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人類の進化と瞑想の起源~人類は瞑想すべき方向へと進化してきた

ヒトは瞑想に向くように進化してきた

個人勝手な直感ですが、私は瞑想するというのは、ヒトとして生物学的な利点のあることで、本能に属することだと考えています。

もちろん何も知らない状態で、自然に瞑想したがる人なんて圧倒的に少数だと思いますが、人類全体で見たら、ヒトというのは進化の過程で瞑想に向くような脳・神経生理の傾向が継承されてきたのではないかと考えています。

そうは言っても瞑想に向く・向かないという傾向が、直接に淘汰圧にさらされてきたというよりかは、進化したヒトの脳・神経生理が偶然に瞑想にも向くようになったというようなものかもしれません。

どのようなものであるにしろ、宗教が瞑想を生み出したのではなくて、ヒトという生物学的な基盤の中に瞑想の起源があると思っています。

瞑想しても政治、経済、軍事などにおいて他よりも優位になれたわけではないでしょう。
瞑想によって心の安定が得られるとか、特殊な意識状態が生じるといった性質などから、主に宗教などの精神的伝統によって尊重され実践されてきたのだと思います(中国大陸においては養生法としても実践されてきました)。

瞑想と宗教の関係はこういったものであって、本来的には宗教が瞑想の母体であるわけではないと思っています。

【 瞑想の効果 】瞑想する人の体験から

うつ、不安、神経質、扁桃体、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)


人間は生物学的にも、うつや不安になりやすいという素質を持っているようです。

[ 進化の傾向 ]

人類は精神疾患にも関係するうつや不安、神経質といった傾向が高まる方向へ進化してきたという研究があります

人類で進化し、多様性が維持されている「こころの個性」に関わる遺伝子を特定 ( 東北大学大学院生命科学研究科 )

人類は不安やうつ傾向が高まる方向に進化した可能性を示唆 VMAT1遺伝子変異の機能変化の解析から ( 東北大学大学院生命科学研究科 )

かなり乱暴に要約するとこんな感じでしょうか↓↓

うつ、不安、神経質といった精神的傾向や個性の背景には、それに対応する遺伝子の傾向がある。チンパンジーとの共通祖先から人類への進化の過程で、そのような遺伝子の傾向が有利に働く自然選択を受けて増加していった。

つまり人類への進化の過程で遺伝的に、うつ、不安、神経質の傾向が強まっていった

人類がアフリカを出て、ヨーロッパやアジアに広がる時期に、抗不安・抗うつ傾向を示す遺伝子の傾向が生じて、自然選択により増加していった。

うつ不安の傾向が生存に不利で、抗不安・抗うつの傾向が有利なら、自然選択により、うつ不安の遺伝子の傾向は淘汰されるハズだが、そうはならなかった。
むしろ両方の遺伝子の傾向が積極的に維持されるように自然選択が働いてきた。

この研究ではセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の取り込みに関する遺伝子が研究されていました。

[ 扁桃体 ]

扁桃体といった観点からも指摘されています。
扁桃体というのは大脳辺縁系の一部とされ恐怖、不安、逃避、怒り、攻撃性や、ある種の情動に関係する記憶の形成・条件反射などに関わるとされる部位です。

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扁桃体は動物において危険の回避・対応の本能に特に関わるとされています。
動物が危険を察知すると、扁桃体の活動が高まり、情動を呼び起こし警戒心を高め緊張させ、心臓、脈拍、筋肉の活動を活性化し、逃避行動や闘争行動に適したものにします。

これ自体は生存にとっては役立つことです。
しかし長期に渡って危険や恐怖、ストレスが続くと扁桃体が過剰に活動するようになり、うつや不安障害に結びつくようなのです。
人間以外の他の動物でも、扁桃体の長期・過剰の活動でうつ不安状態になることが分かっています。

人類は大脳を発達させ高度な文明を築き、複雑な社会を形成してきました。ストレスも多様なものになり、その解決も難しく一過性のものばかりではなくなってきました。
そのため扁桃体の活動も過剰になりやすく、うつや不安のリスクも高まっていると考えられるようです。

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)]

以前は本を読んだり、会話したりといった何か特定のことをしていないボーッとしているような時には、人間の脳は休憩状態に近く、活動が抑えられ、エネルギー消費も低下しているのではないかと考えられていました。

しかし研究で、ボーッとして休憩しているような時にも、脳の広い領域にわたる活動が確認できました。
これがデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれています。

デフォルト・モード・ネットワークは脳がこれから生じる事態に備えているアイドリング状態と言われています。
これは意識状態の維持だけでなく、内省、記憶、想像、ひらめき、創造性、審美的な情操にも関わると言われています。

一方でエネルギー消費量も大きく、解消しづらい慢性疲労にも関わっているのではとも言われています。
またデフォルト・モード・ネットワークにおいて、ネガティブな記憶、感情が繰り返されることがあり、これがうつ不安の症状に結びつくという研究もあります。

瞑想の起源

人間は生物学的にも、うつ不安になりやすい傾向があるようです。
また何もしなくても慢性疲労につながりやすい脳の活動もあるようです。

瞑想はうつ不安、それにデフォルト・モード・ネットワークによる疲労に有効であると言われています。
どれくらい効果があるのかについては、いろいろな意見があり、瞑想の効果は過大評価されているのでは、という意見もあります。

私は身をもって瞑想の効果を体験できました。私の場合は処方された薬よりも瞑想が効果的に思えました。

さらに瞑想の効果として言及されているのは、うつ不安やストレス、疲労回復といったものだけにとどまらないです。
免疫機能、脳の構造、幸福感などの肯定的感情、遺伝子レベルでの炎症反応、染色体にあるテロメア、、などなどに関して瞑想によるポジティブな影響が見られたという研究があります。

瞑想が本当に効果的であるのなら人類は瞑想すべき方向へ、つまり瞑想した方がしないよりも生物学的にも利点が得られる方向へ進化してきたと言えるのではないでしょうか。

瞑想をしなかった個体が自然選択により淘汰されて、ヒトは瞑想するように進化してきたというわけではなくて、進化してきたヒトの脳・神経生理が偶然にも瞑想と相性が良かったというものかもしれません。

とにかく何であれ進化してきたヒトの脳・神経生理が瞑想に適したものになっているからこそ瞑想に効果効能がある、とは言えると思います。


瞑想およびその効果効能の源は生物学的にもヒトの中にあって、何かのキッカケで本能的にそのメリットを感じ取った古代の人達が始め、瞑想が人類に伝えられてきたのだと私は思います。

瞑想は人類の進化の中、ヒトの生物学的基盤の中に、その起源が求められると思います。

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