AIが核融合反応の研究を一歩進める

次世代エネルギーとして期待されている「核融合エネルギー」で画期的な研究が発表されました。Natureへの投稿記事含めて引用します。


専門用語が多いので、そもそも非日常的な「核融合反応」について直感的に補足しておきます。

実は地球にいる我々もその反応の恩恵を受けています。
それは「太陽からのエネルギー」で、これが核融合反応で生じています。
それをして、「人工太陽」という表現しているのを見た記憶があります。

どういった現象かというと、太陽内部では、超高温で水素(原子核1個)同士が重力でつぶされてヘリウム(原子核2個)が生成されます。その過程でエネルギーが発生します。
それを人工的に再現したのが「核融合エネルギー」です。

よく「原子力エネルギー」と誤解されますが、こちらは逆に、大量の原子核で出来ている原子を分裂させる過程で発生するエネルギーです。

なぜ核融合が期待されているかというと原子力より安全性が高いことです。

と、いうのも、原子力は核分裂反応の連鎖を止める技術が鍵で、うまくいかないと暴走します。
逆に、核融合は反応を起こし続ける技術が要求されるため、うまくいかないと反応が停止するだけです。(核融合炉は損傷する可能性もありますが)

一見夢のような技術ですが、その反応を維持させることが極めて難しく、官民入り乱れて基礎研究が進んでいるところです。
今回の発表も、スイスの学術機関とAlphabet傘下のDeepMindというAIベンチャーによる協業成果ですね。

DeepMindはAIに興味のある人なら一度は聞いたことがあると思います。
彼らが開発したAIが、囲碁世界チャンピョンを破ったり(Alpha Go)、タンパク質の3次元解析精度を飛躍的に高めたり(AlphaFold)しました。


以上を踏まえて、話を今回の研究成果に戻します。

恒星は重い、つまり重力が強いので原子核同士をつぶすことが出来ますが、地上施設で人工的に再現するには太陽以上の熱(数億度!)が必要となり、その状態では原子核の制御が超難しいです。

それを制御させる方式として下記2つのやり方が考案されています。

  1. 磁場閉じ込め方式:磁石を周囲に置いて、壁にぶつからないよう磁力でコントロール(プラズマは電気を帯びてるので力が作用)

  2. 慣性閉じ込め方式:レーザーなどで原子核を押し、原子核はそのままの状態を留まる(慣性といいます)仕組みを使ってコントロール

今回は1の成果なので2は割愛しますが、日本でも、宇宙ロケット推進剤など面白い研究もおこなわれています。


1ですが、直感的なイメージでいうと、古典ゲームの「アルカノイド」を連想するとよいかもしれません。

例えると、球が「プラズマ」で、防御棒が磁石、そして防げずに下に落ちた場所が「核融合炉の壁」となります。

そして今回、この防ぎ方をAIが学習し、そして興味深いのは、今まで人間が指示していたやり方と違う新しい制御方法を見出し、それが新しい核融合炉構造の研究につながるそうです。

これからの展開が非常に楽しみです。

ちなみに、日本でも核融合炉からエネルギーを取り出す装置を開発するベンチャーが注目されており、最近資金調達で話題になりました。

上記は国際的な炉建設向けに開発されており、これに限らず日本は歴史的にもこの研究には深くかかわっています。

何よりも今後の安全かつクリーンなエネルギーとして今後の進展に期待したいところです。

いいなと思ったら応援しよう!