はじめの一歩のハードルを下げる
新しい環境に飛び込むとき、新しいことを学ぶとき、緊張し、不安を抱えます。「知らない」から「わからない」から良いイメージができず、足踏みをしていることが、大人になった今もあります。大人になった私でもそうなのだから、子どもにとってはなおさらです。
私が日々プログラミングや起業体験で子どもたちと関わる中で、強く感じるのは、はじめの一歩を踏み出すハードルを下げることの大切さです。
はじめの一歩はなぜ難しいのか
子どもたちが新しいことに挑戦するのをためらう理由は、学校や教育現場でもよくみられます。
1つ目は、「自分にはできる気がしない」という気持ちです。
子どもは初めてのことに挑戦する前に、「自分には無理かも」と不安になりやすいです。大人から見れば簡単なことでも、本人には大きなハードルに感じられるのです。
2つ目は、失敗が怖いという気持ちです。
失敗すると怒られる、笑われる、恥ずかしい……そんな思いが先に立つと、挑戦自体を避けてしまいます。失敗は「学びのチャンス」ですが、なかなかそうは思えません。成功か失敗だけの結果になると考えてしまうと、踏み出すことが難しくなります。
3つ目は、周りの目が気になることです。
クラスの友達や先生の反応が気になって、最初の一歩を踏み出すのが怖くなる子もいます。「失敗したら笑われるかも」という思いは、誰でも持ちやすい自然な感情です。
こうした気持ちが重なると、初めての挑戦は大きな壁に感じられるのです。
一度経験するとハードルは下がる
でも、安心してほしいのは、一度でも「やってみたらできた」という体験をすると、その後のハードルはぐっと下がるということです。
皆さんもこのような経験はあるのではないでしょうか?
大人の場合は転職や新しい仕事に挑戦する場面です。最初は「自分にできるかな」「職場の人とうまくやれるだろうか」と不安でいっぱいでも、一度小さなプロジェクトを任されたり、新しいスキルを使って成果を出せたりすると、「思ったより自分にもできる」と実感できます。
初めてのプレゼンや資格試験、転職活動で一度経験してみたら意外とできた……という経験はありませんか?その一度の体験があると、次の挑戦に向かう心理的なハードルは格段に下がります。
子どもたちも同じです。
私の教室でも、初めてプログラミングに触れる子どもたちは最初「無理かも」と言います。でも、キャラクターが一度動く瞬間を体験すると、次の挑戦に自然に向かっていきます。
家庭教師では、英語を話すことも、最初の「声に出してみる」経験を越えた子は、その後どんどん話すことに抵抗がなくなります。
つまり、「やってみたら意外とできた」という小さな成功体験が、自信や挑戦意欲につながるのです。
大人にできること
それは、はじめの一歩のハードルを下げて、子どもが安心して挑戦できる場をつくることです。
プログラミングなら、いきなりコードを書くのではなく、ブロックを組み合わせる簡単な操作から始める
起業体験なら、大勢の前ではなく、仲間数人にアイデアを話すところから始める
英語学習なら、長い文章ではなく、短いフレーズで声に出してみる
小さな一歩を経験させることで、「次もやってみよう」という気持ちを自然に育てることができます。
そしてその体験が楽しいものや嬉しいものであれば、サポート無しで勝手に進んでいくものだと感じています。
雰囲気づくりの力
そしてもう一つ大切なのは場の雰囲気です。難しさの中に合った要素のほとんどは、自己効力感や他者からの評価への恐れが影響していると言えます。
挑戦は楽しい経験にも、怖い経験にもなり得ます。だから、子どもが安心して挑戦できる雰囲気をつくることが大切です。
私が意識しているのは、
「やってみてもいいんだ」と思える安全な場
気軽に声を出せて相談しやすい雰囲気
自分から動きたくなるようなそっと背中を押すサポート
これらが揃うことで、子どもたちは自分から挑戦したくなるのでは?と思い実践しています。小さな成功体験と安心できる雰囲気が、次の挑戦への原動力になることは日々の子どもたちの反応から伝わっています。
「やってみてもいいんだ」と思える安全な場
これはどんな場でも重要になってくるものだと感じています。
心理的安全性が担保されていない場において、ただでさえ難しい挑戦ができるわけがありません。
逆に、「やってみてもいいんだ」と思える場では、小さな一歩でも踏み出す勇気が生まれます。たとえば、初めてのプログラミングで「うまくいかない」と感じても、誰かに相談できたり、仲間と笑いながら試行錯誤できるだけで、挑戦のハードルはぐっと下がります。
こうした安心感や信頼感は、単に「優しい雰囲気」とは少し違うと考えています。挑戦を支えるための土台であり、挑戦を可能にするための大人の大切な役割でもあります。心理的安全性がある場では、子どもたちは自分のペースで考え、自分の意思で行動を選び、自発的に成長していくことができるのです。
気軽に声を出せて相談しやすい雰囲気
子どもたちが思ったことを自由に話せる雰囲気は、とても大切です。わからないことや不安なことがあっても、すぐに質問したり相談できる場があると、挑戦へのハードルはぐっと下がります。
気軽に声を出せるということは、単に「話していい」ということだけでなく、「間違えても否定されない」「どんな質問でも受け止めてもらえる」と感じられる安心感も含まれます。
こうした雰囲気があると、子どもたちは自分から手を挙げたり、仲間と意見を交換したりしながら、少しずつ自信をつけていくことができます。
自分から動きたくなるようなそっと背中を押すサポート
大切なのは、子どもたちが「やってみよう」と自分で思える瞬間をつくることです。
そのために必要なのは、答えや正しさを押し付けるのではなく、そっと後押しするサポートです。
たとえば、少しヒントを出したり、できたところを一緒に喜んだり、手順を整理して見せたりするだけで、子どもは自然と次の一歩を踏み出す気持ちになります。
この小さな後押しがあることで、自分の意思で挑戦する力が育ち、挑戦を楽しめるようになると考えています。
誰にとっても難しいものだから
初めての一歩は誰にとっても難しいものです。緊張や不安、失敗への恐れや周りの目……それらは自然な感情です。
でも、大人がハードルを下げ、最初の一歩を経験させ、安心できる雰囲気を整えることで、子どもたちは挑戦を楽しめるようになります。
子どもたちは挑戦する力を持っています。
大人の役割は、その力を引き出す環境をつくること。
それを意識して、今日も私は教室で子どもたちの一歩を見守り、応援しています。
そして子どもだけではなく、大人もはじめの一歩は大変です。むしろ、いろいろ経験している大人の方が新しく始めることに対して億劫になることもあると思います。
ライフセンター「ひらけごま」では、子どもたち向けの起業体験やフリースクールなども行っています。さらに大人の習い事なども行っていく予定です。
はじめの一歩のハードルを下げながら多世代で学べる場を提供したいと思っています。
また、教室を開きたいけど不安という方もサポートしながら色々な教室や学びができる場を作る準備中です。
多くの人が安心してチャレンジできるように活動していこうと思っています。
