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「専門性があなたを救う」オランダの片田舎の手相占いとキャリア論🔮


「あなたは専門性を持って生きるべきです。」


彼は私の手相を見ながら、淡々とそう言った。


あなたのキャリアで絶対に忘れてはならないのは専門性です。それがあなたの人生を救います。

——— えっ、私の人生っていけてない?



このとき私は、大学院を卒業したばかりで、やっとの思いで得た最初の仕事のためにオランダの片田舎へやって来た。

アメリカの巨大多国籍企業のオフィスで、インド人エンジニアたちと肩を並べ、ITプロジェクトに携わることになっていた。

初めてのフルタイムの仕事。

とはいえ、私がいたのはシリコンバレーのような洗練されたIT都市ではなく、「オランダのどこだよここ?」と言いたくなるような田舎町。

職場にはITプロジェクトをサポートするため、インドからやってきた出稼ぎエンジニアたちがたくさんいた。

その頃の私は、自分がどんな人生を歩んでいけばいいのか、どんなキャリアを築いていけばいいのか、何もかもが漠然としていた。

ただ流されるように仕事を得たものの、自分の道がどこに続いているのかも分からなかった。

当時、ちょうど .comバブルの崩壊 を経て、IT業界ではインドへのアウトソーシングが加速していた。

その影響で、アメリカの大企業のプロジェクトをサポートするために、インドから多くのエンジニアが送り込まれてきていた。

彼もその一人だった。

「2、3年したら国に帰ると思うけどね。」

そう言いながら、奥さんを国に残し、小柄で寡黙なエンジニアの彼は他のインド人チームの同僚たちと共に、毎日淡々とコーディングを続けていた。

———そして、なぜか今日は手相占い。



インド人同僚たちとはランチをともにする仲になり、時には仕事のアドバイスをもらうこともあった。

異国の地で、日本人は私ひとり。孤独と不安に駆られる日々の中で、彼らとの交流は心の支えになった。

そんなある日、彼がふと口にした。

「僕、手相見れるよ。」

「そうなの? じゃあ見てもらおうかな。」


私は漠然とした将来への不安に駆られる若者だった。


だから、占いでもタロットでも星占いでも、何でもいいから道標が欲しかった。


ランチのあと、私は彼に左手を差し出した。そして、その手をじっくり眺め、いくつかのことを語った。


が、細かいことは一切覚えていない。

ただ、一つだけ。


彼が何度も何度も繰り返した言葉だけは、ずっと心に残り続けた。


「あなたは絶対に専門性を持ってください。それがあなたの人生を救います。」

「ただ、心配しなくてもいい。その専門性は、そのうち見つかるから。」


—— 本当に? それって、どこにあるの?


専門性。

若い頃に「専門性を持て」と言われても、ピンとこない。あまりにも漠然としていて、つかみどころがない。

自分の人生はまだまだ長く続いていくはずだと思いながら、頭の中には無数の選択肢が散らつく。

むしろ、こっちはこっちで不安でいっぱいだった。



自分の専門性って何?


どのように深めていけばいいのか?

どんな仕事を極めていけばいいの?

そもそも、今の仕事が好きなのかすら分からない。


「何の専門を持てばいいの?」

私は彼に聞いた。


彼は静かに微笑みながら言った。


「それは僕にも分からない。でも、あなたにはそのうちやってくるから、黙って見ていればいいよ。大丈夫だよ。」



———いや、黙って見てるだけで専門性が降ってくるなら、皆な専門家だわよ…


それからの1年間、私は手探りのまま仕事を続けた。

日本に戻った私は、新卒でもなく、第二新卒でもない中途半端な立場だった。


キャリア迷子が“専門職”になるまでそして転職を繰り返した。わずか1年で2回。

それでも、あるヘッドハンターが私の履歴書を見つけてくれた。このオランダでの院卒の経験が目を引いたらしい。


そして、私は思いがけず究極の専門職に就くことになった。

あの仕事が、今の私の専門性を築いた。

———専門性とは、積み重ねの先に見えてくるものだ。



最初は何も分からなくて当然。

毎日、目の前の仕事に正直に向き合いながら、「この先、どんな形になっていくのか?」「この道の先に、自分だけのキャリアがあるのか?」と考え続ける。

その過程の中で、ふとした瞬間に、自分にしかできないことが見えてくる。


そして、その瞬間が訪れたとき、人生は大きく動き出す。

キャリアとは、ただ転職を重ねることではない。

転職を戦略的に織り交ぜながら、「自分のキャリアを投資し、デザインしていくこと」なのだ。



専門性って、気づいたらできてるものなのかもしれない。

専門性は「探す」ものではなく「積み重ねる」もの

毎日仕事に向き合っていると、「これは自分に合ってるかも」「これは得意かも」「ここを突き詰めると面白いかも」と思う瞬間がある。

その瞬間を見逃さずに、試してみる。続けてみる。深めてみる。



専門性が、あなたの価値であり“勝ち”に導く。

専門性は、あなたの最強の武器になる。

専門性こそが、あなたのキャリアを唯一無二のものにする。

専門性こそが、あなたを本当の意味で“勝ち”へと導く。



———「あなたは専門性を持って生きるべきです。」

あのオランダの片田舎で、インド人エンジニアが私に言った言葉が、今でも忘れられない。

あれがキャリアの土台だ。



さて、あなたは自信を持って誇れる専門性を持っていますか?

そして、その専門性は、あなたを強くしていますか?

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