ダンボール ・ チープスリル ・ サマータイム
子どもの時、母が「段ボールハウスのワークショップ」を見つけてきました。ちょっと迷うも参加を表明。
最初は気持ち半分でしたが工作は好きなので、少しづつテンションが上がってきました。
それに対して母は『楽しみだ。段ボールならばほとんどお金がかからない。非常にお得な遊びである』と、すでにボルテージは最高潮。
その熱にあてられたのか教育の賜物か、気づけば私も「オカネ カカラナイ!」と呪文のように唱えるようになっていました。

参加者同士ペアになって大きな段ボールハウスを作るとの事で、私以外に唯一の女の子であるNちゃんとの共同作業になりました。
「よろしくね!今日はオカネ カカラナイね!」とご挨拶。
Nちゃんは一つ年下の明るい子ですぐ仲良くなりましたが、Nちゃんのお母様は不穏な呪文を連呼している親子と組まされて、さぞ心配だった事でしょう。

ワイワイ騒ぎながら作ってるうちにハウスは巨大化していき、気付けば3部屋くらいに。せっかくなので、部屋の間にドアを付けようとなりました。
反対側でNちゃんがドアを支え、私は無心になってガムテープで固定していく。
思ったより時間がかかってしまいましたが、どうにか貼り付いたので「できたよ!」と声をかけ、不安定なドアを開きました。

そこには瞳孔が開き、明らかに視線が合っていない異質なモノがいた。
ソレが『コッチニキテ』と言っている。
私は一瞬固まった後、またたく間に全身が総毛立ち、直感でこれはダメなやつだと思って逃げ出しました。
母に抱きつき『どうしたの?お金はかからないから安心して』と聞かれるもどうにも説明できず、恐る恐る振り返りました。
そこには普通のNちゃんが『ねー、どうしたの?ドア外れたよ!』と騒いでる。
あれ?さっきのは何だ?
偶然おかしく見えたのか?
その後は特に変なことは起きず、素材を活かしたハウスが無事完成しました。人生で唯一の「よくわからない」体験でした。たまには不思議もあるものだ。
Nちゃんとはその日限りでもう会ってません。

ずっと忘れていたのですが、甥と段ボールハウスを作っていた時にふと記憶が甦った次第でございやす。
ちなみに母は孫に向かっても「お姉ちゃんと一緒で楽しいね。お金がかからないし」と言ってました。何かに取り憑かれている様子。

もしもアレについて行ったら、お金を気にする必要のない世界に行けたのかもしれませんが、今は働いた稼ぎでどうにかギリギリ暮らせてるし、やりたい事もそれなりにある。
どうしたってお金はかかるが、まぁまぁ気楽にいきなされとスーパードライが言っている。
てなわけで、引き続きこの世界を楽しもうと思ったサマータイム。
お読みいただき、ありがとうございました!
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