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【インド道中記 No.-1】少しの緊張と不安をバスの揺れに溶かして

父の車に揺られてバス停に向かう
「気をつけて行ってこいよ」
「まぁ大丈夫だろ」
「あのバスかな、いや違うか」
なぜか僕よりソワソワした父は必要以上に喋り続けている

高校生の頃はじめて日本を出た時の車中を思い出す
あの時も父は必要以上に喋り
あの頃と同じように僕の口数は少ない
奇しくも目的地はあの時と同じインド
既に僕はあの頃の少年ではなく
三十路を過ぎたいい大人である
それでも変わらず父からすると同じ息子であり
十数年の月日を感じさせない
もしかしたらそれは30年間変わっていないのかもしれない

「まぁこのバスが間に合わなくても、明日の朝の新幹線で大阪を出たら明日の成田発の飛行機には間に合うから大丈夫だよ」
一方が感情的になれば一方は冷静になるもので
父の気持ちも知らずにそっけない言葉を言ったと
手を振る父の姿に思いながら淡路島を出た

これから夜行バスで東京へ
そしてインドへと向かう
最後の海外旅行から9年
9年前と同じインドへと向かう
変わったであろうインドに変わらぬインドを求めて

「無事バスに乗りました。
行ってきます。」
母にラインを送る

なんがかんだ言いながらも
久しぶりの海外は緊張するもので
既にもう少しお腹が痛い
大丈夫、まだここのトイレは綺麗だ

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