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「学校に行きたくない。」その理由は、一つじゃなかった。

長野へ引っ越してきて間もない頃。

私は初めて、

「学校に行きたくない」

そう思うようになりました。

でも、その理由は一つではありませんでした。

学校は山の中にありました。

毎朝、山道を登って学校へ向かいます。

今なら何でもない道なのかもしれません。

でも、小学1年生だった私には、その道のりがとても長く感じました。

知らない土地。

知らない友達。

知らない先生。

毎日が緊張の連続でした。

そんなある日の帰り道。

家の近くにいた野良犬と目が合ってしまいました。

「目を合わせると追いかけてくるよ」

そう聞いていた私は、必死に家まで走りました。

でも間に合わず、お尻を噛まれてしまったのです。

それから帰り道は、怖くてたまりませんでした。

さらに、もう一つ忘れられない出来事があります。

引っ越して間もない頃、地域の子どもたちが集まる交流会のようなものがありました。

帰る時は、登校班のお姉さんと一緒でした。

私は安心して、その後ろを歩いていました。

でも、気が付くとお姉さんの姿がありません。

先に帰ってしまっていたのです。

まだ土地勘もない私は、一人ぼっち。

「家はどっちだろう」

泣きながら歩いて、

迷子になりながら、

何とか家へ帰ることができました。

あの時の心細さは、今でも忘れられません。

野良犬に噛まれたこと。

迷子になったこと。

毎日山を登って学校へ通うこと。

そして、慣れない環境の中で過ごすこと。

一つひとつは、小さな出来事だったのかもしれません。

でも、小さな私にとっては、全部がとても大きな出来事でした。

少しずつ心が疲れていき、

ある朝、私は母に言いました。

「学校に行きたくない」

その一言を聞いた母は、私を叱ることはありませんでした。

無理やり学校へ連れて行くこともしませんでした。

母は、私の気持ちを受け止めてくれました。

そして、私のためにある作戦を考えてくれたのです。

その作戦が、少しずつ私を変えてくれることになります。

次回は、今でも忘れられない「母の手作りスタンプラリー」のお話です。

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