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【高配当株投資】「不勉強は、無配転落の入口だ」JAL・東京電力・日産が証明したこと


プロフィール

こんにちは。米泥棒(コメドロ)@育児と高配当株投資です。

  • 30代会社員・育休取得中、関東在住

  • 5歳と0歳の2児の父親

  • 結婚をきっかけに高配当株投資を開始

  • 年間配当金:約30万円(すべて家族旅行に充当)

育休中のパパ目線で、子育て世代のリアルな投資を発信しています。実際の保有株データと時事ネタをもとにした、等身大の記録です。

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実は、減配を経験したことがあります

正直に言うと、私は過去に保有銘柄で減配を食らったことがあります。

利回りが高く見えて買ったものの、翌年の配当が減っていました。金額としては数千円の差でしたが、「信じすぎていたな」という後悔が残りました。

ただ、減配で済んだのはまだ軽傷でした。日本の株式市場には、多くの個人投資家に保有されながら、無配転落→株価暴落→最終的に株が紙切れになった企業があります。しかも「まさかあの会社が」という、誰もが知る大企業ばかりです。

育休中のこの機会に、3社の事例と「見えていたはずの警告サイン」を改めて整理してみました。


JAL(日本航空・9201)——「国策会社は潰れない」

当時の空気

「国策会社だから絶対に潰れない」。これがJALに対して多くの投資家が持っていた感覚でした。航空という社会インフラを担い、国と深く結びついた企業が経営破綻するはずがない、と。配当も継続されており、「安定した高配当株」として年配の個人投資家を中心に広く保有されていました。

何が起きたか

2010年1月、JALは会社更生法を申請し経営破綻しました。上場廃止となり、100%減資によって既存株主の持ち分は完全にゼロになりました。「国策だから安全」と信じて保有していた投資家の株券は、文字通り紙切れになりました。

2012年に再上場しましたが、旧株主への補償は一切ありませんでした。

なぜ財務が悪化したのか

JALの問題は、一言でいえば「高コスト体質が何十年も放置されていた」ことです。

まず有利子負債が約8,000億円にのぼっていました。これは航空機の購入・リースや過去の赤字補填が積み重なったものです。さらに深刻だったのがOBを含む退職年金の未積立債務、約3,300億円。年金をちゃんと積み立てずに先送りし続けた結果、財務の地雷になっていました。

加えて、不採算の国内・国際路線を「社会インフラだから」という理由で廃止できず、ホテルやリゾートといった本業と無関係な事業にも手を広げ、赤字を垂れ流していました。

そこにリーマンショックによる需要急減が直撃しました。もともと自己資本比率は10%しかなく、外部ショックに耐える体力が一切なかったわけです。民間の金融機関にはすでに見放されていて、最後は国の支援も届かずに破綻しました。

数字を見れば、破綻前から脆弱さは明らかでしたが「国策だから潰れない」という信頼が、財務の実態を見えなくさせていました。


東京電力HD(9501)——「電力=インフラ=永遠に安定」

当時の空気

東京電力は原発事故前、年間約60円の安定配当を続ける高配当株の代表格でした。「電気がなくなる社会はない。電力会社は規制産業で競争もない」そういう空気が投資家の間に広くありました。「これ以上に安全な高配当株はない」とすら言われていた時期があります。

何が起きたか

2011年3月11日の福島第一原発事故が、その常識を一瞬で覆しました。直後から株価は暴落し、配当もゼロになりました。以来、14年以上にわたって無配が続いています。

さらに2024年には廃炉費用として約9,056億円の特別損失が発生し、純損失は6,626億円に達しました。自己資本比率は現在も20.6%と低いままです。

見えていたはずのサイン

原発事故そのものは予測できません。ただ、事故前から東京電力の自己資本比率は電力会社の中でも低水準でした。「競争がない=安全」という見方は、裏を返せば「その環境が変わると一気に脆い」とも読めます。特定リスク(今回は原発)への依存度が高いかどうかも、確認できたはずの視点でした。

インフラだから安泰、という属性への信頼が、財務の数字を見る目を曇らせていました。


日産自動車(7201)——「利回り6%超=割安のお買い得」

当時の空気

2018年のカルロス・ゴーン会長逮捕後、日産の株価は大きく下落しました。しかしそれに伴い配当利回りが6%超に上昇し、「この利回りは割安、拾い時だ」という声が広がりました。世界的な自動車メーカーがこれ以上落ちることはないだろう、という期待もありました。

何が起きたか

2019年に大幅減配(年間57円→40円)、翌2020年には無配転落。株価も低迷し、「高い利回りで買ったのに、配当もゼロ・株価もさらに下落」というダブルパンチを食らった投資家が続出しました。現在も配当はゼロで、ROEはマイナス、自己資本比率は26%と低いままです。

なぜ業績が悪化したのか

ゴーン体制の問題は「短期の数字を作るために、長期の競争力を削っていた」ことです。

最も深刻だったのが北米での値引き販売の常態化です。在庫を捌くために1台あたり約4,000ドル(約60万円)ものインセンティブ(値引き補助)を出し続け、これがトヨタの2.5倍にのぼっていました。売れているように見えて、利益はほとんど残っていなかったのです。

さらに、ゴーン体制下で研究開発費が大幅に削減されました。「技術の日産」を支えていた開発力が落ちた結果、競合がハイブリッド車で稼ぐ時代に、日産はHV不在のまま取り残されました。売れる新型車がなく、インセンティブで数字をごまかし続けるという悪循環です。

利回り6%超に見えていたのは「稼いでいるから」ではなく、「株価が下がり続けていたから」でした。EPSはゴーン後から右肩下がりで、その数字を確認するだけで配当維持の根拠がないことはわかりました。

「なぜこんなに利回りが高いのか」を問う習慣があれば、手を出す前に気づけたはずです。


3社に共通していたこと

3社はそれぞれ業種も転落の引き金も違います。でも根本にある構造は同じです。

「この会社は特別だから大丈夫」という思い込みが、財務チェックの目を止めました。国策・インフラ・大企業という属性への信頼が、稼ぐ力・負債の重さ・自己資本の厚みを見る習慣を奪っていました。

高い利回りには2種類あります。「稼いでいるから還元できる」場合と、「株価が下がって利回りが高く見えているだけ」の場合です。後者は、業績悪化のサインを株価が先に織り込んでいる状態です。


高配当株投資家として思うこと

「あの会社が潰れるはずない」
この言葉が出た瞬間、財務を見る目が止まっていると思っています。

JALは国策会社でした。東京電力はインフラ会社でした。日産は世界的な自動車メーカーでした。それでも配当はゼロになり、株価は暴落しました。

この3社の歴史を振り返ると、「家族のための配当が突然ゼロになる」シナリオの怖さが改めてリアルに感じられます。属性や規模ではなく、財務の数字を信じる。その原則を、もう一度自分に言い聞かせておきたかったです。


参考記事


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