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ニブいのか、冷静なのか

20代の頃、私は勤めていた会社で当時所属していた部署の部長と面談をしていた。人事部の中の教育関係の部署だったが、そこで全く仕事に興味がないまま仕事を続けていた私は部長に異動させてほしいという話をしていた。当時、私は宣伝会議という会社の「コピーライター養成講座」というものに通っていたこともあり、すっかり広告業界にカブれ(私の人生にはこういうことが多い気がする、、、)たことから、広報室に異動したいと言ったのだ。(書いていても相当、恥ずかしい。自分の若さが怖すぎる、、、)

私の話を聞いた部長(関西人、思ったことはすぐに口にする)は言った。「広報に行ったからってお前がやりたい仕事ができるとは限らんし、それより、お前、早よ結婚せいや!」
教育関連部署の部長であるにもかかわらずセクハラ発言である。腰掛けOL は入社して何年か経ったらさっさと相手を見つけて結婚して会社を辞めるものだという昭和のオヤジ的発想。しかし、当時、それを聞いた私の頭の中は???であった。「今の部長の発言、どういう意味なんだろう、私がまだ結婚していないことをこの人は心配している?なぜそんなに親切なの?」広報室への異動はちょっと厳しそうだし、その後の部長の謎の発言。スッキリしないまま面談は終わった。

それからだいぶ時が経ち、ある日突然気づいた。「あれはもしかしてセクハラ発言だったのかも。」

なぜ気づくのにそんなに時間がかかったのか。その当時は自分が他の人と違って単に、ニブいからなんだと思っていたのだが、今は新しい解釈をしている。分析に時間がかかっていたのだ。部長の発言が心に引っ掛かり、モヤモヤし、その真意をおそらくずっと心のどこか深いところで探り続けていたのだが、ある日、突然、結論が出た。他の人なら聞いた次の瞬間に瞬間湯沸かし器のように頭に血が昇るのかもしれないが、おそらく私はよく言えば冷静なのだ。「あれかな、これかな、いや、もしかしたら本当はこういうことが言いたかったかもしれない。」たくさんの可能性のある解釈を並べ、消去法でひとつずつ消していく。その分析作業に時間がかかっていただけなのではないかと。

このように怒らなければいけないような場面でも適切なタイミングで怒ることができず、時差が発生する。気づいた時には相手はもう目の前にいないから、言われたその場で抗議することができない。私の人生ではそういうことがよく起きる。ケンカになることはないけど、いいんだか、悪いんだか。


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