【初心者の方向け】キャッシュフロー計算書(間接法)の作り方を解説
—「利益が出ているのにお金がない」を防ぐために—
キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)は、会社のお金の増減を「どこから来て、どこへ消えたのか」を明確にしてくれる重要な財務書類です。
特に中小企業や個人事業主では、PL(損益計算書)だけを見ていると、
「利益は出ているのに、なぜか現金が増えていない……」
という状況が起こりがちです。
この記事では、経理初心者の方に向けて、
キャッシュフロー計算書(間接法)の考え方と作成プロセス
をわかりやすく解説します。
■ そもそもキャッシュフロー計算書とは?
キャッシュフロー計算書は、会社のお金の動きを3つに区分して表す書類です。
営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)
投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)
財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)
特に重要なのが「営業CF」。
商売そのもの(本業)でお金がきちんと増えているかどうかが分かるためです。
■ なぜ“間接法”を使うのか?
キャッシュフロー計算書には「直接法」と「間接法」がありますが、日本企業のほとんどは間接法を使用します。
理由は以下の通りです。
PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)から計算で作れる
会計システムとの連動がしやすい
経理の実務で最も一般的
間接法とは簡単に言うと、
「PLの純利益(利益)から、お金の動きと関係ない項目や、タイミングのズレを調整して、営業CFを計算する方法」です。
■ 【核心】間接法によるキャッシュフロー計算の考え方
▼ステップ1:税引き前当期利益からスタート
間接法では、まず PL の「税引き前当期利益」からキャッシュフローを組み立てます。
しかしここで問題があります。
➡ PL の利益 = 必ずしも「お金が増えた」ではない
そこで、利益から「お金が動いていない項目」を取り除いたり、
逆に「お金は動いているけど利益に反映されていない項目」を足したりして調整します。
▼ステップ2:お金の動かない項目を“足し戻す”
代表例:減価償却費
減価償却は費用としてPLに計上されますが、
実際にはお金が出ていないため、その分を純利益に「足し戻す」必要があります。
その他、「お金が動かない費用」は以下のようなものがあります。
減価償却費
引当金の繰入額
有価証券の評価損
▶ これらは利益を減らしているが、現金は減っていない
=よって、キャッシュフローでは”プラス”調整
▼ステップ3:タイミングのズレを調整する
PL と BS は記帳タイミングが異なり、
「利益が出た=現金が増えた」ではないというズレが生じます。
そのズレを BS の増減から調整します。
例1:売掛金が増える → キャッシュはまだ回収できていない
➡ マイナス調整
例2:買掛金が増える → まだ支払っていない
➡ プラス調整
他の主な調整項目
たな卸資産(在庫)の増減
未払費用の増減
前払費用の増減
すべて「お金が動いたかどうか」という視点で判断できます。
■ ▼ステップ4:投資CFと財務CFを計算する
営業CFが終わったら、次は投資CF・財務CFです。
● 投資活動によるCF
長期的な資産の増減(会社の未来への投資)
固定資産の購入 → マイナス
有価証券の売却 → プラス
子会社株式の取得 → マイナス
● 財務活動によるCF
お金の調達や返済
借入の実行 → プラス
借入金の返済 → マイナス
配当金の支払い → マイナス
■ キャッシュフロー計算書(間接法)の“完成形”
最終的には以下のような形になります(企業の様式により多少変わります)。
営業活動によるキャッシュフロー
※純利益から調整して算出投資活動によるキャッシュフロー
設備投資や資産売却など財務活動によるキャッシュフロー
借入、返済、配当など現金および現金同等物の増減
=①+②+③期首の現金残高
期末の現金残高
これを見ることで、
「利益は出ているのにお金が減っているのはなぜか?」
が一目で分かるようになります。
■ “初心者がつまずくポイント”を一言で説明すると…
キャッシュフロー計算は、
「お金が動いたかどうか」
だけを追いかけて整理する作業です。
PLで利益が出ていても、売掛金が増えるとお金は増えません。
逆に、買掛金が増えると一時的にお金は会社に残ります。
この「利益と現金のズレ」が理解できれば、
間接法のキャッシュフロー計算は一気に分かりやすくなります。
■ まとめ
最後に、間接法のポイントを簡単にまとめます。
✔ 利益からスタートして、お金の動きに合わせて調整する
✔ お金が動いていない費用(減価償却費など)は足し戻す
✔ 売掛金は増えるとマイナス、買掛金は増えるとプラス
✔ 投資CFと財務CFは「資産の購入」と「借入・返済」
✔ 最終的に“現金がどう増えたか”がわかるのがキャッシュフロー計算書
初心者にこそキャッシュフローを学ぶ価値があります。
本業の稼ぐ力が見えるようになり、経営判断が格段にしやすくなります。
以上でキャッシュフロー計算書(間接法)作成に関しての考え方を紹介させて頂きました。
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