住吉大社の狛犬⑪ー種貸社と児安社ー
はったつさん
住吉大社には、商売繁盛・家内安全を祈願してお参りする人がたくさんいます。毎月の最初の辰の日に、住吉大社の種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社をそれぞれお参りすることを「初辰参り」といいます。年12回、4年で48回お参りすれば「四十八辰」、すなわち「始終発達」で、満願成就になります。

種を司る神様
種貸社は、『延喜式神名帳』・『住吉大社神代記』に「多米神社」と記載されている古社で、この初辰参りで最初にお参りする神社です。もとは、稲種を授かって豊穣を祈る信仰であったのですが、時代とともに商売の元手、元本、また子宝祈願の信仰に発展していきました。

この種貸社の拝殿前に、珍しい狛犬があります。親の背中に子供と孫を乗せた「おんぶ狛犬」です。

台座には「奉納 平成二十六年正月初辰日」と書かれています。まだ新しいものですが、子宝祈願、子々孫々までの繁栄をお願いするのにぴったりの狛犬ですね。
同じ平成26年に奉納された青銅狛犬もあります。こちらは太鼓橋前の住吉型狛犬をモデルにしたのでしょうか。阿形(あまり口を開いてませんが)は垂れ耳で巻き毛多数、吽形は立ち耳で直毛、頭上に角があります。

神殿の内部にも、色鮮やかな狛犬さんが置かれています。

一寸法師発祥の地
だれもが知っている昔話の「一寸法師」。室町時代に成立したと思われる『御伽草子』の中のお話です。
子供のない老夫婦が、子供を恵んでくださるよう神様に祈ったところ、やっと老婆に子供が授かりました。しかし、産まれた子供は身長が一寸しかなく、何年たっても大きくなることはなかったので、「一寸法師」と名づけられました。
このとき老夫婦が祈ったのが、住吉の神様だったのです。このことから、住吉大社は、一寸法師発祥の地となりました。


児安社の狛犬
子宝祈願の種貸社の東隣に、小社があります。こちらは児安社といって、子守神として崇敬を集めています。

社殿の前には、像高50cmほどの砂岩製の古い狛犬が置かれています。台座には「文化九壬申年四月」と記されています。文化九年は西暦1812年になります。丸目で大きな鼻、眉をしかめるような表情で、阿形は垂れ耳、吽形は立ち耳で角があります。

児安社は、近世までは第四本宮の南に祀られていて、神功皇后とともに「安産子守の神」として信仰されていたそうです。
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