最近のお気に入り ふわふわしなるペン先の”Delta Titanio (デルタ チタニオ)”
みなさんこんにちは。
前回の記事では最近購入したペンを紹介したので、今回は最近のお気に入りを紹介したいと思います。
それがこちら

「Delta Titanio Limited edition Gray」(デルタ チタニオ リミテッドエディション グレー」です。イタリアはナポリのブランド「デルタ」の限定品万年筆で、チタン製ペン先を搭載しているのが最大の特徴です。私自身チタン製ペン先は初めてだったのですが、いざ書いてみると想像の数倍自分好みの書き味で、すっかり最近のお気に入りになっています。今回はそんなチターニオを詳しく見ていきます。
デルタ チタニオとは?
まずはメーカーのデルタ社の紹介から。

デルタはイタリア・ナポリ近郊の街ガゼルタ発祥の筆記具ブランドです。オレンジ色のボディーが特徴の代表作「ドルチェヴィータ」をはじめとして多くの人に愛されるブランドでしたが、2016年に内部分裂により休業してしまいます。現在では創業者のニノ・マリノ氏が「D-N」として復活していますが、旧デルタの製品はイタリアを代表するペンとして根強い人気を持っています。
とここまでは知っている方も多いと思われますが、今回紹介するチタニオは日本ではほとんど知られていません。それもそのはず、このモデルは日本では販売されなかったモデルなのです。(私は中古で買いました)
最初にも述べた通り、最大の特徴はチタン製のペン先を搭載していることで、トリムにもチタンが使われるなどチタンという素材を全面に押し出したモデルです。
カラーバリエーションはいくつか存在していて、私が持っているグレーのマーブルの他、ブルーマーブルや黒単色のものなどが確認できます。「リミテッドエディション」の名前の通り数量限定で販売されていたようで、このグレーは限定100本のみの製造です。

キャップの根元にはシリアルナンバーの刻印があり、私のものは65/100とあるように65号機のようです。(85にも見えますね)こうした刻印はレアさの演出もさることながら、個人的にはペンとの一期一会の縁を感じさせる素晴らしい演出だと思います。
詳しく観察してみる
書いてみる前にまずは各部の観察をしていきましょう

まずは全体です。いわゆるベスト型と言われる両端がフラットなデザインで、サイズも全長が140mmとスタンダードな大きさとフォルムです。一方でかなり太めで、実際よりも大きく見えるような気がします。

モーメントマジコと並べてみました。このペンはデルタの元メンバーが立ち上げたいわゆるデルタ後継ブランドの一つである「レオナルド」のペンで、デザインの雰囲気は旧デルタ製品を彷彿とさせます。(他にデルタ製品を持っていないんで...)
全長も太さもほとんど同じはずですが、こうしてみるとチタニオが余計太く見えます。やっぱりフォルムのせいですかね...
デザインもクラシックな雰囲気のモーメントマジコと比較するとモダンさが際立ちます。工芸品的なモデルが多かった印象のデルタでも異色な存在だったのではないでしょうか?
次にトリムなど細部を見てみましょう。

キャップリングや首軸の金属リングは艶消し仕上げと暗い灰色からしてチタン製でしょう。キャップリングに「Ti 22」とチタンの元素記号表記があることからチタンという素材がコンセプトのモデルだとよくわかります。

ボディーはイタリア万年筆ではお馴染みの美しいマーブル樹脂です。これは全てのイタリア製マーブル軸に言えることですが、光が閉じ込められているように感じるのは私だけではないと思います。

そんな中でも個人的イマイチポイントがこのクリップです。なんでここだけ光沢仕上げなんだ・・・せっかくキャップリングまでチタンにして素材を押し出していたのに、ここだけ異質な感じがしてたまりません。チタン製にするのはコスト的に厳しくてもせめてマット仕上げにするとかなかったんでしょうか・・・?いつも左右に少し歪んでいるのも気になったりします。

次にペン先です。前回のカヴェコスプラでもお馴染みのBock社製6号サイズニブですが、マットな暗い灰色がチタン製であることを強く主張しています。マットな仕上げのニブというのも珍しいですが、どうやらチタンという素材の特性的に磨き上げるのが難しいそうです。キャップリングがマットなのも同様の理由でしょう。
インクはカートリッジ・コンバーター両用式ですが、コンバーターはねじ込み式である点に注意が必要です。ねじ込み式のコンバーターは周囲であまり売っていないので少し困る点ではあります。
チタンニブの書き味は・・・?
いよいよ肝心のチタンニブを使ってみましょう。今回はペリカンの4001ブラックを使っています。

さて書いてみますが、第一印象としてはなんといっても「今までにない書き心地」というものです。よくしなるのですが柔らかいというよりはコシがある感じですね。
しならせるとある程度太く書けたりするんですが、フレックスペン先というほどではなくあくまで実用的な範囲で太くなるという印象です。ただインクフローはかなり多めの部類で、紙によってはなかなか乾かないことがあります。

ペン先のタッチとしてはサリサリとした感触で、まるでニブ本体の梨地仕上げがペン先まで及んでいるかのような書きごこちです。私はヌラヌラな書き心地よりはこういうサラサラとした書き心地と柔らかくしとしなるペン先が好みということもあって、このチタンニブの「柔らかい×サリサリ」という書き心地は私のストライクゾーン直撃です。
それからなぜかはわかりませんが、ペン先の運びが少し軽いような印象も受けます。チタンは普通の金属と比べて軽いことが特徴なのでそのせいかとも考えたんですが、万年筆のニブくらいのサイズでは大した重さの違いが出ないような気がするのでプラシーボ効果も多分に含んでいるのでしょう(笑)

このニブの唯一の欠点といえばインク供給が追い付いていないことですね。さっきインクフローがとてもいいと書きましたが、ペン芯(ニブの裏のプラスチックパーツ)が普通のものと同じなのでインクの使用量に供給が追いつかず、時々スキップしたりインクが薄かったりが起きてしまいます。メーカーによってはここを独自パーツにすることで改善していることもあるんですが、書けないというほどではないのであまり気にする必要もないのかもしれません。
全体としてチタンニブは、見た目も書き心地も今までないものを提供してくれました。もちろんメーカーによって差はあるでしょうし、インクスキップ等問題はありますが、私は大好きです。まあ柔らかいペン先自体好みが分かれますし、サリサリなタッチも尚更ですが...
まとめ
いかがでしたでしょうか?中古とはいえそれなりに高かったですが、想像以上のものを手に入れられたうえにお気に入りになったのでいい買い物だったと思います。
チタン製ニブを搭載したモデルは多いとはいえず、私の知っているものだと
・イタリアのスティピュラ製の一部モデル
・フランスの文房具メーカー、エルバンの高級ブランドであるジャックエルバンが販売する「クリッパー」(チタニオと同じBock製ニブ)
・アメリカ・モンテヴェルデの「イノーヴァ・チタン」(ここのチタンニブは硬いらしい)
・インドのアクリブというメーカーのもの
あたりが思い浮かびますが、いずれも日本に正規輸入なしor生産数が限られている入手ハードルの高いものばかりです。ペン先ユニットだけ輸入する手もありますが、ヨーロッパから輸入で約2万円とこちらもお財布に優しくないですね。
このように入手難易度の高いチタンニブの万年筆ですが、柔らかい書きごたえもある万年筆が好きな方には理想のペンだと思うので、もし見つけたら購入を強くお勧めします(情報もお待ちしております)
ここまでお読みいただきありがとうございました。ではまた次回の記事でお会いしましょう!
