり、ウォルト・ディズニー・カンパニーおよび関連会社の公式見解を示すものではありません。

ん?なんと、まだ読んでない?

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