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nyakopan
伏線回収
「もう3分間隔です!」
そう言われて、
私は分娩室へ入った。
ここから先は、
正直あまり覚えていない。
痛い。
それだけは覚えている。
いきんで、
休んで、
またいきむ。
それを何度繰り返したのか、
もうわからない。
「子宮口全開。もう産まれますよ」
そんな言葉を何度も聞いた気がする。
でも、
産まれない。
気がつくと、
外は明るくなっていた。
朝だった。
先生や助産師さんたちの様子が、
少しずつ変わっていく。
「おかしいな……」
そんな声が聞こえた。
「頭は、はまっているんだけど」
何人かで確認している。
そして先生が言った。
「このままでは出ないね」
さらに、
「吸引でも難しいかな」
その瞬間、
分娩室の空気が変わった。
「すぐにご主人を呼んでください」
私は痛みで意識が朦朧としていて、
何が起きているのか、
よくわからなかった。
ただ一つ、
健診のたびに言われた、
「頭が大きいね」
という言葉だけは思い出した。
あれは伏線だった。
しかも、
回収されたのは、
出産当日の朝。
いや、
そこまで何回も言うなら、
もしかしたら帝王切開になるかもとか、
骨盤を測っておこうかとか、
少しは予測して事前に何かできなかった?
もちろん、
結果論なのはわかっている。
仕方ないのである。
でも、
「もっと早くわからなかったの?」
痛みで朦朧としながら、
私はそんなことを考えていた。
すると、
先生や助産師さんたちが一気に動き始めた。
分娩室の空気が、
さっきまでとは明らかに違う。
私はそのまま、
手術室へ運ばれることになった。
