うちぬゎけゑにょーびょ【小咄】【企画参加記事】
えー、わたくし、このあいだちょいといつもの焼き鳥屋で飲んでおりまして。
そしたら客の中に、やけに惚気やがるオヤジが一人いたんですよ。
「いやぁ〜もうねぇ〜、うちぬゎけゑにょーびょがねぇ〜、もう、かわいくてねぇ〜……」
……なに言ってんだこいつ?
いや、「うちの若え女房」って言いたいのはわかるんですけども。
もう一回聴いてみたら、
「ぅちぬゎけゑにょ〜びょがなぁ〜、ぬぁ〜んでもよう気がつくんでぃぃすよぉ〜」
って、だんだん音がスライムみたいになってきてるんです。ぷる〜んでろ〜んって。

で、「へえ、そんなに若いんですか?」って訊いたら、
「そぃなんでぃすよぉ〜、こないだまでランドせるしょってぃたんでぃす〜」
──それ、通報されるや〜つ!!
って、いやいや、みなさん! 落ち着いてください!
よく聴いたら、「ランドセルしょってたのは夢の中での話」だったみたいです。
「夢んなかでねぇ〜、ぅちぬゎけゑにょーびょが、ルァンドせるしょって、どぅら焼き売ってぃたんでぃすぅ〜〜」
──いや、世界観どうなってんの!?
ランドセル背負ってどら焼き売り……?
話の意味はわからない。
でもまぁ、愛だけは伝わってきます。愛だけは──ね。
そしたら、最後にオヤジが一言。
「にょーびょはねぇ〜、うちの"てぇよう"でぃぃす〜」
……てぇよう。
……てぇよう?
ああ、"太陽"ね……。
もう──せっかくのその太陽、あなたの滑舌で曇ってて見えましぃぇ〜ん。
どっとはらい。

(今回はこちらの企画への投稿でした↓)
