甲府旅行記(2)甲斐とは
旅行記というか、ふと甲府について思索--というか思いついたことを書く。
特急かいじで甲府駅を降りると、「かふふ」と書かれた謎のオブジェがあり、一瞬戸惑う。
少し考えると、かふふとは旧仮名遣いでの甲府と分かる。てふてふみたいなものだ。
甲府は、甲斐国の府を略したものとすぐ分かる。では、甲斐はどうか。
甲斐の由来は不詳なのだそうだ。かつては「さかい」みたいな意味だと言われていたが、橋本進吉が上代仮名遣いを考えるとその意味にはなりえないと証明したことで否定されたらしい(上代ということはそれほど古い地名だということだ。)
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ところで、山梨も山があるのにやまなしと言われるが、山をなくしたからだとか、梨がたくさんとれるからとか色々な話がある。
今回は甲斐と山梨に切り込んでみたい。先日、地名の研究的な本を読んだら、なんだかピンとくるものかあったのだ。ただ、もちろん非科学的な妄想なので、信じるには一つも値しない。
甲斐がないの甲斐ってどんな意味?
甲斐は国名以外でも使われることがある。甲斐甲斐しい、甲斐がない、甲斐性などの言葉を使うだろうが、その時に甲斐ってどんな意味だと考えたことが一度はあるだろう。その結果、答えが出せただろうか。意味不明と結論づけたのではないだろうか。甲斐ってなんだよ、そんな気分にさせられる。
甲斐は貝という仮説
甲斐は「貝」だと思う。ぶっ飛んだ感じがあるだろう。海がない県なのに貝というのは不思議に思うかもしれないが、かつて貝は中国で貨幣として使われた。だからか、漢字の部首に貝が使われるとお金の意味を表すことが多い。財、貯などだ。
日本では、貝が通貨として使われた歴史があるのかは知らないが、漢字に部首として使われているから貝に貨幣的価値があり、時には交換に用いられるものというコンセンサスはあると思う。
貝の動詞は「かえ」
貝(かい/かひ)を動詞にすると「かえ/かへ」という仮説を立てた。換える、替えるなど漢字はさまざまあるがどうでもよい。貨幣の交換性が動詞になった。文字としては「かひ」「かへ」だろう。ここですこし冒頭の「かふふ」とのつながりが見えてきただろうか。
用例を見てみよう。
甲斐性
甲斐性というと意味が捉えられないが、貝性ならお金があって養える意味としてピンとくる。
甲斐がない
甲斐がないは、投資する価値がない、投資しても貝が(えられ)ないという意味だろう。
甲斐甲斐しい
甲斐甲斐しいは、甲斐があるという意味で、投資する価値があるからテキパキはたらく、貝貝しいということではないか。
貝があるということは、豊かであるということでもある。豊かの原因は勤労や豊穣であり、原因と結果は古い社会ではしばしば混同されるから、働くことも貝だといえなくもない。
だから、甲斐国とは貝の国、つまり豊かな国と考える。そんなにズレていない気がする。
山梨は古い地名だった
次に山梨だ。甲斐国が山梨になり、山梨という地名はその際にできたように思い込んでいた。ただ、山梨は歴史ある地名だ。甲斐国山梨郡として、延喜式神名帳(900年代)にもでている。ということは、山梨という地名は遅くとも平安期にはあったのだ。
昇仙峡の奥に金櫻神社という古社がある。金櫻神社は、山岳信仰・狼信仰の神社で地域の崇敬を集めている。
金櫻神社の祭神は少彦名。日本神話の有名な神様なので知っている人は多いだろうが、医療の神様だ。だから、金櫻神社の境内には無病平癒の旗がある。神徳は病気の治癒、"病まなく"なるということだろう。
山梨は「病まなし」という仮説
ここで、「病まなし」というキーワードを思いついた。どの程度、金櫻神社が重んじられていたかにもよるが、「病まない」というのは富に直結するから国名の甲斐との対応もある気がする。
この手の話は科学的にやれないので、基本的に非科学的な妄想となるが、個人的にはしっくり来た。
前回はこちら。
次回はおそらく来年の秋になりそうです。
