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破水は突然に


あの擬陣痛(笑)から、
退院して一週間が過ぎた。

母子手帳を見返してみると、

あの日の記録には、

「腹緊消失」

と書かれていた。

つまり、

「お腹の張りはなくなりました」

という意味らしい。

いや、

そもそも張っていない。

私は勝手に、

「陣痛だ!」

と思って病院へ行っただけである。


そして以降、何も起こる事なく、

金曜日の定期健診へ行くと、

先生が言った。

「まだ子宮口、開いてないね」

マジか。

そして、

「予定日を過ぎそうだから、来週の月曜日に入院して、促進剤を使いましょう」

正直、

少しほっとした。

早く産みたかった。

「じゃあ月曜日なんだ
土日に入院準備しなきゃ」

そう思って家に帰った。

ところが、

その日の夜だった。

ベッドで寝ていると、

突然、

「パン!」

という音がした。

次の瞬間、

パッシャン。

何かが一気に流れ出した。

破水だった。

止まらない。

「どんだけ出るの?」

と思うくらい出てくる。

慌てて病院へ電話をすると、

「すぐ来てください」

と言われた。

私はバスタオルを挟み、

夫の車で病院へ向かった。

破水した。

病院へ向かっている。

今度こそ、

出産が始まる。

私は本気でそう思っていた。

そう思った私を、

このあと出産は盛大に裏切ることになる。


次回へ続く…

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