1/16 喫茶店と落下の王国

目が覚めたとき、外はまだ暗かった。時刻は6時、久々の自発的な(?)早起き。昨日の朝が早かったから今日も早く目覚めたのだろうかと思ったが、寝返りを打とうとしたとき全身の筋肉痛に気づき絶対にこのせいだと思った。

午前中はよく行く喫茶店に行ってコーヒーとモーニングのトーストを食べながら『世界99』の下巻を少しだけ読んで、自分の偏愛を探るためにセルフインタビューをしてみた。なぜ新卒で無職になったの?1日予定がなかったら何をして過ごす?など。それぞれに対する答えを事前に持っていたつもりでいたけれど、それらはどれも漠然としていて言葉にならなかった。言葉にすることで失われてしまうものが確かにあるだろうけれど、言葉にする時間を蔑ろにすることによって失ってしまってきたことも同等かそれ以上に存在するのだろう。そして何より私はこの時間が好きで、知らない自分と話すのが心地良かった。これからのあらゆる価値判断の際、1度立ち止まって自分と対話する癖をつけようと思った。

午後は『落下の王国』を見た。平日の午後にしてはお客さんが多く注目度の高さが伺えた。CGなどを使わず現地に赴いて撮影されたという映像は圧巻で、これらの景色が実際に存在することに驚くほどだった。公式サイトによると撮影期間4年、13の世界遺産に24ヵ国以上のロケーションを巡って撮影されたそうで、その熱意に感銘を受けると同時に一体どれほどのお金をかけて制作したのだろうと卑しいことを考えてしまった自分が情けない。映像の美しさだけでなく現実と作り話が次第に混ざっていくストーリーも私は好きだった。

映画の余韻を引き連れて外に出ると日暮れ前で、まだ人通りの少ない繁華街を抜けてJazz喫茶へと向かった。今日はちょうどレディ・ガガのイベントの日のようで、キャンドルが置かれた薄暗い店内にレディ・ガガの映像と曲が流れていた。私は平日限定のチーズケーキとガトーショコラのセットにコーヒーがつくのを注文し、映画のことを考えたり持ってきた本を読んだりして過ごした。ふと後ろを振り返ると『落下の王国』のパンフレットを持った人がいて、全く同じルートを辿った人がいることに気づいて嬉しいような気まづいような心持ちがした。服装も青いニットが被っていてやや気まづさが勝った。

帰りに駅前の書店に寄って魚喃キリコさんの『南瓜とマヨネーズ』を買った。帰りの電車に高校の同級生がいてびびり、『世界99』を俯きながら読んだ。

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