#75 固定費を本気で見直す 〜15年越しの授業料〜
家計管理において、毎月払う固定費を見直す効果は大きい。
わが家のインターネット契約が、ちょうど更新時期を迎えた。継続するか、他社へ乗り換えるかを考えるうちに、これは固定費の問題であると同時に、「未来の自分とどう付き合うか」という習慣の話でもあると思えてきた。
今回は、その中で考えたことを記事にしてみたい。
ネット回線は「速度」ではなく「割引」で差がつく
はじめに、最近のインターネット契約の概要について触れておく。
各社のプランは、現在は大きく 1 ギガと 10 ギガの 2 種類がある。この「ギガ」とは通信データ容量の上限ではなく、最大速度のことを指す。私はコーチングのオンラインセッションを行う関係で、通信速度は速いに越したことはないと考えるため、10 ギガプランを選んでいる。月額の基本料金は、どの会社もだいたい 6,000 円程度だ。
ここで知っておくと良いのが、「◯◯光」と名のつくサービスは、その多くが NTT の光回線を借りて提供されているという点だ(「光コラボ」と呼ばれる)。回線そのものが共通だから、速度や安定性は基本的に変わらない。
数少ない例外は NURO 光と au ひかりの 2 社くらいで、これらは独自回線となる。とはいえ、劇的に速度が変わるわけではない。
つまり、各社が差をつけられるのは、速度ではなく割引とキャッシュバックの方だ。スマホ契約とのセット割や期間限定キャンペーンによって、ちゃんと選べば年間数万円単位で金額が変わってくる。
ポイ活はしないが、ネット回線は本気で見直す理由
私はいわゆる「ポイ活」はやらないことにしている。ポイントカードやアプリを持ち歩いて、会計のたびに出して……というのは、かける労力に対して見返りが小さいと思っているためだ。
しかし、ネット回線に関しては本気で労力をかけるべき領域だと考える。理由は金額のインパクトが大きいことと、「一度の手間で済む」ことの 2 点だ。
必要なのは数時間の労力のみ。それが年間数万円の差を生み、複数年にわたって効き続ける。いわば複利的に効いてくる「おいしい投資」である。
昨年の「月 500 円事件」
昨夏はネット回線のちょうど 2 年契約の更新時期だったため、一度は他社へ乗り換えようとした。当時の契約先に「解約を検討している」旨を伝えたところ、引き止めのための割引が提示された。
結果、それまで 1 ギガ相当プランで月 4,400 円払っていたのが、より速い 10 ギガプランを月 500 円で使える条件になった。「こんなことがあるのか」という衝撃を受けた。
ただ、少し複雑な気持ちもある。安くなるのは嬉しいが、自分が「解約します」と言い出さなかったら、この提示はなかったはずだ。つまりは言ったもん勝ちで、黙って使い続けている人は高い料金のまま放置されるという構造になっている。
ちなみにこの割引が適用されるのは 1 年間のみで、2026 年 7 月からは約 6,000 円になる。そこで私は、坦々と 500 円プランへ切り替えたうえで、2026年 6 月下旬(つまり今)に「光回線を乗り換える」というリマインダーをセットした。
ひと工夫として、備考欄には参照すべきページの URL と、どこを見てどう手続きするかまで書いた。理由はシンプルで、1 年が経つとまず覚えていられないからだ。リマインダーの通知を受けて、それを開けばすぐに動き出せるように用意しておくことが肝になる。
15 年前の苦い思い出
私の「どれだけ先であろうと、必ずその場でリマインドをセットする」習慣には、原点になった事件がある。約 15 年前、まだ au のガラケーを使っていた頃の話だ。「このオプションに入れば月額料金が安くなる」と案内されて加入したサービスがあった。「初月は無料、2 ヶ月目以降はお客様で解約してください」と言われていたのに、解約手続きを忘れて長いこと払い続けていたことが後で判明した。余分に払った額は、トータルで 3,000〜4,000 円くらいだろうか。あのときの悔しさは 15 年経った今でも鮮明に覚えているが、よい授業料だったと思いたい。
仁義なき戦い
話を現在に戻す。わが家の光回線は、このままでは来月から月額 6,000 円になるため、改めて乗り換えを検討している。
2026 年 6 月現在の各社キャンペーンを調べたところ、特に目を引くのが GMO とくとく BB 光だ。6 ヶ月の無料期間に加えて、高額のキャッシュバックに、さらには他社からの乗り換えに伴う違約金も負担する。ここまでやって成り立つのか、商慣習的にどうなのか、とさえ思うレベルだ。
考えてみれば、光回線の品質はどこも同じのため、各社はほぼ価格で勝負することしかできない。だから、このような「仁義なき値引き合戦」になるのだと思う。業界構造には疑問を抱きつつ、いち消費者としては無視できない金額のため、今はこの GMO とくとく BB 光に変更しようと思っている。(細かい文字で適用条件がたくさん書いてあるため、しっかり吟味している段階だ)
まとめ
大きな固定費のメンテナンスは、数時間の労力で年間数万円を節約につながる。
しかし、いくら価値があると分かっていても、忘れてしまっては意味がない。未来の自分は忘れることを前提に、仕組み(リマインダー)を先に置いておく。
この「忘れる前提で設計する」は、固定費にかぎらず使える発想だと思う。iPhone の純正リマインダーや、Google カレンダーなど、ツールは何でも構わない。
大切なのは、「然るべき時に、通知を確実に受け取れること」だ。
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▼浩平のプロフィール
・コーチ 4年目(2026年6月現在)
・京都大学工学部 / 同大学院 → 技術職 9年 → 教育ベンチャー 3年 → 独立
・座右の書:Atomic Habits
・好きな習慣:早起き / 読書 / 内省 / 筋トレ
「理系院卒 → 大手終身雇用」というレールを離れ、ライフコーチとして独立しました。自分の意思(Will)でキャリアを選択するための、読書やジャーナリング習慣の重要性について発信しています。
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