オートリバースからドラゴンフライを考える
海の上 この小さな羽を広げて
空のはて あの小さな光求めて
これはラジオ小説オートリバース第8話の中で話されている直の心情を元に書かれたものかなと思っています。この時直は、吉田照美のてるてるワイドというラジオ番組内で紹介された小泉今日子のどくとるマンボウ航海記の感想文聞いているのですが、その時の心情がオートリバースで語られています。
それがこちら⬇️
海を渡るトンボがいた。
沖へ向かって薄っぺらい羽を一生懸命バタつかせるトンボは僕だった。
この文章と先ほど紹介したドラゴンフライの歌詞、似ていると思いませんか?
このことから上記のドラゴンフライの歌詞は直の心情から生まれている、つまりこの曲のトンボは直であるということがわかります。
また、小説の方には「トンボは自分がオニヤンマと呼ばれていることも知らない」という文章が書かれているのですが、オートリバース第1話にて直が高階に「高階の目の色はオニヤンマと同じエメラルドグリーンだ」と言ったことからもう1人のトンボは高階なのではないかと考えました。
海を飛ぶ 僕らトンボ それを海とも知らないで
海を飛ぶ 僕らトンボ それを無理とも知らないで
これも先ほど同様、オートリバース第8話の直の心情と関係があります。
直の心情↓
トンボは自分が今海を飛んでいることなんか知らない。自分などに超えることなどできないものだということをトンボは知らない。
これを見ていただくと、この文がそれを海とも知らないで、それを無理とも知らないでという歌詞に当てはまっていることがわかります。
海のむこうへ 行ければ 僕らドラゴンフライ
この街さえ でれれば 僕らドラゴンフライ
海のむこうへ行ければ→海を渡ることに成功したことを表している。
のですが、トンボは海を渡りきることは基本的にはほぼ不可能で、長期間の飛行などは向いていないとされています。これにより、この歌詞は無理と知りながらも挑戦するトンボのように彼ら(直、高階)も夢に向かって挑戦する姿が描かれていると考えました。
僕はここ まだ誰にも嘘をつけずに
君はどこ 見上げる空の色を変えて
この歌詞の僕は直のことを表しているのではないかと思います。
オートリバース第一話で高階が『ボム!』(雑誌)の白いビキニを着た河合奈保子のページを見ながら「ここ太陽に透かすと乳首見えんだぜ」と言うシーンがあるのですが、直はこう言い返します。
「でもこれ、裏の文字が透けてるだけじゃない?」と。
これに高階も「お前、すげーおもんない奴」と言ってしまいます。
このことから直はウソがつけない真面目な性格というのがわかりますね。
そして、君はどこ の君はおそらく高階のことですね。
オートリバース第5話で高階隊に呼ばれていないと知った直は、自分は高階に必要とされていないことやこの時の高階は別人に見えると気付きます。
この後からしばらく直と高階が一緒にいる描写がなかったことから、君はどこ?と高階に問いかけているのではないかと考えました。
恋をした僕らトンボ それを愛とも知らないで
恋をした僕らトンボ それを永遠とも知らないで
恋をした僕らトンボは直と高階を表しているのですが、高階は言わずもがな小泉に恋をしているのがわかりますよね?(オートリバース第2話終盤で高階が直に「好きな女ができたからお前とはもう遊べない」「名前は小泉今日子」と発言するシーンあり)
では直は?という感じですが、私が考えるに直が恋をしたのは今日子隊の連合長である三谷の彼女・ヒメなのではないかと考えています。
直とヒメといえば、オートリバース第6話で一緒に山手線を一周したり、第8話で海に行き、互いにキスをしあうというシーンがあります。
これだけで直がヒメを好きと言えるかは微妙ですが、この頃直と高階はあまり仲良くしているシーンがなかったこと(学校や家に居場所がなかった直が唯一の親友である高階とも話せなかったことによるストレスがあった?)や直とヒメが互いにこの頃(直がカワニシに今日子隊の副隊長をやめないかと提案された頃)の今日子隊があまり好きになれなかったと話しているシーンがあったことなどを見て、なんでも言い合える仲であるつまり直にとってヒメは心の拠り所だったのかなと思っています。(明確な恋愛感情とは言えないが)
これで2人の恋をしている相手がわかりましたね。
では本題。
"それを愛とも知らないで"とはどんな意味なのか。
それを愛とも知らないで
そもそも彼らはまだ高校生なわけで…
いくら恋愛したとは言え、それが愛というものなのかとか、本当の愛の貴重さや深さなんてわかっていないと思うんですよね。つまりそれが、愛とも知らないで という歌詞の意味になります。
それを永遠とも知らないで
オートリバースのラジオドラマでも小説でも2人の恋愛事情について語られていたり、書かれていたところがあまりなく、彼らの「今」についてが多く書かれていたことが多かったと思いますし、きっと当時の彼らも当時の恋愛感情が永遠に続くかなんて知る由もなかったはずです。
海のむこうへ行ければ 僕らドラゴンフライ
誰もいけぬと笑うんだ 僕らドラゴンフライ
1番のサビでは、"この街さえ出れれば"だったのが"誰もいけぬと笑うんだ"と、先ほどは直と高階の2人だけの感情だったのがここで初めて「誰も海のむこうへいけないと笑った」と第三者の目線が入ってきます。
先ほど上記で説明した通り、確かにトンボは海を渡りきることはほぼ不可能と言われています。でもそれと同時に、夢に向かって挑戦する直と高階の2人がバカにされているようにも見えなくはないはず。
会いたい 会いたい 痛い この胸にあいた穴
会いたい 会いたい 痛い この傷がくれた夢
この曲で数回出てくる歌詞ですが、この会いたいは直から高階に向けての会いたいだと思っています。
ではなぜ直の胸に穴があいたのか…それは高階が亡くなってしまったからだと思います。高階が亡くなったことによりぽっかりと心にあいた穴、その痛みは非常に辛いものだと思います。
また、"この傷がくれた夢"は高階や親衛隊とのすれ違いを通してついた傷。(気付き) それが夢(直と高階の内面的な成長)に変わる。
会いたい この胸の穴はあなた
ああ痛い この胸の穴はあなた
"会いたい この胸の穴はあなた"は作間(高階)パートになっており、"ああ痛い この胸の穴はあなた"は猪狩(直)パートになっているんですね。
オートリバース第11話(最終話)にて、高階が白血病で亡くなったあとのシーン、高階は「チョクにもう一度会いたい」と言っています。つまり、作間(高階)の"会いたい"は直に向けて歌われているものだと考えられます。
一方、猪狩(直)の"ああ痛い この胸の穴はあなた"は高階が亡くなってしまったことにより胸に穴があき、感じた痛みだと思っています。"会いたい 会いたい 痛い"の時と同じ解釈ですね。
そもそもなぜ高階と直はトンボに例えられているのでしょうか。
トンボの特性などを調べてみたところ、トンボは前にしか進まない生き物で、後ろに下がらないことから勝利を呼び込む「勝ち虫」と呼ばれるようになったらしいです。縁起がいいですね。
きっと彼らも勝ち虫であるドラゴンフライのように前に進みながらこれからも頑張っていくのでしょう。
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