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セッション定番曲その247:Blame It on My Youth

ジャズセッションの定番曲。1934年に書かれた古い曲で、ロマンチックな歌詞とメロディ。バラードというほど遅くなく、歌詞を噛み締めるようにゆったり歌うのが似合う曲です。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:Chris Connor

1954年録音。物語を語るような丁寧な歌い方。歌詞を噛み締めて聴きたいですね。こういう古い曲はゆったりとスイング感(後ろノリ)を楽しみましょう。ヴァースから歌っています。


ポイント2:Brad Mehldau

1997年録音。歌詞が特徴的で魅力がある曲ですが、もちろんメロディも素敵でインストもいいですね。バラードはピアノトリオの良さが味わえます。


ポイント3:曲の構成

AB各16小節の合計32小節、最初の8小節のコード進行は共通なので迷子になりやすい面もあります。メロディに工夫があって、それぞれの解釈で盛り上げ所を作ることが出来ます。

リードシート例


ポイント4:Blame It on My Youth

私のせいじゃなくて、その時の若さ(未成熟さ)のせいなの」と。
英語特有の言い回しですが、それがちょうどよく言い訳にもなっているのが面白いですね。

「若気の至り」というのは「若さにまかせて調子に乗って無茶なことをすること」ですが、この歌詞は逆に「若さゆえの未経験/未成熟からくる戸惑いやビビり」を歌っています。

ポイント5:歌詞のポイント

If I expected love when first we kissed
Blame it on my youth
If only just for you I did exist
Blame it on my youth

キスをしただけで「これが愛!」と勘違いしてしまったのは
若さゆえの純粋さから
私がここにいるのは貴方を愛するためだって
思い込んでしまったの

I believed in everything
Like a child of three
You meant more than anything
All the world to me

貴方に夢中になってしまって
まるで3歳の子供みたいに貴方の振る舞いを信じてしまったの

If you were on my mind all night and day
Blame it on my youth
If I forgot to eat, and sleep, and pray
Blame it on my youth

四六時中、貴方のことを忘れられないし、
寝食を忘れ、お祈りも忘れてしまう
それはバカみたいな若さのせい

If I cried a littlе bit
When first I learned thе truth
Don't blame me
Blame it on my youth

「本当のこと」を知った時に、少し泣いてしまっても
私を責めないで欲しい
それはその時の純粋さのせいだから

主人公はキスをして甘い言葉を囁いてきた相手に夢中になってしまったいた。けれど経験の浅さから相手に振り回されて、都合良く扱われてしまって、最後には裏切られてしまったようです。考えてみると「責めないで欲しい」と訴えているのは周囲の人に向けてではなく、どうも自分自身に言い聞かせているのかもしれません。「あの時の自分はバカみたいだったけど、それはまだ若かったから」「だから、もうあんな惨めな恋はしない」と。

ポイント6:ヴァース(前節)

例によって「ネタバラシ」みたいな内容になっているので、含みを持たせて歌いたい時にはヴァース無しの方がいいかもしれません。

You were my adored one
Then you became the bored one
And I was like a toy that brought you joy one day
A broken toy that you preferred to throw away

貴方は私をまるでオモチャのように、一時は楽しんでいたのに、飽きてしまったら放り捨ててしまった・・・

フラれてしまったことも、最低な相手のこともここでネタバラシしてしまっています。これを先に聴くとコーラス(本歌)部分のドキドキする感じが薄れてしまいますね。


ポイント7:(番外編) 青春って・・・(毒)

日本の古いフォークソングや歌謡曲の歌詞に「青春」って言葉はよく出てきますよね。英語にもこの「youth」のように「若い頃」を示す表現はありますが、「青春」という言葉の持つ「ノスタルジックな感じ」「甘酸っぱい感じ」「未成熟=純粋、として礼賛する感じ」とは大分ニュアンスが違います。

「青春」と歌詞に入れておけば・・・という安易さがちょっと・・・
その単語を使わずに甘酸っぱさを感じさせるのが作詞家の仕事だと思うんですが。そして日本がいつまでも精神的に成熟しない社会であるのもちょっと納得出来ますね。高齢化が進んでも中身は青臭いまま。それを許容してしまう甘さが・・・


ポイント8:様々なバリュエーションを聴いてみよう

Jamie Cullum、2003年録音
大ヒットしたデビューアルバムから。まさに「若さ」の真っ只中にいた彼の渋い歌唱。


Chet Baker、1967年録音?
このヘロヘロな感じがまさに「未熟ゆえの戸惑い」に似合っていますね。


Holly Cole Trio、1993年録音
ポップス寄りのジャズ歌手、Holly Cole。素直な歌い方が素敵です。


Nicole Henry、2012年録音
歌ウマ・ジャズ歌手の代表。嫌味の無い上手さで、聴きやすいです。


Keith Jarrett Trio、1991年ライブ録音
ピアノも勿論良いのですが、長いベースソロがなんともメロディアスで良いのです。


Art Farmer Quintet、1988年録音
柔らかい音色が曲想に似合っています。


◼️歌詞


(Verse)
You were my adored one
Then you became the bored one
And I was like a toy that brought you joy one day
A broken toy that you preferred to throw away

(Chorus)
If I expected love when first we kissed
Blame it on my youth
If only just for you I did exist
Blame it on my youth
I believed in everything
Like a child of three
You meant more than anything
All the world to me

If you were on my mind all night and day
Blame it on my youth
If I forgot to eat, and sleep, and pray
Blame it on my youth
If I cried a littlе bit
When first I learned thе truth
Don't blame me
Blame it on my youth



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