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【Music Video】sha-toma まっすぐじゃない私のかたち ― 逃げ道にしないための物語

こんばんは!
左官歴10年の女職人こはるです!

今日はなんと、
私の創作活動の一部をご紹介させていただきます笑

作ってみたら、
なんだか職人になる道のりにも
似ていたり似ていなかったりラジバンダリ。。

ということで、
お恥ずかしながら現時点での力作をアップします( ・´ー・`)ドヤァ

感想をいただけたら、
喜びながら恥ずかしくて爆死するかもしれませんww

では、いってらっしゃいませ!


sha-toma とは

これは、

私は何をしてきたんだろう?
私はどうしたいんだろう?

ふとしたきっかけで考える機会をいただいて生まれた
自分を見つめ直した物語なんだと思います。

まっすぐ進む人を、否定したいわけではありません。

その人たちは、本当に強い。
毎日掘り続けて、怖い音も越えて、
向こう側の光へ抜けていく。

私はその眩しさに、目を奪われそうになる。

でも、私が欲しいものは、
誰もが羨む成功そのものではなく、
手の中にあるものを大切にできるだけの安心でした。

sha-toma の意味は、「揺れながら積む」という意味の架空言語です。


【物語】

ある朝、
私たちは地を揺るがすような音を聞いた。

この小さな町にやってきた、
世界でもトップクラスの性能を誇る巨大なマシン。

噂は聞いていた。
ついに、来たんだ。

私たちは道具を放り出し、
夢中で駆け出した。

2人で並んで見上げた、ピカピカの巨体。

町の出身者が、開発に大きく貢献したらしい。
みんなが彼を褒め称え、羨ましがった。

私も、その一人だった。

首が痛くなるほど見上げ、
その輝きが眩しくなってきた頃、
ふと気がつく。

私には、無理だ。
ああはなれない。

きっと、すごく恵まれていたんだろう。

でも、友人は違った。

―― 私も、ああなる。

彼女の目から、
浮かれた色が消えたのを、

目をそらしてしまった私は、
見ていなかった。


私たちはそれぞれに、
自分たちの穴を掘り始めた。

どこへ通じるかも分からない穴を。


私は穴を掘りながら、

ここに棚があったら素敵かな?
こないだ見つけたものを飾ってみようか。

そんなふうに、
のんきに寄り道ばかりしていた。

飽きてしまったり、
何かのアイデアを閃いたり、
面白いことに気を取られては、

穴を掘る手を止めていた。


気がつけば、彼女との差はぐんぐん開いた。

彼女はまっすぐ、
掘ることだけにすべてを注いでいるように見えた。


ふと思い立って、
私は彼女の穴へ顔を出した。

土砂を運び出していた彼女を見つけ、手を振る。

彼女は喜んで私を案内してくれた。

―― この道具はね、こういうときに使えるの!

―― 良い石が出たから、削岩機も買ってしまったよ。

―― もう、トロッコなしじゃやってらんないよね!

話を聞くうちに、
なんだか私まで楽しくなる。

へぇ、そうなんだ!
私も使ってみようかな。

そう相槌を打ちながら、
嬉しそうにする彼女を見ていた。

ただ、掘るだけじゃなかったんだ。
とても楽しそうな顔をした彼女をみて、
すこし安心した。


ひとときの交流を終え、
自分の穴に戻る。

あれ、私の穴…
こんなに、暗かったかな……

うちのランプは安物だ。
穴は狭いし、暗い。

……今まで、何やってただろ。

壁を穿って作った棚に、
小さく影が揺らめいた。


もう少し、ちゃんとやろう。

そう思った矢先、
急に壁が崩れて空洞が現れた。

奥から何か聞こえる。

ミー…ミー……

何かを確かめたくて、
私はそのかすかな音を頼りに狭い空洞を進んだ。

そこにいたのは、
どこからか迷い込んだ子猫たちだ。

今にも崩れそうな、
大きな石の向こう側。

その時、かすかに地面が振動した。

危ない!!

咄嗟に石の下に滑り込む。

グッと歯を食いしばって耐えても、
いつまでもつか分からない。

怯えて動けない子猫。

意を決して片手を離し、
一匹ずつ安全な方へたぐり寄せた。

子猫たちが離れたのを確認し、
渾身の力で石を押し返す。

ほんの少し生まれた隙間から、
間一髪で転がり出た。


これも、何かの縁だ。

そう思って、
私は猫たちを自分の穴で世話することにした。

彼らはいつも私にくっついて回る。

今日は、奮発して手に入れた削岩機のお披露目だ。

いい、いくよ?
これで、うちもいっぱい掘れるようになるからね!

そう声をかけて始動させる。
辺りには、轟音が鳴り響いた。

その途端、
猫たちは一目散に逃げ去り、
道具箱の影へ隠れてしまう。

私はすぐに削岩機を降ろし、電源を切った。

ごめん、もう使わないよ。

スコップに持ち替えた私を見て、
猫たちはそろりとこちらへ戻ってくる。

まぁ……いいか。

ため息をつきながら、
私は再びスコップで穴を掘り始めた。


私は来る日も来る日も猫たちと穴の奥へ潜った。

手彫りではなかなか進まないし、
相変わらず、スコップを放り出しては、
思いつきで猫たちの道を作ってやったりもした。

そんなある日、遠くで地鳴りがした。
続いて、どこかが崩れ落ちる音がした。

崩落!?
いや、あれは爆発…?


突然、友人と交わした言葉を思い出した。

―― わたし、ダイナマイトを手に入れたんだ…。

すこし、思いつめたような表情だった。

危ないよ!
まさか…使わないよね?

―― あ、うん…えっと、お守り。

それっきり、彼女とは顔を合わせていない。


まさか。
使ったのだろうか?

もしかしたら、

いや、きっと、

あと一歩だったんだ。


その後、
彼女がトンネルを開通したと新聞で読んだ。

あちらには、
とても明るい世界が広がっていたそうだ。

トンネルを開通した者でないと行けない向こう側。

私も、すこし、
見てみたいと思った。


寝床にしている穴蔵へ戻り、
ぼんやりと考え込んでいた。

私はいったい、どうしたいんだろう。
このままでは、私は開通者になれない。

開通者…なりたいのだろうか?
本当に?

ふと、膝の上の猫を見る。

私は、この生活が気に入っている。

でも、一歩一歩、
まっすぐ進めば、
開通者になれることを彼女が証明してしまった。

私にも、できるかもしれない。

もしかしたら、ただの横路でも、
どこかにつながっているかもしれない。

それは逃げでもあり、
言い訳でもあり、

私の覚悟でもあったかもしれない。

誰かのやり方を真似しても、
私の守りたいものは守れない。

なら、私は私であることを貫く。

甘いかもしれない。
大きな成功なんてしないかもしれない。

でも、私が欲しいのは、
誰もが羨む成功なんかじゃない。

私の手のなかにあるものを、
大切にできるだけの安心があればいい。


2. 歌詞と訳

誰も
同じ朝には戻れない

まっすぐ並んだ
力強い足跡だけが
努力だと思っていた

そのそばに散らばる
小さな足跡を
私はずっと
見ないふりしていた

毎日少しずつ
同じ場所を掘り進む
その手の強さを
私は知ってる

でも私は
すぐによそ見をして
まっすぐ前に進む努力を
してこなかった

toma, toma
noe ni mi
進まない夜を
責めていた

できないことを
言い訳にして
逃げているだけだと
何度も思った

それでも
崩れそうな石を
潰れそうになりながら
歯を食いしばったこともある

sha-toma
noe ni mi
揺れながら積む
まっすぐじゃない
私のかたち

sha-toma
toma keth
これを逃げ道にはしたくない
でも
進んでいるのかもわからない

遠くで響く
ダイナマイト
向こうの光へ
誰かが抜けていく

私は立ち止まって
泥のついた
小さなスコップを
見つめていた

向こうの光を
つかみたいと
思わないわけじゃない

私はそれを
勝つためじゃなく
安心のために
欲しいと思った

mi-ra, mi-ra
sha ni ai
何を守りたいのか
揺れながら見つめる

華やかな願いではない
勝ち進む道でもない
誰かを追いかける道でもない

猫が眠る
小さな部屋で
見えてしまった眩しさに
そっと目を伏せる

sha-toma
noe ni mi
消えないように
今を形にする

sha-toma
toma keth
逃げ道にしないように
今日も道を
すこし掘る

誰も
同じ朝には戻れない

だから私は
戻れない朝のあとに
拾い上げたものを
ここに並べる


3. この歌が生まれた場所

私に考えるきっかけをくれたのは、
山奥AI研究所さんの記事だ。

ただし、私が勝手に影響を受けたのであって、
山奥AI研究所さんの見解を要約したものでもないし、
反論したいわけでもない。

私は何がしたいのか?
それを考える引っかかりをくれたものだ。

内容は素晴らしいので、
ぜひ見てみてほしい。


成功する人は、行き先をしっかりと見据えている。
まっすぐ進んで、どうしたらたどり着くかを常に考えている。

一日に数時間でも、一日中でも、
それは人によるだろうけど、
とにかく、ひたすら進む。

毎日、毎日。

想像はできた。
理屈は分かった。

でも私は、それが一番苦手だった。

ダメなやつだと思った。

すぐに興味のある方へ流れる。
すぐに飽きる。

先のビジョンなんて考えたこともない。

やりたいと思ったら、
そっちに進んでしまうから。

チャンスに飛びつくためには、
身軽でいたいとすら思っていた。

いや、思っている。

でも、
少しずつ齧っただけでは、
すべて中途半端で。

何も成し遂げていないことに気づいた。

でも、
「10年続いてるなら、すごいことだよ」

そう言ってもらえた。

濃いような、濃くないような、
そんな10年。

必死になったような、本気にはなってなかったような。

ちゃんとは飲み込めなかったけど、
突き詰めていったら、
この形になった。

「真似をすれば成功できる」
「ひたすら突き進め」
「目標を持て」

私は天邪鬼だから、
素直に言うことを聞く気にはなれなくて。

少しずつもらうことにした。

私だけの道があるとしたら、
そこにはいつも、猫がいる。


4. シノカ語の意訳

これは、言葉にすると善悪で分けたり、言い訳になってしまうような感情や関係を、定義しないための言葉。

sha は、揺れ。
toma は、積む。

sha-toma は、
揺れながら積むこと。

まっすぐではない。
でも、消えないように形にすること。

toma keth は、
逃げ道にしないための境界線。
「私はこういう形だから」と言い訳にしないために、
今日の道をすこし掘る。




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女職人漂流記|こはるの、ねこのーと! ねこのーと!にいただいた応援は、現場の負担を1ミリでも減らす工夫の図解・メモづくりに使わせていただきます。 いつか誰かの「猫の手」になれるよう、少しずつ記録していきます。