私の英語の原点は「ラジオ英会話」
私に英語を学ぶ楽しさを教えてくれたのは、NHKの「ラジオ英会話」だ。
この番組との出会いが、私の人生を大きく変えた。
玩具屋での出来事
短大に在学中の頃、私は学校が募集した海外研修の一環で、ヨーロッパを訪れる機会に恵まれた。研修後、歴史のレポートを提出することが参加条件で、私は幸運なことにヨーロッパ5か国を旅することができた。
英語は好きで、学校の成績は悪くなかった。でもこの旅を通して、「受験英語では聞き取れないし、話せない」ということを思い知った。
イギリスの老舗玩具店「Hamleys(ハムリーズ)」に立ち寄った時のこと。白いひげを生やした人の良さそうな男性店員が話しかけてきた。
彼は身振り、手振りを交え、何かを必死に伝えようとしたが、私はこの男性の言葉が全く理解できなかった。
「Sorry」「I don’t understand」
そう繰り返すことしかできず、男性はその後、ちょっとがっかりした様子で去っていった。
パニックだった。そして申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになり、「もしかしたら私、何か素敵なチャンスを逃したのかもしれない」「せっかくイギリスに来たのに、英語が話せないなんて」と情けなくなった。
帰国後しばらくは、あの男性の顔が頭から離れず(実は今でも覚えている)、「英語を学びたい」という気持ちは日に日に強くなった。
ラジオ英会話との出会い
そんな私も就職し、本屋で偶然目にしたのが、NHKの「ラジオ英会話」のテキストだった。当時は350円ほどと手頃(いったい何年前なんだ!)で、「これなら英会話を気軽に始められる」と手に取った。
これが私のラジオ英会話との出会いで、英語にはまるきっかけを作ってくれたのは講師の大杉正明先生だった。先生の温かい人柄とダンディで楽しいおしゃべりに引き込まれ、私は次第に講座を録音し、何度も何度も繰り返し聞くようになった。
当時はまだ、カセットテープが主流の時代で、私は出てくる単語やイディオムを繰り返し発音して覚え、シャドーイングもした。また日々の出来事を英語で書く、簡単な英語日記も始め、時間があれば英語を聞いていた。
子供の頃、ピアノ教室が嫌で逃げ回っていた私。そろばん教室も体験入学だけで終了。ただお習字と水泳教室は好きでずっと続けていた。好きなものは苦ではなく楽しい。ラジオ英会話のテキストやカセットテープが増えていくのが嬉しかった。
留学したい
英語が少しずつかたまりで聞き取れるようになると、ラジオ英会話はますます楽しくなっていった。大杉先生が時々取り上げてくれる英語の歌にも興味を持ち、簡単な曲を口ずさむことができるようにもなった。なんだかワクワクした気持ちになった。
スポーツ好きな私の趣味が英語になった。
一方で子供が大好きで幼稚園教諭になった私だが、当時の職場に100%満足していたわけではなく、こんな気持ちが芽生え始めた。
「自分の世界を広げたい」
「留学してみたい」
「将来、子供のための英語教室を開きたい」
私の英語の原点
もしイギリスの玩具屋での出来事がなかったら、そしてラジオ英会話に出会わなかったら、私の人生は全く違うものになっていただろう。
米大学への編入にはお金も時間もかかったし、そこに行きつくまでは決してスムーズにはいかなかったものの、後悔はしていない。むしろいろんな経験ができて楽しかったし、英語を使う仕事にも就けた。
ー 私の英語の原点は「ラジオ英会話」ー
今でも、当時のオープニング曲を聞くと、あの頃のワクワク感が蘇る。(残念なことに、教材は引っ越しの時に手放してしまったけれど…。)思い切って留学したことで私の世界は大きく広がった。
英語を学び世界を広げよう
英文法を学ぶことは必要だ。インプットがなかったら、アウトプットができないからだ。
ただ英語を学ぶことは資格をとることがゴールではなく、世界を広げることだと思う。だから私は、多くの人に英語を学ぶ楽しさを知ってほしいと思っている。難しい英語でなくていい。興味のあることから始めるだけでもいい。
そして英語を通して、より多くの可能性を手に入れてほしいと思う。
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