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50代いつもの土曜の朝。当たり前は当たり前でないことに気づく

ラジオ、コーヒー、トースト、猫——。

毎週土曜の朝は、決まったルーティーンで過ごしている。
そして今朝、その穏やかな時間が
「当たり前ではない」と、ふと気づいた。


土曜、朝7時。

猫と一緒に布団から抜け出し、ラジオをON。
いつも聴いているのは、
ウィークエンドサンシャイン
ピーター・バラカンがセレクトする音楽が、静かに流れ始める。

音楽を聴きながら、お湯を沸かし、コーヒー豆を挽く。
ドリップを始めると、豆がモコモコと膨らみ、
白い湯気とともに、ふわっと香りが立ち上る。

愛用のマグカップにコーヒーをたっぷり注ぎ、
お気に入りのダイニングチェアへ。

手元にスマホはない。
液晶画面ではなく、家の前の公園を眺める。

桜の蕾が、うっすらピンクに膨らんでいる。
もうすぐ咲きそうだ。

しばらくコーヒーを楽しんだあと、グリルで食パンを焼く。

ガス火でこんがり焼けたトーストに、
今日はクリームチーズと自家製の金柑ジャムをのせる。

チーズの塩気と、ほんのりビターな甘さ。
この“甘じょっぱさ”が、なんともいい。

私がトーストを味わうあいだ、
猫はグリルの排気口の上で、余熱を満喫中。


それぞれの朝。

朝日が差し込むダイニングは、
コーヒーとトーストの香りと、音楽に満たされている。

そして、私の心もゆっくり満たされていく。


今朝、そんな時間を過ごしながら、ふと気づいた。

この平穏な朝は、当たり前ではないのかもしれない、と。

昨日の「春分の日」は、母の命日だった。
ということは、8年前の今日は通夜の日。

あの頃は、こんな気持ちで朝を迎えられるなんて思いもしなかった。

その後、自分自身の病気が見つかり、
不安な気持ちで過ごした春の土曜日もあった。

昨年、父の危篤の知らせが届いたのも土曜日だった。

最近は、戦争や物価高、円安など、
将来に不安を感じるニュースも多い。

それでも。

こうして静かで満たされた時間を過ごせていることは、
とてもありがたいことなんだと思う。

当たり前は、当たり前ではない。

そんな当たり前のことに、
改めて気づかされた土曜の朝だった。

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