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ついにAIが数学オリンピックの金メダリストに到達

2024年、AIの数学オリンピック挑戦についてお伝えしました。

このたび、Googleが開発したAIの最新版が、ついに金メダル相当のスコアを達成しました。2025年2月5日に公開された最新論文から、その重要なポイントをご紹介します。

国際数学オリンピック(IMO)は、世界中の優秀な高校生が挑戦する最高難度の数学コンテストです。その問題は高度な論理的思考力と創造力を必要とします。

今回のAI「AlphaGeometry2」(AG2)は、幾何学の問題に特化したAIで、過去の金メダリストの平均スコアを上回る成績を収めました。AG2は、2000年から2024年までの国際数学オリンピック(IMO)の問題を解いた結果、84%の正解率を達成しました。これは、金メダリストの平均正解率である81.8%を上回る素晴らしい結果です。

前バージョンであるAG1との差分をまとめると次の通りです。

  • 幾何学的な概念をより詳細に記述できるよう、新たに線形方程式や点・線・円の動きを扱う記法を導入し、従来66%だった範囲を88%まで拡大(学習データの質と量向上)

AG1とAG2のデータ網羅性比較
  • Googleの最新AI Geminiを活用し、問題文の解析から証明戦略の決定までを自動化

  • SKEST(Shared Knowledge Ensemble of Search Trees)と名付けた新しい探索手法を導入し、複数の探索木が知識を共有することで、より多様なアイデアによる解法が可能に

SKESTイメージ図

このモデルの革新的な点は以下の通りです:

  1. トランスフォーマーの内部構造を再設計し、層を必要に応じて何度でも繰り返し実行できるようにしました。これにより、従来の固定層制限を超え、より柔軟な推論が可能になりました。

  2. OpenAIのoシリーズやDeepSeek R1で使用される「思考の連鎖(CoT)」と比較すると、再帰モデルは内部の潜在空間で推論を行うため、追加のテキスト生成なしに高度な推論が可能です。これにより、学習データの準備や計算コストを大幅に削減できます。

技術的な実装面では、以下の工夫がなされています:

  • 学習時には反復回数のランダムサンプリングと効率的な勾配計算により、メモリ使用を抑制

  • 推論時には問題の難易度に応じて柔軟にステップ数を調整

  • 数十億パラメータ規模のモデルで、従来モデルを上回る性能を実証

内部動作の可視化では、トークンごとにらせん状の軌跡を描く様子が確認され、モデルが段階的に推論を深めていく過程が明らかになっています。

課題は残されているものの(可変数の点、非線形方程式、不等式を含む問題には未対応)、このモデルは推論深度を柔軟に制御できる新しいアプローチとして注目されるでしょう。

推論能力へのブレークスルーが続くことで、科学・数学の世界でAIが自律的に発見する日が近いかもしれません。

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