【わさび家の猫日記🐈⬛🐾】 うちの猫は、空気を読む
猫といえば、空気を読まない生き物だと思っていた。
忙しい時に限って膝に乗り、パソコンのキーボードの上を歩き、今まさに立ち上がろうとしている人間の前で堂々と寝転がる。
そんなイメージである。
ところが、うちの猫は違う。
ものすごく空気を読む。
私が家事でバタバタしている時。
買い物から帰ってきて荷物を片付けている時。
記事を書いている時。
何かに集中している時。
なぜか来ない。
普通なら「今こそ邪魔するタイミングだ!」と猫会議で決まりそうなものだが、うちの猫は違う。
遠くからじっとこちらを観察している。
私が「おいで」
と呼ぶ。
だが来ない。
呼んでも来ない。
もう一度呼んでも来ない。
こちらを見ているのに来ない。
その顔がなんとも言えない。
まるで、
「どうせ今だけでしょ?」
と言っているようなのだ。
「今は呼んでいるけど、あと五分もしたら違うこと始めるんでしょ?」
「私は知っていますよ」
そんな顔をしている。
そして、くるりと背を向けて去っていく。
猫に信用されていない。
いや、信用されていないというより、見透かされている。
ところが不思議なもので、私が本当に時間を作った時だけは違う。
家事も終わった。
やることも終わった。
よし、今は猫と遊ぼう。
そう思った瞬間、どこからともなく現れる。
そして膝に乗る。
隣に座る。
撫でろと言う。
撫でる。
満足そうな顔をする。
さらに撫でろと言う。
撫でる。
また満足そうな顔をする。
結局ずっとそばにいる。
さっきまでどこにいたのかと思うほど甘えてくる。
どうやら彼女なりに、
「今は本当に私の時間なんだな」
と判断しているらしい。
猫というより、長年連れ添った家族である。
私はもっと猫らしい猫でいてくれて構わない。
忙しい時に邪魔してもいい。
理不尽に鳴いてもいい。
突然運動会を始めてもいい。
それなのに、うちの猫は妙に気を遣う。
そんな姿を見るたびに思う。
親バカなのは十分承知している。
それでもやっぱり。
空気を読んでくれる猫というのは、尊い。
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