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セッション定番曲その265:Take Five by Paul Desmond, Dave Brubeck

ジャズセッションの定番曲。みんな大好き5拍子の曲。歌詞をのせたボーカル版もあります。ジャズ畑以外の人達がカバー/アレンジしているものが多いのも面白いですね。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:The Dave Brubeck Quartet

1959年録音。この変拍子は東欧〜トルコ辺りの民族音楽にありそうなノリで自然に身体が動いてしまうようなアレンジ。どこまでも前に進んでいくようなリズム感。これが頭でっかちで理詰めで考えて書いたものなら、こんなに誰もが知る人気曲にはならなかったと思います。偏見を捨てて聴くと世界各地の民族音楽には奇数拍子/変拍子のものが沢山あり、それでみんな自然に踊っていますよね。

この曲も「鼻歌で歌えてしまう」のがポイント。Paul Desmondの軽やかなサックスに続いていつの間にか始まるドラムが主役のパート、というクセの強い構成。「ただの奇を衒ったポップスではなくて、これはJazzなんだよ」という宣言にも聴こえます。


ポイント2:Carmen McRae

早くも1961年にはボーカル入りのバージョンが録音されています。色ものではなく、ちゃんとリズムに乗って歯切れ良く歌っています。音節が少ない英語の歌詞ならではで、これを日本語で歌ったらこんなキレは出ませんね。

このバージョンも人気があるのでジャズセッションでも歌う女性が意外と沢山います。歌う際には思い切りの良さが大事ですね。

歌詞を付けたのはDave Brubeckの奥さんのようです。


ポイント3:Just Take Five

「Let's Take Five」は「ちょっと(5分間くらい)休憩しようよ」という表現で、それをうまく歌詞に展開しています。

Won't you stop and take, A little time out with me
Just take five
Stop your busy day, And take the time out
To see if I'm alive

「いま忙殺されていることを少しの間だけ忘れて、私のことを見てみて」
と誘っています。なかなかいい出だしですね。振り向かせてみるという自信があるのでしょうね。

Though I'm going out of my way
Just so I can pass by each day
Not a single word do we say
It's a pantomime and not a play

偶然を装って出会うチャンスをわざわざ作っているのに
全然言葉を交わすことも出来ない
これじゃまるで無言劇、ドラマが始まるきっかけもない

なかなか積極的ですが、決めどころで決めきれない状態のようですね。

Still, I know our eyes often meet
I feel tingles down to my feet
When you smile, that's much too discreet
Sends me on my way

でも視線を交わすことはしょっちゅうあるよね
そんな時は足先までゾクゾク感じちゃう
笑顔を見せてくれる時もあるけど、なんかさりげない感じ
でもちゃんと伝わっているよ

Wouldn't it be better, Not to be so polite
You could offer a light
Start a little conversation now
It's alright, just take five, Just take five

堅苦しい感じはやめて
ちょっとタバコの火を貸してくれないかな
ちょっとだけ言葉を交わそうよ
ほんの少しの間でいいから

なかなか語り掛けている相手の人物像が見えてきませんね。こちらの好意に気が付きながら、なかなか隙を見せてくれない。もどかしいままで歌は終わってしまいます。この呼び掛けに果たして相手は振り向いてくれるのか?

サラッと歌って「オトナの恋の駆け引き」を表現するのもアリ、粘っこく歌って少し「猟奇的な恋心」を匂わせるのもアリ、だと思います。


ポイント4:曲の構成

アドリブ/スキャットは2コードで回すことが多いので、永遠に自由に展開が出来ます。Bパートは言葉が詰まっているので、譜割りをよく確認して、アクセントを付ける箇所に気を付けてリズムにのって歌いましょう。少し前のめりぐらいが丁度いいかもしれません。

ミュージックシート例


ポイント5:5拍子の曲

前にどんどん進んでいくけど、いつまでも安定しない感じ/着地しない感じが特徴的。うまく使うと「不安な気持ちのまま立ち向かっていく」雰囲気がすごく出ますね。

リズム説明動画


Mission Impossible Theme


Do What You Like by Blind Faith (Ginger Baker)
Eric Claptonはこの曲が大嫌いでいやいや演奏していたらしいです・・・


マルサの女


tolerate it by Taylor Swift


ポイント6:様々なバリュエーション

Abi Flynn、2014年録音
力強い声でストレートに歌っています、お手本


Sinne Eeg、2021年録音
ベースとのデュオで歌っています、これもお手本


Al Jarreau
、2016年ライブ録音


Malene Mortensen、2008年録音?
色っぽいアレンジと歌唱


Grover Washington, Jr.、1992年録音


King Tubby


村岡実、1970年録音
尺八演奏


松本孝弘
、1996年録音
お気に入りの曲みたいで何度も録音しています。


XL、2010年録音
クラブヒットしました。強引に4つ打ちにはめ込んでいます。


◼️歌詞


Won't you stop and take
A little time out with me
Just take five
Stop your busy day
And take the time out
To see if I'm alive

Though I'm going out of my way
Just so I can pass by each day
Not a single word do we say
It's a pantomime and not a play

Still, I know our eyes often meet
I feel tingles down to my feet
When you smile, that's much too discreet
Sends me on my way

Wouldn't it be better
Not to be so polite
You could offer a light
Start a little conversation now
It's alright, just take five
Just take five



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