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少しずつ見つけた、私の居場所

前回は、転校をくり返す中で、人との距離を少し慎重に見るようになったことを書きました。

仲良くなっても、またお別れになるかもしれない。
そう思うと、どこかで少しだけ心にブレーキをかけていたのだと思います。

そんな私が、最後にたどり着いた場所が岐阜でした。

新しい学校。
新しい教室。
新しい先生。
新しい友だち。

何度も経験してきたはずなのに、やっぱり最初は緊張しました。

教室に入る前の廊下。
みんなの声が聞こえてくるだけで、胸の奥が少しきゅっとなる。

「ここでは、うまくやっていけるかな」

そんなことを、子どもながらに考えていた気がします。

最初から特別な出来事があったわけではありません。

でも、毎日同じ道を通って学校へ行くこと。
顔を覚えてくれる人が少しずつ増えていくこと。
休み時間に声をかけてもらえること。
給食の時間に、自然と近くの席の子と話せるようになること。

そういう小さな積み重ねが、私の中に少しずつ安心を作ってくれました。

「またいつか離れるかもしれない」

その不安が完全になくなったわけではありません。
けれど、岐阜で過ごす時間の中で、私は少しずつ思えるようになりました。

ここにいてもいいのかもしれない。
無理に急いで仲良くならなくても、少しずつでいいのかもしれない。

転校ばかりだった私は、どこかで「早くなじまなきゃ」と思っていたのかもしれません。
でも本当は、居場所は急いで作るものではなくて、毎日の中で少しずつ育っていくものだったのだと思います。

派手な思い出ではないけれど、朝の通学路、教室のにおい、友だちの何気ないひと言。
そういうものが、少しずつ私の心をほどいてくれました。

そして気づけば、私はその場所で笑えるようになっていました。

転校をくり返してきた私にとって、それはとても大きなことでした。

「ここが私の居場所かもしれない」

そう思えたことが、あの頃の私を少し強くしてくれたのだと思います。

次回は、学校生活の中で、少しずつ自分らしさを取り戻していくお話を書いていきます。

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